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第36話

 ねぇ読者の皆さんの卒業試験ってどんな感じだった?


 わたしのところは筆記試験や実技試験があったなぁ。


 筆記試験の内容は魔法使いの歴史や過去にあった事件などを答えよとかだったかな?


 筆記試験は暗記さえしてれば点数稼げるんだけど、実技試験はそのときの実力によるから点数を稼ぎにくいんだよね。


 その場でいきなりあれを生成しろだの、これを生成しろだの―。


 そんなもの作ったことないよぉってパニックになる生徒も多かったとか?


 わたしもパニックに陥ったけど、ギリギリの点数で通ったかな?


 そのおかげで無事に魔法使い認定試験受験資格を手にすることが出来ました。


 では、もう1つ質問です。


 魔法が使えるのに、なぜわざわざ魔法使い認定試験を受験しないと魔法使いを名乗ることが出来ないのか?


 これはね、大昔にこの魔法を悪事に使う事例が多発したことによるらしい。


 有名どころで、魔法の力で毒を作ってその国のプリンセスを亡き者にしたり、魔法の力でその人の人生を奪ったりしたことかな?


 ちなみに、これは卒業試験や魔法使い認定試験でも出てくるような有名な事件だから読者の皆さんも覚えておこうね。


 まぁこんな悪い魔法使いたちがいたから今のわたしたちが魔法使いになるために必死にならなくてはならないというわけ―。


 本当に迷惑な話だよね?


 本当に難しくて、受け終わったときは落ちたと思って泣いたっけ?


 友達も皆、泣いていた。


 でも、蓋を開けたら皆受かっていてもう1回皆で泣いた。


 卒業式でも先生や友達とも別れが悲しくて泣いた。


 でも、ウィッチとして自分のやりたいことを叶えられるというワクワクした気持ちも同時に抱いていた。


 そういえば、わたしのやりたいことを読者の皆さんには伝えてなかったっけ?


 わたしのやりたいことは疑似魔力を作って魔界の人々を助けること―。


 なんだそんなことって思った?


 でも、この疑似魔力生成を取り扱っているお店は数少ないんだ。


 吉田さん、山田さん、佐々木くんは取り扱っていない店舗で普通に仕事してるんじゃないかな?


 わたしの家から1時間圏内で取り扱い店舗があったことがそもそもの奇跡だよ。


 何で疑似魔力生成にこだわるのかって?


 疑似魔力生成はウィザードまたはウィッチを名乗る魔法使いにしか許されていないものなんだ。


 狼男やヴァンパイア、雪女などの妖怪が作ることは固く禁じられている。


 どうせなら、ウィッチにしか出来ないことしたいじゃん?


 それに、わたしが作った疑似魔力で人々が救われるってすごく嬉しいことじゃん?


 疑似魔力なんて年数重ねないと作れないと勝手に思っていたから、エピンに来て4ヶ月ぐらいで疑似魔力生成を頼まれたときは本当に跳び跳ねるぐらい嬉しかった。


 この先、楽しいウィッチ生活が始まると思っていた―。


 だけど、まさか1人のウィッチを先頭にそれが打ち砕かれるとは思ってもいなかった―。


『わたしたちに比べたら暇があるでしょ?』


 暇なことは認める。


 でも、1年目ウィッチと10年目ウィッチではそりゃ出来ることに違いはあるということは理解してほしい。


 それとも、1年目で特に何も出来ないわたしが本当に出来損ないなのかな―。


『佐藤さん。任せられた業務はきっちりとこなさなければダメよ?1年目のウィッチだからといって許されることではないわよ?』


 最後まで終わらせなかったことは謝る。


 だけど、10年近くウィッチをしている人と同じことを1年目のウィッチが出来ると思わないでほしい。


 わたしだって、ついていこうと必死で動いた。


 動いてるけどやっぱり10年目についていくのは難しいんだよ!


『何で佐藤さんは1人で抱え込もうとするの?もっと頼ってくれていいのよ?』


 ―はぁ?


 ちゃんと助けを求めたことはあるよ。


 でも、助けを求めたら何て言い返されたと思う?


『中村さんも先輩として佐藤さんに助言しているだけだと思うのよ?もう少し中村さんの行為をありがたく受け止めた方がいいと思うわ?』


 わたしが高飛車に何かされてても決まってあんたらは高飛車を守ろうとする。


 半笑いでわたしを責めたことも覚えてる?


 どいつもこいつも中村中村中村中村―。


 何でわたしだけがこんなに責められなくてはならないの?


 わたしは高飛車からすごくいじめられているのに何で誰もわたしを助けてくれないの?


 ねぇ気付いてよ―。


 わたしがどれだけ高飛車からひどい仕打ちを受けているのかいい加減に気付いてよ!


 こんなことをされるためにエピンに来たんじゃない!


 ―もう限界だ。


 わたしは休憩室の扉を開けた―。


 そこにはすでに高橋さんの姿があった。


 わたしはそっと扉を閉め、一言こう言った―。


「高橋さん。もう限界です―。」


 わたしの目から大粒の涙が流れ落ちた。

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