12話 リザルトです
・改稿
4/4 主人公のステータスに〔ジャイアントウルフ〕討伐報酬のボーナスSP+2が反映されていなかったのを修正しました。
6/5 加筆しました。
戦闘後に一気にレベルが上がったせいもあって、アナウンスがたくさん入っていた。
最後の方の狼ラッシュは一つの戦闘と判断されたみたいで、途中でレベルアップがなかった。その分が今一気にきたんだろうね。
レベルアップでの最大回復は無いようだ。このままだとHP・MP共にヤバいので、HPポーションを使いつつ、急いで最寄りのセーフティエリアを目指す。
安全地帯に入った瞬間、どっと疲れが押し寄せてきたけども、のんびりする気はなかった。アナウンスをまだ読んでなくて、気になって仕方無かったからね。
水筒を取り出し、一息ついてから確認作業に入った。
まずはさっきのボスドロップの確認から。
『北の森エリアの隠しボスである魔獣〔ジャイアントウルフ〕を討伐されました。
初回撃破ボーナスとして、〔大狼の勾玉〕〔SP+2〕が進呈されます』
名称:大狼の毛皮
状態:最高品質
種別:素材
効果:大狼の毛皮
強靭な体毛により、並の刃物を通さない
名称:大狼の大牙
状態:高品質
種別:素材
効果:大狼の発達した犬歯
製錬していない金属をたやすく貫通するほどの一品
名称:大狼の鋭爪
状態:最高品質
種別:素材
効果:大狼の発達した鋭い爪
製錬していない金属をたやすく切り裂くほどの一品
名称:大狼の尾
状態:最高品質
種別:素材
効果:大狼の尻尾
しなやかな筋肉と強靭な体毛に覆われた尻尾
名称:大狼の霜降り
状態:最高品質
種別:素材
効果:大狼の厳選された霜降り肉
名称:大狼の勾玉
状態:高品質(固定)
種別:装備品(首)
重量:1
効果:大狼を討伐した証
装備時 STR+3 AGI+3
大狼の大牙が最高品質じゃないのは、顎や頭にダメージを入れちゃったせいかな?
それでも高品質だったのは嬉しいね。
毛皮が最高品質なのは首を刎ねただけで倒したからだろう。毛皮は大量にドロップしているので、生産職に渡せばいい装備品を作ってもらえそう。
ソロで倒すとドロップが一人に集中するためか、かなり美味しい。
お肉も大量にドロップしている。食材は料理スキルがあるから、全て自分で使うことにしてる。
てか、何で狼から霜降り肉が出るんだろう?
しかも最高品質だし。
また初めてジャイアントウルフを討伐したからか、装備品が初回ボーナスとして入っていた。初討伐者は全員貰える装備品みたい。
こちらはすぐに装備する。
今着ている服が白を基調とした初心者ローブなので、胸元の金色の勾玉が結構ワンポイントになっていた。
装備もきちんと考えないとマズいよね。
精霊魔法の検証に夢中になりすぎたとはいえ、今更ながら一人で森の奥に突っ込むなんて無茶な事をしたもんだ。
たまたま上手くいっただけで、よく死に戻らなかったなぁ。
生産職の知り合いもいないし、どうするかな?
兄さんの話だと、誰もが知っているような有名生産職プレイヤーのほとんどは、攻略クランと提携して最前線の『プレシニア王国』の『王都プレス』に居を移しちゃったらしい。
どうにもならなかったら、兄さんに紹介してもらうとか?
と思ったけど、やっぱり駄目だ。
正直先行プレイヤーである兄さんの力は借りたくない。
多分言えば、断らないだろう。けど、必要以上の世話を焼いてきそうだし、大はしゃぎして暴走しそうだ。
……やっぱりやめよう。
気を取り直して、次のアナウンス確認をする。
『種族レベルが20になりましたので、転職システムが解放されました。
転職を行うには、各街にある役場へと足をお運びください。
なお、職業経験値量は種族レベルに準じる為、初期値に戻っても上がりにくくなります』
あ、レベル20になってたのか。意外とすぐだったなぁ。
レベル20からが本番らしい。戦闘職は、特化職など複雑に分類されていくそうだ。
ボクは転職はするつもりは全くないので、役所とか行くことあるのかな?
家買う時くらい?
