表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/47

第8話

 楽しい歓迎会から3日後の月曜日。


 わたしは朝早くからとあるところに電話をかけいた。


「はい、エピンです。」


 あっ田中さんだ。


「おはようございます。佐藤です。すいません、昨日から魔力切れを起こしてしまい動けなくなってしまったのでお休みをいただいてもいいでしょうか?」

「そうなん?まぁゆっくり休んで。お大事に。」


 わたしは電話を切ると、本当にそのまま死んだように動けなくなってしまった。


 えっ何でこんなことになっているかって?


 ―話せば長くなる。


 えっそれなら別にいいですって?


 そんなこと言わずにマジで聞いてほしい―。


 親がわたしを病院に連れていくまでに済む話だから―。


 ☆


 金曜日。


 渡辺さんと別れた後、わたしは寄り道をすることもなくまっすぐ家に帰った。


 そして、お風呂にゆっくり入って疲れを癒し眠りについた。


 ☆


 土曜日。


 この日はたまたま休みだったので家でゴロゴロ。


 昨日、夜遅くまで楽しんだしゆっくり休もうと思い、あえてゴロゴロすることを選んだ。


 一応、ゴロゴロの中に部屋の片付けや家事とか含まれるからね?


 午前中は何事もなく普通に過ごしていたんだけど、異変は午後になって現れた。


 何て言うか、少しだけお腹に違和感を覚えた気がした。


 詳しく言い表せるほどではないんだけどなんとなく違和感?


 それと同時に魔法が使えなくなった。


 掃除とか面倒くさいから魔法で箒を動かしてたんだけど、午後になって急に動かせなくなった。


 その時は普通に単に魔力切れかぁと思って自分の手でちゃんと掃除をした。


 ☆


 日曜日。


 朝っぱらから腹部の激痛に襲われ完全に動けなくなった。


 動けないので魔力で物を動かそうとするが、全くもって動かない。


 ―もしかして、魔力が無くなってる?


 日曜日なので病院は開いていない。


 なので、1日中腹部の痛みに耐えるしかなかった。


 ご飯は全然食べれないし、魔力が吸われていくのが感じられるし、これは死んだ方がましなのではないかとマジで思ったよね。


 いや、中村さんの脅威に怯えるのももう嫌だし、いっそのこと天へ召そうとマジで思ったよね。


 ☆


 そして月曜日―。


 今朝に至る。


 腹部の痛みは気持ちましにはなっていたが、1日中痛みに耐え続けたわたしの身体は限界に近かった。


 あっ天使が何人か迎えに来た―。


 冗談は置いといて、ほら病院に着いたよ。


 そして、症状を診てもらったドクターからの一言。


「魔吸虫が胃に入り込んでるね。」


 魔吸虫とは、その名の通り魔力を吸う虫。


「生食食べた?生食って魔力殺菌されてないからねぇ。それを食べた人がまれにその魔吸虫に魔力を吸われるんだよねぇ。」


 生食?


 ここ最近、お刺身とか食べてないぞ?


 ―ん、ちょっと待てよ?


 歓迎会のメニューの中に生食に近いメニューなかったか?


 知らず知らずのうちに食べてたけどあれも生食に入るのか?!


 とにかく、ドクターによって魔吸虫を消し去ってもらい、わたしの悲劇は幕を閉じた。


 後は疑似魔力を摂取して魔力の回復を待つのみ―。


 しかし、よく田中さん元気だったよね?


 普通なら、あのメニュー食べた人全員が魔吸虫の餌食になってそうだけどなぁ―。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