酒
会社の仕事を終え私は帰路につく
独り身の私にとってはこのあと行く
ひとり酒が唯一の喜びだ
20代の頃やっとこさ酒が飲めるようになり、家で酎ハイとか缶ビールとか飲んで
それで満足していた
でも、憧れるのはやっぱり古い良い感じの店で飲むことだった
だけど今30代になり、ひとりでもそんな店にはいれるようになった。
店は常連で賑わっており、酔いつぶれている人だったり、やけに酒に強そうな人もいる
私はいつも通り枝豆とホッピーを頼む
これが一番だと私は毎回思う
ホッピーをまず一口飲みそのあとに
枝豆を放り込む、そしてまたホッピーで流し込む
うん、うまい最高だ
枝豆ってのは日本の大発見だろう
最近外国の人も好きらしいしな
満足感を得てにこやかにしているところに
隣からちょいちょいと声をかけられる
いやーにーちゃんえらい笑顔やん
そない酒飲んで気持ちようなっとんのか
話しかけてきたのは50くらいのおっさんだ、酔った所に話しかけられるのも醍醐味である。
ええ、会社終わりのこの酒はとても美味しいんです。これを飲むため働いているようなもんです。
ふふ、そうやろそうやろ俺もや、会社終わった後こないして飲むん大好きや、まあかみさんが財布の紐握ってるもんやから、あんまり贅沢できんけどな、というかあんさん独り身?
あ、はい独り身です
羨ましいなあ、楽やろう一人は、わしのかみさんなんか一生わしを働かせて自分ばっかーし贅沢する気や
でも別れる気にはならんのでしょう?
考えたことないなあ
あいつもなんやかんやいって
わしが酒飲むときは金くれんねん
めっちゃ嬉しいねんけど
なんやろなあ
なんか後でねだられんのやったら怖いわ
それは善意と受け取っておきましょうよ
ははっ、そうやなあ
なんか土産でも買うて帰ろかなあ
なんだかんだ言って仲良さそうじゃないですか
おう、最高の女かもしれんわ家のかみさん
さて、もう帰るかな
気をつけて
そうやっておっさんは帰っていった
もう夜中というのに夜の町の騒ぎというのは全く冷めやまない
私はその場所で今日も酔っぱらい
いい気分になっていく




