18話 突っ込まれて色々涙目です
(;´・ω・) お騒がせ?しました。どうも出勤中の電車でポチポチしてたら居眠りしてしまい、何が起こったかわかりませんが、投稿しちゃったっぽいです(投稿時間見たら、ちょうど出勤中の電車の中……帰宅途中に見つけて、Mjd ポル○レフ状態)。
直すついでに、17話と18話のTIPSを間違えて投稿した件も修復しました。
また、今朝ミス投稿した部分の中盤に説明を少し追加、また漠然としていた部分に補足説明と一部言い回し変更をいれました。
6/18 加筆しました。
周囲にいた人達の視線を一身に浴び、変に目立ってしまった。
その場でのやり取りを諦め、ボク達は冒険者ギルドの二階にある生産ルームの方に移動していた。
ここは生産職の生産活動を補助するために、冒険者ギルドが貸出しを行っている料金制の部屋であり、1種類に特化している完全補助道具がある個室と、複数種類の生産に対応した一般的な生産道具しか置いていない多人数部屋との二タイプが基本。
ただし特別料金にて、複数生産完全補助設備プラス多人数というのも数部屋あったりする。
ボクたちがいるのは、安い方の多人数部屋の方である。
この生産部屋は長期の徹夜明けの仮眠にも対応(普通にベッドもある)しており、しかも防音機能が完璧なそうで。密談したり宿屋代わりにしていたりと、意外と需要が高いらしい。
「それじゃ改めて……。
――おやっさん。こっちだと初めまして、だな」
「いよぉ。おめぇさん。こっちでも『レント』って名前なのな」
「おやっさんも毎回『源さん』だろ。せめて『源』か『おやっさん』にしろよ」
「職人なら『源さん』だろうが?
それに『源』だと人によっちゃ変な呼び方になるだろうが。やっぱ語呂がいい方がいいわな」
まあ喫茶店でのやり取りで分かったけど、レントが紹介したかった生産職の人って源さん夫婦だったみたいだ。
「まさか一緒に来るとは思ってなかったな。
おやっさん、マツリさん。この二人が言ってた親友と妹だ」
「どうも改めまして、セイです」
「レントの妹のユイカでーす」
「おう。二人とも改めてよろしくだ」
「よろしくね。可愛いコと知り合いになれてよかったわぁ」
改めて皆で握手を交わす。
これから長い付き合いになりそうな予感がした。
「さて、これからどうするかだが。
――そうだな。ちょいと二人には説明しておこうか」
おやっさん、もとい源さんがそう宣う。
「一応分類は細工士だが、〔細工〕以外にも〔木工〕〔冶金〕〔宝飾〕〔鋳造〕〔鍛造〕がある。
まずは作りやすい魔法系二人の木製武器と、マツリが作るローブの宝飾を担当する予定だ。
あと、モンスの骨とか牙の素材で刀剣ができないか試そうと思っててな。むしろこれをやりてぇってのが一番でかい」
「私は裁縫士ね。スキルで〔付与魔法〕を取ってるから、強化服は任せて頂戴」
「ユイカ嬢ちゃんは獣人だから、多分制限なくて大丈夫そうだな。採寸すりゃ今すぐでもなんとかなるだろ。
問題はエルフのセイだな。お前さんの種族装備制限はどうなってるか教えてくれねぇか?」
え、何それ?
そんなのあったっけ?
「……まさかとは思うが、確認してねぇのか?
自分のことだぞ?」
「意味が分からない……ですけど?
