3話
「因みにクリア条件はなんなんだ」
龍魔がニヤリと笑いながら言った。
「確かに!さっき聞いた時は遺跡がない事に気を取られちゃったけど、改めて考えてみるとクリア条件と失敗条件がわからないだったら始められないよ…」
と、紫姫も話に乗っかる。それを聞きながら俺と桜怒さんも頷く。
『では1stステージのルールと共に説明致します。』
「おい!ちょっと待て、俺様はこの遺跡のクリア条件を聞いたんだ!1stステージのルールは後でいい」
「? 何言ってんだよお前?これは1stステージのチュートリアルだから1stステージのルールを聞くのは当然だろ?」
ドヤ顔の俺を見て悔しそうにする龍魔を想像したんだが…
「そっか、そんな大前提を忘れるとは俺様もまだまだだな」
以外とあっさりしていた。
『では説明させて頂きます。まず遺跡のクリア条件ですが、遺跡の奥にある宝物庫にある《4次元アイテム》を取ってくることが条件になります。失敗条件はライフが0になることです。』
「ライフというのはなんなんだ?」
桜怒さんが聞く
『ライフというのはそのままプレイヤーの生命力を表します。どのプレイヤーも100で統一されていますが体力などのパラメーターはリアル世界と変わらないような仕様になっております。』
「え?それってどういうこと?」
思わず俺は口を挟んだ。予想はついているし、多分それで当たりだと思うが……もしそうだとしたら俺はこの世界で圧倒的に不利になる。それはマズイ。実に良くない仕様だ。
『例えば、10の力で殴られた時に村雨様は9のダメージを受けるところを、桜怒様は4のダメージで済むなどの守備力。また、10キロメートルを桜怒様が全力で走れるところを、村雨様は1キロメートルが限界などという体力。さらに100メートルを桜怒様は5秒で走れるところを…』
「十二分にわかったのでもうやめて下さい!」
と、涙目で土下座をしながら言う(というより許しを請う)俺を見てシグマさんは『ご理解頂けましたか?』と笑顔を見せた。無表情だった人がな急に笑顔になることがこんなにも怖いということを始めて知った。
なんにしても俺の予想は当たっていた。このゲーム以外と鬼畜ゲーかもしれないと、心底思った。だからこそ自然と頬の筋肉が緩んでしまう。
「ところでライフが0になると死んでしまうのか?」
桜怒さんが続けて質問する。
『いいえ。少なくとも1stステージではライフが0になっても死ぬことはありません。』
「1stステージではというのはどういう意味だ?」
『深い意味はありません。ただ私が存じ上げているのが1stステージについてのみという話です。』
「そうか。ではライフが0になるとどうなる?」
『はい。ライフが0になるとチーム全体で持ち時間が4分の1減少します。正確には残り時間の4分の1の時間が経つまでフリーズします。そしてライフが100の状態でフリーズが解除されます。』
「?どうゆうこと?」
紫姫が首をかしげる。
『例えば残り時間が24時間の状態でライフが0にされてしまうとその4分の1の時間つまり6時間経った、残り18時間の状態までフリーズされます。』
なるほどと納得している紫姫の隣で腑に落ちない表情の龍魔が口を開く。
「それはチームの誰か一人がライフ0になったら全体がフリーズするということか?」
『はい。1stステージではそういう仕様になっております。』
「因みに持ち時間はどれくらいなんだ?」
『720時間つまり30日になっております。』
なるほど意外と長いな。まぁその分ペナルティの4分の1も序盤で食らうときついということか。
『1stステージのマップでは各国の代表として選ばれた方々。つまり他チームと同じマップになっております。』