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第4話 シンデレラ出撃

 シンデレラは走って、受付会場に行き見事「武道家」として登録。

 出場決定となりました。


 参加者は人間、魔族を会わせて1万人ほど。


 試合方式はトーナメント戦でシンデレラはサクサク順調に勝ち進み、ベスト8まで残っておりました。

(早……)


「チャーミングさんはどこかしら?」


 と会場をキョロキョロしております。


 その頃、美青年チャーミングは魔王の横のイスに腰を下ろしておりました。


「これ、王子よ。なにをキョロキョロしておる。ゴモリー嬢を探しておるのか?」


「え? ええ。この武道会に出場しているとのことなので」


「ふむ。ゴモリー嬢も男勝りだな。尻にしかれるのが目に見えてるのぉ」


「はは……」


 シンデレラはベスト8まで残ったものを見ましたがチャーミングはおりません。


「あら、負けちゃったのかしら……?」


 シンデレラのテンションはだだ下がり。

 すると、彼女の前に例の魔族の女マゴットが立ちました。


「あーら。アンタ。残ってたんだ」

「まぁね……」


「あの方を探してるんでしょ?」

「うん。でも負けちゃったみたい」


 マゴットは黙ってVIP席を指差しました。


「え? うそ!」

「そう。陛下のご子息、プリンス王子だったのね。こりゃ、玉の輿だわ」


「だって、どうやって?」

「あの女を見な」


 みると、とても上品で美しい魔族の女が召使いに囲まれてイスに座っておりました。


「あれはゴモリー公爵。プリンス王子のお妃候補だよ。あの女を倒してしまえば、陛下のお眼鏡にかなうはず!」

「そ、そうなの?」


「そりゃそうよ。陛下としたって強い子孫を残したいわけだし」


 マゴットはシンデレラをチロリと見ました。


「ま、フェアに行こう。あたしが勝っても、あんたが勝っても恨みっこなし!」


 シンデレラは、はにかんで笑いました。


「うん。わかった」


 シンデレラとマゴットはトーナメントを見る限り、ぶち当たるのは決勝!

 互いに決勝で会おう! と美しく誓い合いました。


 審判からシンデレラの名前が呼ばれました。

 対戦相手はライアンという竜に乗った騎士でした。


「うそ? これは反則じゃないの?」


 とシンデレラは審判に詰め寄りますが、審判は試合開始とばかり手を上げます。


「竜騎士で登録されている。問題なしだ。はじめ!」


 試合開始です!

 竜から火炎攻撃、上からはライアンの剣による攻撃!


 シンデレラは右に、左に上手にさけます。

 ライアンは激高して叫びました。


「おのれ! ちょこまかと!」


 と、ドラゴンによるしっぽ攻撃に切り替えました。

 しっぽが武道台をスキなく薙ぎ払います。


 シンデレラはジャンプして避け、ライアンの背後をとりそのまま場外にぶん投げました。


 シンデレラの勝利でした。


 シンデレラが観客に目をやりますと、妹たちが手を振っています。

 シンデレラも手を振りました。


 そして、その奥には白い仮面を被った老師が立っています。


 シンデレラは大きく礼をし、武道台を下りました。




 試合を見ていると、マゴットも勝ち進んだようです。

 二人はハイタッチしました。


「やるじゃん」

「まーね。アンタも頑張れ!」


 ここで負けてはいられません。

 せっかく老師にそれなりにしてもらったのです。


 次の相手は、アスナスという顔を隠した魔族の女でした。


(この人も女なのね。王子を狙ってるのかしらん……?)


 試合がはじまり、シンデレラの連続攻撃がヒットしています。


 魔王の隣の席から王子が立ち上がって叫びました!


「危ない! そいつの目を見ると、石になるんだ!」


 魔王は驚いて王子のほうを向きます。


「オマエ。なぜ、片方の選手の味方をするか! 馬鹿者め!」


 アスナスの目が妖しく光ります。

 シンデレラはチャーミング王子の声を聞いていたのですぐに目を閉じました。


 アスナスは彼女に近づきました。


「ふふん。目を開かなかったら得意の100%回避もできないでしょ! あたしの勝ちよ!」


 シンデレラに焦りの表情が浮かびます。


 ……そうよ。目を開けなきゃ相手は見えない。

 でも、老師から言われていた。

 心の目で見ろと!

(言ってた?)


 見えた!!(早……)


 シンデレラはアスナスに数発の拳を叩き込みました。

 余りのことに転がって場外に落ちました。


 アスナスは悔しがって「残念! 無念!」と叫んで家路につきました。


 次はマゴットとゴモリー令嬢の戦いです。

 シンデレラはお嬢様がマゴットに叶うわけがないと思って中途半端な気持ちでスポーツドリンクを飲みながら、やれ、次はマゴットとの戦いだなぁと思っていました。


「勝者、ゴモリー令嬢」


 との声に、シンデレラは思わずスポーツドリンクを吹き出してしまいました。


「な、なにィィィーーーーーッ!!!」


 マゴットは場外の遥か彼方の観客席に飛ばされていました。

 シンデレラは近くの人に聞きました。


「どうやったの?」

「見てなかったの? すごかった」


 との回答。一ミリも答えになってない。シンデレラはキレそうでした。ワナワナと震えました。


 決勝戦が始まります。シンデレラを呼ぶ声が聞こえました。

 彼女はまんじりともせずに決勝の舞台に上がりました。

終局である。ゴモリーの反則など、既に武道会ではない。

婚約者に課せられたプライドなのだろう。

武道台を赤い炎が包んで行く。


シンデレラ、次回『脱出』!


彼女は生き延びる事が出来るか?

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