そんなのどこにありました?」
首を傾げるボクの姿を見て、源さんが思わず額を押さえながら呆れた声を出した。
「一番最初のチュートリアルの種族選択の時だぞ。選ぶ前にちゃんと確認して選んだんじゃねぇのか?」
あ、あの時か。
もうこれしかないと思って、途中で読むのを放棄しちゃったからなぁ。
ボクの中で他の種族の選択肢なかったし。
そういや、長所の部分しか見てないや。
「他の種族より始めから進化してたり強めの設定をされている種族やレア種は、それに見合うデメリットが限定的に付与されていたり、特性の一部が封印されていたりしているぞ。
マツリの有翼人種もそうでな。翼に魔力を込める事で飛べるらしいんだが、今は翼の魔力が封印されてるってよ」
ちらりと隣に座っていたマツリさんをみる源さん。小さく頷いたマツリさんはすっくと立ち上がるとばさりと翼を拡げ……。
「この状態で魔力を込めたら浮力が生まれるのだけど……込められないのよね~」
チュートリアルでは実際に飛べたのだけど。と朗らかに苦笑するマツリさん。
確かにバサバサッと動くも全く浮かばないね。
通常種を選んだ他のプレイヤーも設置型試練クエストを発見しクリアすれば、その種族から分岐する進化系に進化するかどうかの選択が出るそうで。
そちらの場合では、能力の封印とか特殊なデメリットはないんだって。
突発型試練クエストの場合も進化出来たりするそうなんだけど、出来ない場合もあって、よくわかってないらしい。
話を聞いて、「じゃあ元からレア種で始めた人の設置型試練クエストはどうなるの?」と疑問を感じて質問したら、最初からレア種を選んだ人は何らかの試練クエストさえクリアすれば、特性及び補正の封印が消えるという。
そこらへんで調整しているようだ。
ボクが思うに、「この通常種族の先にはこんなレア種族があるよ」と運営は宣伝したかったという事なのかな。
流石に全部じゃないと思うんだけどね。
実際に普人種の進化系『血の目覚め』で起こる『種族ハーフ』は、最初っから選べないらしいし。
あと現在判明している突発型試練クエストの仕様なんだけど、一つたりとも同じモノがない上に、現時点で報告のあったクエストが三つしかないらしい。
しかもそれが終わるまで試練クエストとはっきりわからない上に、再受注不可との事。
もちろん失敗すれば、その時点で終了する。幸いなのは、関わった者が全員恩恵がある点くらいである。
しかもその突発型は、この世界に多大な影響を及ぼすらしい。
「ま、つらつらと語ったが、公式サイトで『精霊の祝福を受けし種族』と銘打たれて紹介されている森精種も、そこそこの制限がついているって聞いてんぞ?」
「そういや昨日の昼間に聞くの忘れてたな……。
ここはレア種を最初っから選べるようにしてる代わりに、わざとピーキーな性能にしている運営だからな。普人種の方が癖がないから使いやすい、とまで言う奴も多くいるくらいだ」
レントと源さんにそう言われて、メニューを開いて種族項目をタップし、可視化してみんなに見せる。
そこにはこう書かれていた。
種族:古代森精種
森精種のハイレアクラス。魔法と精霊の親和性に最大補正。加護を受けた精霊の影響を大きく受ける。
その影響で普通の森精種より身体能力が高い。
うん、ここまでがチュートリアルで読んだ部分だ。
ただ、問題はその後。その後ろに続く文章にこう書いてあった。
加護精霊に認められ格が最大限に上昇している為、基本精霊が嫌う金属装備を始めとし、加護精霊が嫌うモノは全て不可。
また精霊の力に敏感な為か、邪悪なる精霊の悪意の波動まで受け入れてしまう。その為、呪いへの抵抗力が非常に弱い。
邪気から漏れ出る波動の抵抗に失敗すると、侵食率に応じてステータスが大幅ダウン。
更に加護持ちから攻撃を受けると強制失敗し、ランダムに状態異常付与(抵抗不可)。
装備可能:木工・繊維・宝石に準じた装備品
種族解放:クリア済
「ふぁっ!?」
思わずビックリして声が出る。
いつ種族解放終わったのよ!?
しかも何このデメリット!?
ボクのステータス画面を覗き込んでいたみんなまで、その表情に驚愕を貼り付け、騒然としだした。
「なんだこれはっ!
お前こんなんよく選んだな」
「ってかこれ、エルフ最上位ってマジかよっ!?
