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第19話

 朝早く起きて1時間箒を飛ばす。


 店に着いたら疑似魔力作ったり素材を集めたり片付けたり―。


 そして、高飛車にこき使われるだけ使われて、また1時間箒を飛ばして帰宅する。


 そして、疲れきったわたしはご飯を少しだけ食べて眠りにつく。


 休日は疲れを癒すためにどこにも行かずに家でひたすら寝る。


 このような生活が毎日続いた。


 そろそろエピンに行く足取りが重くなってきた。


 別に仕事が嫌というわけではない。


 何が嫌って高飛車にこき使われること。


 高飛車の召し使いな気分で正直、何のためにエピンで働いているのか分からなくなるほどだった。


 そんな生活をしていたので大事なことをすっかり忘れていた。


 そう、今日は渡辺さんとのお別れの日である。


 いつの間にそんなに月日が経っていたんだろう―。


 前に高飛車との会話で渡辺さんが結婚をするためにこのエピンから離れるというのは覚えているかな?


 いいなぁ、わたしも結婚してエピンを離れたい―。


 あっ彼氏いないわ―。


 ☆


 今日も1日が終わり、とうとう渡辺さんとの別れの時間がきた。


 結構バタバタしてたからなんやかんやで話すことが出来なかったなぁ―。


 わたし以外の魔法使いは渡辺さんを含めて円になり、花束や色紙を渡して別れを惜しんだ。


「山口も憎い男よね!こんな美女をエピンから奪い去ろうとするのだから!」


 山口さんは渡辺さんの旦那さんとなるウィザード。


 わたしがエピンに来る前にここで働いていたらしい。


 わたしと入れ違えで他の店舗にいったとか言ってたかな?


「はい、これ!結婚祝いよ!」

「わぁありがとうございます!山口と大切に使わさせていただきますね!」


 何もらったんだろう?


 ここからでは見えないな―。


 わたしは今何をしているのかって?


 わたしはその円から外れて必死に疑似魔力を作っているよ。


 こういう時は円に入って別れを惜しむのが礼儀なのだろうが、他の魔法使いたちが手を止めている以上したっぱのわたしは手を止めるわけにはいかない。


 お客様は待ってくれないからね!


 ―というのは表の理由。


 裏の理由は、やっぱりあの輪の中に入れないというもの。


 渡辺さんと最後まであまり話せなかったのは残念だけど―。


「それじゃあ皆、大変になるだろうけど頑張って!」


 皆それぞれと別れを告げたであろう渡辺さんはにこやかにそう言うと、早々と店を出ていってしまった。


 ―あれっ?


 わたしの中でお別れって涙なしには出来ないイメージなんだけどなぁ―。


 渡辺さんはえらく輝いていたような―。


 なんか、縛りから解き放たれたみたいな感じ?


 それとも、わたしがそういった別れ方をするアニメを見すぎているだけで実はこれが普通のお別れなのかも?


 まぁ別れの方法はどうでもいいとして、明日からエピンで働く人が1人減る。


 渡辺さんが担っていた仕事は誰が引き継ぐのだろう?


 ―まさか、まだ新米のわたしに任せるとかないよね?

この出来事の数日前に渡辺ポジションとのお別れ会はしています。

しかし、大して記憶に残っていないのでカットです。

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