好き嫌いは良くない!
昨日、プール行ってきたんすよ!
自分の運動不足棚上げで、泳ぎまくったら
二の腕死んだぜ!!ヒャッハー(涙)
「まずは、俺達の自己紹介からだな!」
竜人が肉にかじり付きながら言った。
朝から肉の塊とか……見てるだけで胃もたれ起こしそうです。
なるべく見ないようにしながら、スープにパンを浸けて食べる。
「俺が此処のギルドマスターで、ツェッツだ。竜人だ、で こっちが俺の補佐を任せてる息子のリュスタだ。人族とのハーフだ。宜しく!」
「リュスタです。昨日は父が乱暴に扱い申し訳ありませんでした。それに、うちの冒険者達を助けて頂き本当にありがとうございました。」
リュスタさんが深々と頭を下げた。
私も慌てて頭を下げる。
「いえ、お役に立てて良かったです。あの後、回復された方々に異常は見られていませんか?上手く腕が動かないとか……?」
「ヴァン様の指示であの3人には朝までギルドにいてもらいましたが、問題無いようです。…………正直、倒れられて良かった。でなければ冒険者で揉みくちゃにされていたでしょうから。」
「お嬢ちゃんのファンクラブの会誌が、飛ぶように売れまくってたぜ!一気にファンが増えたな!」
……其れは、聞きたくなかった!
別に増えなくて良いのに……。
苦笑いの私を見て、ヴァンが話題を変えてくれた。
「で、何であんなに冒険者がやられた?」
ツェッツさんが苦い顔をした。
「……最初は、近くにオークが集落を作り出したって事だった。数は30前後。普通のオークならDランクから請けられる。だから、Dランク以上でパーティーを組んでいる者を中心に集めた。Dランクが2、Cランクが3、Bランクが1で、19人。そこに隠密行動を得意としている奴を2人付けた。」
「……余裕の筈だが、何が居た?」
リュスタさんが続けた。
「…………オークキングが、居たそうです。オークキングは100以上の群れから生まれるとされてきました。其れが、半数以下の群れに居た。普通のオークと違いキングは知能も戦闘力も高い。集落の中に隠す様にゴブリンメイジを数体匿っていた様です。キングの指示でしょう。」
「火傷はそいつらか、」
「ああ、当然キングの相手はBランクパーティー「切り裂く爪」が請け負った。Dランク1と隠密2で、囚われていた女性の救出。Dランク1とCランク1で、ゴブリンメイジの討伐。残りがオークの牽制と討伐に別れたらしい。…………で、護衛のオークに手子摺ってる間にドーン!だ。」
「其れでも、全滅させてきた様なので評価はしますが……。」
「死者は?」
「参加した冒険者で死んだ奴は居ない。お嬢ちゃんのお陰でな。ただ、捕まっていた女性は駄目だったらしい。」
「「…………。」」
ゴブリンやオークは異種族の雌を孕ませる。
捕まっていた女性はその対象だったのだろう。
助かっても、自決する人が殆んどらしい。
初めてバルトが口を開いた。
「何故キングが居たのか、ですヨ?私としては、2つ考えられますヨ。1つは、そも100以上の群れで生まれると言う前提が間違っていた。もう1つが100以上の群れだったが何かに殺られて30迄数を減らしていた。この2つですヨ。」
「……後者、だろうな。数を減らされた為に街の近くまで移動してきたんだろう。」
「となると、キングのいる群れを相手取れる奴がそう遠くない場所にいる事になりますね。」
「……魔物とは言い切れないがな。武者修行ばかりしている阿呆も散らばっているからな……。」
「其れなら、キングを仕留めとけ!てんだ。阿呆は個性が強すぎて困る。」
う~ん、阿呆に知り合いでもいるのかな?
「その内の阿呆の1人は父さんですけどね。」
「お、俺は普通の竜人だ!」
「普通の竜人に失礼ですよ?謝って下さい。」
「お前は俺に失礼だよな!」
「月に1度、修行と言っては1週間程姿をくらます人は阿呆です。その間の仕事は全部私にくるんですよ!さぁ、謝って下さい。「こんな父でごめんなさい。」「竜人でごめんなさい。」「ギルドマスターでごめんなさい。」!!」
「…………ごめんなさい。」
結構、素直に謝った!
聞いてる感じだと、修行馬鹿ですね。
リュスタさんの苦労が偲ばれます。
「阿呆の事は置いとくとしてですね……主?さっきから何してるんですか、好き嫌いは良くないですヨ?」
ヴァン達の話を聞きながら、私はせっせとブルーベリーに似た果実をバルトの皿に放り投げていた。
「ち、バレた!」
「バレない方が可笑しいですヨ!めっちゃ、小山になってるじゃないですか!」
「酸っぱ過ぎるからバルトにあげる!」
リュスタさんが説明してくれた。
「チェルの実は魔力枯渇した時に食べると、回復を少し助けてくれるんですよ。……酸っぱ過ぎますが」
「やっぱり、主が食べるべきですヨ!」
ティオも参加してきた。
「食べれるなら食べるべきニャ~!勿体無いニャ~!」
「なら、ティオも食べてみれば!」
私は無理矢理ティオの口にチェルの実を転移させた。
「ニャ!?」
ティオが毛をゾワゾワと逆立てて、床の上でゴロゴロと悶えた。
「さ、バルトも食べようか?好き嫌いは良くないんだよね?主が食べさせて上げるよ!はい、あ~~~ん!」
バルトの目が床で延びてしまったティオと、スプーンに山盛りになったチェルの実を交互に見た。
心なし目が涙目だが、観念して口を開いた。
動かなくなった猫2匹……バルトは悶えながら猫になった。をベッドで寝かせてあげた。
2匹に向かって手を会わせた。
「ご馳走様でした。(な~む~。)」
そして何事も無かった様にテーブルに戻った。
ツェッツさんが遠い目をして言った。
「死んだ母さんを思い出すなぁ……。」
「ちょっ!俺の中の母さんのイメージ、壊さないでよ!」
リュスタさん、私が俺になってますよ?
「全く、羨ましくならないな。普通の「あ~ん」が良い。」
やらないから……。
私は、話を戻すべくツェッツさんに聞いた。
「ギルドに入ってきた時、教会の事言ってましたよね?揉めたんですか?」
「いや、揉めるまでいかねぇよ。彼奴はいつもああだからな。駄目元で行ったんだ。…………前金だけでそこそこの屋敷が買えるわ!」
「連れて来れても、多額の借金を背負う事になります。期日迄に一定の額が払えなければ、借金奴隷です。しかも、治せなくても請求されます。何時からでしょうね、金の亡者に成り下がったのは……。」
「本当にお嬢ちゃんが居てくれて良かったぜ!あのタイミングこそ、神の思し召しだろ!」
「一応、皆には手足の再生について口止めはしておきました。冒険者にとって治療してくれる存在は何にも変えがたいですからね。」
「……教会にとって、私って邪魔者?」
ツェッツさんとリュスタさんが黙り混む。
「そう思う奴も居るだろうな。だが、手を出したが最後……チナツのバックについてるのは、クロイツ家だからな。」
「「ああ、クロイツ家……。」」
ハモる様な家ですかね!?
ヤバイ家として有名なの!?
別大陸なのに……!?




