1粒5000円
あんこ大好き……でも、たい焼きや大判焼きはカスタードが良い(*´ω`*)
ギルドの職員が食べ終わった食器類を下げてくれて、食後のお茶をまったりと飲んでいた。
教会に関しては相手の出方次第で良いし、どうにかしたいとは思うけど大陸中に在るから無理!
ちょっかい出してきたら、その都度撃退するしかない。
「…………回復薬、ポーションとかは無いの?」
魔法で回復出来ちゃうから全然気にしてなかった。
ギドさんが「市販のやつが~」とか言ってたような?
ヴァンが説明してくれる。
「薬草等を使って作るポーションは、そこそこ出回っている。そのポーションに聖魔法を込めるとハイポーションだ。当然、聖魔法を込められる魔法使いは教会に居る。教会と距離を取っている聖魔法使いが多少は居るが、数が少ない為に結局 高額になる。」
……やっぱ、お金か~。
「私も作った方が良いのかな?魔力は多い方だと思うし。」
「……チナツが作ると、エクストラハイポーションとか出来そうだな。口付けただけで全快しそうだ。」
ヴァンが面白そうに笑う。
言い過ぎだろうと思うけど、ツェッツさんとリュスタさんも頷いていた。
む~~~~!
「要するに、込める魔力量に気を付ければ良いんでしょう!いいもの!今、新しいの思い付いたから…………作ってやる!!」
立ち上がると、両手を握り締め祈り始める。
ヴァンは完全に面白がって見ている。
ツェッツさんとリュスタさんは、困惑と期待……かな?
テーブルと同じ大きさの魔方陣が、空中に現れる。
ポトッ……ポトッポトッ……ポトポトッポ…ドザアアアアア!!
カラフルな紙に包まれた飴玉が、大量にテーブルの上に落ちた。
山の様に積み上がり、溢れた飴玉が床を埋め尽くした。
……出し過ぎた!!てへっ!
私は両手でガッツポーズを決め、言った。
「これぞ!リジェネキャンディ!!」
ドヤアア!!
「舐めてる間、自然回復する優れもの!当然、傷をおってから舐めてもOK!飴玉だから場所も取らない!ポッケに入る!」
クククと笑いながら、ヴァンが飴玉を1つ取り口に入れた。
空中から短剣を取り出すと、服を捲って左腕に軽く切り付けた。
瞬時に傷が癒えて消える。
「ほぉ~」
次に、短剣を逆手に持ち深々と腕に突き刺した!?
「「「なっ!!」」」
驚く私達を他所に、ヴァンは刺した短剣を引き抜いた。
血が吹き出ると同時に、光が傷口を包み癒した。
「成る程な。傷の度合いに因ってキャンディの減り方が変わるな。切った程度だと分からないが、突き刺すと3分の1の大きさになった。…………良いんじゃないか?」
ツェッツさんとリュスタさんも、手にキャンディを取り繁々と眺めた。
「……凄いですね。其れだけの物を1度に此れだけ出せるとは」
そうでしょう、そうでしょう!
ぶっちゃけ、足の踏み場もない。
「魔力はどれくらい残ってる?」
「フフン!後、数回は同じくらい出せるよ!」
「……昨日倒れたのは、やはり再生か……。」
「だろうね。3人も居たし、初めてってのが大きかったんじゃないかな?余計に魔力持ってかれた感じ。」
私はツェッツさんに言った。
「このキャンディはギルドで管理して下さい。此れからの魔物との戦いで必要になってくるでしょう?」
「良いのか!助かる!」
ツェッツさんは素直に喜んだが、リュスタさんが渋い顔をした。
「此れだけの回復アイテム、正直 手が出ませんよ。いくら支払えば良いのか……。」
「えっ!?あげるよ?」
「「は!?」」
ヴァンとリュスタさんが同時に驚いた声を出す。
「馬鹿な事を言うな!自分を安売りする行為だぞ!集られまくるぞ!馬鹿!」
ヴァンに馬鹿って2度も言われた!
「あんな怪我人が出る度 駆け付けられる筈無いんだから持ってて貰わなきゃ困る!喰らえ!」
さっき出したからコツ?みたいなのは掴んだ!
祈りも要らない!
ヴァンに向かって手を伸ばし叫んだ。
「リジェネキャンディ攻撃!!」
ヴァンの頭の上に出た魔方陣から、キャンディが雨の様に降り注いだ。
「たっ!?止め!……地味に痛い!」
ざまぁ!!
私とヴァンが睨み合う。
騒いでいた為か、ティオと猫バルトが起きた。
「ニャ~、酷い目に合ったニャ~。」
「うう~、主のドS~ですヨ。……おおう、キャンディが一杯!?あ、食べた私へのご褒美ですヨ!ニャ~!」
言うなりキャンディの海へダイブ!
そして、慌ててベッドへ戻る猫バルト……。
「酷いですヨ!キャンディの海と見せて、聖魔法の海!!地味に痛いですヨ!ニャ~!!」
…………ざまぁ?
「勝手に飛び込んどいて……はぁ。」
私は菓子皿を出して、ベッドへ投げた。
「ご褒美はこっちね?」
菓子皿inたい焼き!ホカホカ!
くんくん……。
「こ、此れは、あんこの匂い!!頂きますヨ。ニャ~!」
猫バルトがたい焼きにがぶりついたのを見てから、視線をヴァンに戻した。
……椅子の上に胡座で座っていた。
地味に効いてるのか?
「…………塵積も、だ。痛くはないが痒い。メイドにも地味に効くだろうな。」
ミシェルか……吸血鬼だっけ、忘れてた。
ずっとキャンディを弄っていたリュスタさんが、顔をあげて言った。
「教会なら、1粒小金貨1枚はつけるでしょう。双黒の天使様の意思を尊重して、1粒銀貨1枚!」
「その呼び方止めて下さい!!チナツで良いです!後、小銀貨1枚!!」
「小銀貨1枚!?安過ぎます!小銀貨8枚!!」
「小銀貨1枚と銅貨5枚!!」
「小銀貨5枚!!此れ以下は駄目ですよ!」
……立場が逆じゃない?コレ。
普通、これ以上はまけられません!だよね。
「…………小銀貨1枚!!」
「戻さないで下さい!!小銀貨5枚です!!」
ヴァンが口を挟んできた。
「小銀貨5枚だ。チナツ……これ以上ごねるなら、双黒の天使様の呼び方で定着させるぞ?」
「小銀貨5枚です!!」
私は直ぐに折れた!
羞恥心には勝てません!
「ククク、リュスタ、この部屋にあるキャンディは全部国で買い取る。その後、各ギルドに分配する。問題あるか?」
「いえ、有りません。寧ろ助かります。」
ヴァンは……魔王様だった。忘れてた。
「…………全部って、いくつ有るのかな?コレ。」
膝下迄キャンディで埋まっている部屋を見た。
「軽く、万は超えてるだろうな。最低白金貨5枚か。」
「…………。」
5千万円也。
「チナツの事だから、他の7国にも同じ様に公平に出すつもりだろう?勿論、事前に聞く必要は有るが、な?」
5千万×8ヵ国=4億
宝くじかよ!
高校生の持つ金額じゃ無いよ~!?