『1次職業がレベル20になりましたので、二次職業昇格が可能です。
詳細はメニューよりご確認ください』
やった。ついに二次職ゲット。
喜びながら、メニューを開く。
クラスチェンジ先
精霊魔法士→精霊魔法師
→精霊の守り手
クラスチェンジ一覧をタップする。
・精霊魔法師
見習い期間を過ぎた精霊魔法使い。
更に精霊との交信が容易になり、意図を感じ取れるようになる。
職業スキル〔コネクト〕を得る。
STB:VIT+1 INT+4 MND+2
・精霊の守り手
精霊との絆を胸に、彼らと共に戦う戦士。
精霊の意志力を武器に込めて戦うことが出来る。
職業スキル〔精霊武装付与〕を得る。
STB:STR+3 VIT+3 AGI+1
魔法特化タイプと魔法戦士タイプに分岐するようだ。
ヤバい。どうしよう?
全く決められないんですけど。
すぐに決めないとダメかな?
そんな時、今日の学校からの帰り道で、樹が色々語っていたのを思い出す。
大半の話が右から左へと抜けちゃってて、どんな話題があったかよく覚えてないけど、クラスチェンジがらみの事は詳しく知ってるはずだろう。
フレンドリストを確認すると、レントはまだインしていた。
こういう時メールしかないのは不便だと思うけど、電話もない世界に連絡手段があるだけましだよね。
タイトルは……適当でいいかな。
とりあえず「クラスチェンジできるようになったので、すぐに決めないといけないかどうか?」と「どうしたらいいか?」の2点を訊こう。
待っている間、ステータスアップ系のスキルとBPの振り分けを行う。
うーん。このステータスアップ系のスキル、全取りした方がよくないかな?
これも後で訊こうっと。
今回一撃でやられかけた事の反省を踏まえて、VITに多めに振っておく。
あ、メールが返ってきた。
いつもと同じく対応が速いなぁ。
なになに……。
差出ID:レント〔K5E9NO7M〕
タイトル:Re.二次職について
本 文:レベル上げがはえぇよwww
お前何やってんだ?
とりあえずそのままでも大丈夫だ。
一次職はレベル20でカンスト。
余った経験値はプールしてクラス
チェンジ後に入る仕様だから、
気にしなくていいぞ。あと、
外部情報サイトがあるから、
そっちも見てみてみた方がいいぞ。
補正やスキルがあるから、早めに
クラスチェンジ推奨ではあるが。
追伸.そういえば、そろそろ夕食
作らないとマズいんじゃないか?
なんだろう、この『w』?
変な記号の意味がよく分からなかったが、とりあえずクラスチェンジは放置してもよさそうだった。
確かにログアウトしないとヤバイし、その後ついでに調べてみよう。レントの言う通り、森にいたせいで空が白み始めている事がわからなかったよ。
現実時間が十九時を回っていることに、今更ながら気が付いた。
「今日のご飯は何を作ろうかな?」
BPを振り終わって、食事を作りにログアウトするのであった。
……この時のボクは気付いてなかったんだ。
北の森に入った時から、ずっとボクの事を熱心に見つめていた視線に。
──そしてボク達は出会い、時が動き出す。
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名前:セイ
種族:古代森精種 種族レベル:20
職業:精霊魔法士 職業レベル:20
HP:132/450〔+20〕(+5)
MP:31/450〔+15〕(+50)(+2)
STR:20〔+4〕
VIT:25〔+2〕
AGI:26〔+3〕
INT:40〔+2〕(+9)
MND:30〔+1〕(+1)
DEX:20
BP:0
SP:56
所持スキル
種族系:〔精霊眼:森羅万象〕
職業系:〔精霊魔法Lv25〕
攻撃系:〔杖術Lv12〕〔体術Lv15〕
補佐系:〔INTアップLv27〕〔MNDアップLv1〕new〔HPアップLv1〕new〔MPアップLv1〕new〔気配察知Lv25〕〔夜目Lv16〕
生産系:〔採取Lv4〕〔調合Lv10〕〔料理Lv1〕
装備:初心者の杖 初心者のローブ 初心者のブーツ 大狼の勾玉
MNDアップ:MNDの値に補正。現在値にスキルレベル/3(切り上げ)をプラス。(SP5)
HPアップ:HPの値に補正。現在値にスキルレベル×5をプラス。(SP5)
MPアップ:MPの値に補正。現在値にスキルレベル×2をプラス。(SP5)
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