しかもこいつはひでぇな。確かに普段は強いが、これ邪霊がらみのイベント来た時どうするよ……クリア無理だろ?」
「うわぁ。セイ君の種族、こんなんなんだ」
「うみさんがそんな種族見たことないって言ってた意味は、チュートリアルで出てきても選ぶ奴いなかったからじゃないか?
てか、まさかとは思ったが、やっぱり読まずに決めてたのかよ」
「やる前から調べてたが、現在の生産職の最前線は『金属装備のミスリル合板』だぞ?
その常識に風穴開けたくて、モンスの牙や骨武器作るつもりでいたが、多分時間かかっぞ?」
「てか初心者ゲーマーあるあるだな。お知らせを見ない説明読まない」
「あらあら……種族解放がクリア済ってあるわよ?
すごいわねぇ」
ごめん。
もうそこらへんでヤメテ。
……もうボクのHPはゼロです。涙目ですよ。
「セイ君なら大丈夫だよ。もうクラスチェンジするくらい強いんだから。それにあたしが背中を守ってあげるし」
『わ、私だって守るわよっ!?』
「分かっているよ」
ユイカの言葉に、咄嗟に口を挟んできたエフィの言葉に、彼女達どちらにもわかるような言い方をする。
確かにちょっぴり動揺しちゃったけど、仲間がいるんだ。
辛かったら助けを借りたらいい。
そもそも、最強とか考えてないんだから、のんびりこの世界を歩くだけだよ。
「このステ見たら余計ほっとけねぇな。お前さんの専用装備はきっちり作ってやるから、しっかりモンス素材集めてこい」
「腕が鳴るわね、あなた」
「こいつは野良に混じるような奴じゃないしな。どうせそういうイベは俺達で固まって動くんだ。この程度大丈夫だろ」
「みんな一緒が楽しいよね♪」
『私も初めての経験で試したことないけど、『御子の職業特性』の一つ、『精霊化』は多分対邪霊の切り札になるとは思うわ。
だって、私があなたの中にいるんだもの。私が誓って、何人たりともあなたを害させない』
ほんと心強いなぁ。
みんなの励ましの言葉が胸に響く。
「みんなが居るから……きっと大丈夫です」
さぁ、気を取り直して頑張っていこう。
「――ところで、ステータスの職業が『御子』ってなってるんだが、これはなんだ?
昨日こんなの聞いてないぞ。しかも精霊王女の寵愛って……ちょっと待て!?」
あ。
説明してなかった。
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《ASの知識の何故?何?TIPS》
●森精種
言わずと知れた森の民。
耳の形が独特で長くて音にも敏感。一説には精霊の声を聞き取りやすくする為だとか。
その恩恵はやはり魔法適性に現れている。
精霊の恩寵を受ければ受けるほど、肉体が精霊に近付いていく為魔法適性が高くなり、精霊に気に入られ盟約を更新するごとに種族としての格は上がっていく。
加護で森精種<祝福で上位森精種<寵愛で古代森精種となるようだ(森精種のレア種族解放の設置型試練クエストは守護精霊の盟約更新である)。
その反面、格が上がるほど精霊の嫌うようなモノへの存在及び邪霊の悪意には敏感になり、金属製品を装備したり、汚染されている地域に行くと多大なデメリット(ステータスダウンや状態異常状態等)を負ってしまう(最終的には弓矢の鏃の金属や宝飾の金属土台すら不可。ただし大地の精霊の加護持ちは一部例外)。
戦闘職なら魔法に適正と隠し補正があり、生産職は木工や農業など植物系に適性がある。
前述にある通り金属系にデメリットを抱える為、鍛冶スキルを筆頭に採掘や彫金など、いくつかのスキルは修得する事すらできない制限も持っている。
……ほんとこの子、迂闊過ぎね(ブーメランがたくさん刺さってますよ?)
やっとセイの種族特性の一部を出せました。(まだ少しあります)