宝箱
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暑いので、冷たいコーヒーを良く飲みます。
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ムキ~~~!!Σ( ̄皿 ̄;;
バルトが扉から、ペッ と吐き出された。
扉がずぶずぶと床に呑まれるように消えていく。
バルトは血と魔獣の涎で、べっちょりと濡れている。
……えんがちょ!
と言うのは冗談として、補助魔法も切れていたので「ヒール」と「リフレッシュ」を掛けておいた。
ピクリとも動かないけど……。
ボス部屋の中心に大きな魔方陣が現れ、その側に宝箱がポトッと落ちた。
「あ、やっぱり宝箱って有るんだ~。罠とか有るの?」
「いや、ボス部屋の宝箱には無い。倒した褒美だからな。」
私はバルトの側にしゃがむと、この道を教えてくれた棒を取り出した。
つんつん、つんつん、
「バ~ル~ト~、功労者だから宝箱開けて良いよ~。バルトが使えそうな物ならあげるよ~?」
うつ伏せの態勢でバルトが喋る。
「もう少し、労りのある起こし方を所望しますヨ?」
「…………例えば?」
「……膝枕で頭を撫で撫でしながら、優しく「起、き、て」とか言いながら、おでこに」
ドゴンッ!!
ヴァンの足がバルトの頭を踏みつけ、バルトが床にめり込んだ!?
咄嗟にバルトの頭に防御魔法を掛けた自分を誉めたい!
地龍の攻撃でも欠けなかった床が、見事に陥没している。
死んだか?
「…………冗、冗談の通じない、人ですヨ。あ、主に、踏まれたくて、言ったの、に……。」
プルプルと震えて伸ばされた手がパタリと落ちた。
生きてた。
「……仕方無いね、バルトが更に死んでしまったから 次の功労者のティオが宝箱開ける?」
「……良いのかニャ!うち、開けたいニャ!」
バルトの姿が消える。
見ると、いつの間にか宝箱の前に正座して床をパシパシ叩いている。
「皆さん遅いですヨ!開けちゃいますヨ?」
開けたいなら最初から動けば良いのに……。
入口付近でずっとイチャついていたミシェルとキースメリアさんもやって来た。
「では、開けますヨ~。」
カチャ、ギィ~~~。
「…………何ですか、此れは?」
宝箱から、バルトが取り出したのは黒い球体。
不思議に見ていると、
黒い球体は縦に延びていき、形を変えていった。
「「おおおおお!?」」
私とバルトの声が重なる。
「刀~~~!バルト、バルト!触らせて~!」
黒い球体は黒い刀になっていた。
格好良い~!
「……一気にテンション上がりましたね、主。……どうぞ」
「ありがとう!」
私はバルトから刀を受け取った。
が、その瞬間 再び黒い球体に戻り形を変えていく。
黒い反りのある短剣が2つ……。
「…………。」
私のテンションは駄々下がり、無言で隣に居たヴァンに渡す。
ヴァンの手の中で、今度は黒い長剣になった。
「ふん、持ち主の得意な武器に変わる様だな。」
言うと、黒い長剣をキースメリアさんに投げる。
今度は三又の槍?戟?
ミシェルが持つと、やはりと言うか黒い鞭。
「うちも、うちも持ちたいニャ~!!」
ティオにも持たせてあげる。
当然、爪になった。
何を期待していたのか、落ち込み 尻尾で黒い爪をバルトへ投げて返した。
「爪ならもうあるニャ!要らないニャ、こんなもの!!」
「……気に入ったら自分の物にする気だったんですか?先輩。」
プイッとそっぽを向いて丸くなってしまった。
バルトが黒い爪を拾うと刀に変わる。
「はぁ~、私も要らない。バルトは?」
「……主は、この刀?ですか、好き何ですか?」
私は腕を組み、バルトから顔を背けて言った。
「好き、と言うよりは憧れに近いかな。私の国の武器だし~、国の許可がないと持てないし~、何よりシンプルで格好いいじゃない?…………呪われれば良いよ。」
「最後の聞き捨てならないですヨ!使うと呪われる!?」
「大丈夫よ。今ならバルトが呪われて、殺戮マシンになっても簡単に止められるから!」
「命の危機ですヨ!?」
「……持った時に何も感じなかったから平気よ?呪われて無いよ?ソレ」
「ああ、無いな。其れくらい分からんのか?」
「無いですわ~。」
「無害です。無能ですか?」
「……ニャ~。」
「無能ではないですヨ!分かってますヨ。呪われて無い事ぐらい…………使わせて頂きますヨ。」
言いながら、バルトが魔石を投げて寄越した。
地龍の魔石だ。
「うん、じゃあ帰ろうか。」
「……早く攻略し過ぎだろ?もっとチナツと過ごす予定だったのに、」
「仕方ありません、一直線でしたからね。迷う事がなければこんなもの何でしょう。帰ったら仕事して下さい、ヴァン様。」
「…………ちっ」
「フフ、此れでお嬢様はSランクですわね。」
「そだね~。実感無いけど……。」
「お嬢様なら、SSランクもすぐですわ。ご存知ですか?SSランクからは国から月収が入りますのよ。」
「…………は?何ソレ!」
「早い話し、此れだけ強い戦力が我が国には在りますよ。と他国に示せるんですよ。実力者の名前等は広まりますし、国がギルドの自由を認めている理由の1つですわ。」
「月収は国に留まってもらう為?」
「そうですわ。ある程度上限は決まってますし、吹っ掛けてくる様な冒険者は国から見放されるだけですね。信用されません。後、Sランクでもギルドから少し月収が入ります。これは、緊急時等に動いて貰う為ですわ。」
「へ~、あっ じゃあ ギルドや国からの依頼とかは断れないの?」
「理由にもよりますが、断れますよ。強要して他国に逃げられたくはありませんから……。」
「にゃるほろね~。」
等と話ながら、魔方陣の中央に立つ。
全員が入り魔力を流すと、次の瞬間には塔の外に立っていた。
バルトが両手を上げてガッツポーズをした。
「おおおおおお!!外!外ですヨ!外~~~~~!!」
嬉しいのは分かるけど五月蝿い。
「……バルト、街に行くから猫になって~あ、羽の生えた猫って逆に目立つ?」
「男に主と呼ばれるよりは、目立たないだろう?」
「私は見た事無いですが、翼を生やした猫が居るそうですよ?」
「お嬢様が既に目立つ存在ですので、小さい事ですわ。」
…………私って目立ってるの?
一通り、外の空気を満喫したバルトが猫の姿になって、パタパタと飛んできた。
私がティオを抱っこしてたので、頭に着地する。
「…………私も抱っこが良かったです。ニャ~。」
「お前は其処で良い。でなければずっと飛んでいろ!頭を潰されたく無ければな!」
「……何処の魔王も言う事は物騒ですヨ~。ニャ~。」
「はぁ、何処でも良いし。ギルドに寄らなきゃ何だよね?」
「ああ、報告と更新だな。」
「今日の所はギルドによった後は、城にお泊まり下さい。明日の朝に帰られるのが宜しいと思いますよ?まさか、3日で攻略してくるとは思っておられないでしょうから。」
キースメリアさんの言うとおりかな。
びっくりするよね~、きっと。
「じゃあ、お世話になります。宜しくお願いします。」
「明日までと言わず、1週間でも1ヶ月でも滞在して下さって良いんですけどね。ミシェルの側に居られますから。」
其れが本音ですね。
私がオマケですね!
分かってますけど、帰りますよ!




