御棒様?
此のまま上るか、諦めて別の道を探しに戻るか、
…………助けて!アンパンニャ~ン!
って、言ってみたり。
餡って、つぶ餡?其れともこし餡?
私的に此処、重要何だけど…………つぶ餡派だからね、私!
あ~、つぶ餡食べたい。
後で、精霊から貰った菓子皿使って羊羮出そうかな?
当然、つぶ餡の奴。
後、濃いめの緑茶……セットだよね~。
羊羮に想いを馳せていると、頭に痛みが走った。
ヴァンの拳が乗っていた。
「うぐぅ」
「今、全く違う事を考えてなかったか?ああ?」
だから、何故に分かる!?
「…………ちょっと、現実逃避してただけですよ?」
「ちゃんと考えろ。」
……はぁ、
私は、1つ溜め息をついてから再び棒を取り出した。
階段に立てる。
上か下か……左右に倒れた場合は戻ろう。
パタン
…………上
「よし!上ろう!」
ヴァンが呆れて言う。
「良いのか?其れで。」
「良いの!信じると決めたんだから!従う!」
然も、4文の1の確率で上を向いたのだ行くっきゃないでしょう。
鉄扇を構え直すと、階段を上り始めた。
3人とティオがついてくる。
階段に座り込み、遅めの昼食のサンドイッチを食べながら思う。
ゾンビ、スケルトンに続き、出てきた魔物。
リザードマン…………二足歩行の蜥蜴。湾曲刀や盾を持っている。
水場の近くに生息。
オーク……………二足歩行の豚。でかい。ブヒブヒ煩い。
オーガ……………鬼。力自慢。
ハーピー……………女性の頭と胴体に鳥の翼と下半身。
飛ばれるとウザい。
残念、此処は階段。
出てきた魔物全てが群れていた。
出過ぎじゃない?
こんなに出るものなのかな?
普通の人だと魔力やスタミナが持たない気がする。
……私は、普通の人では無いけど!
側に、チート過ぎる奴が居るから実感無かったけど、私チート!
魔石を集め終わったティオがトコトコやって来る。
「集め終わったニャ!」
「ありがとね~。ティオ。良い子良い子。」
「ニャ~!時期、3桁になるニャ~!いっぱいニャ!」
「うんうん、いっぱいだね~。」
ミシェルが急須からお茶を淹れてくれる。
「にしても、多いですわ。魔力は大丈夫ですか、お嬢様?」
私は予定通りティオに菓子皿を出してもらい、羊羮を摘まみながら答えた。
「大丈夫だよ。其処まで魔力使ってないし」
基本、身体強化のみで倒してきたし、こうやって休憩もとれている。
羊羮甘々。おいひ~です。
ミシェルにも羊羮を薦める。
「…………いただきます。」
恐る恐る、羊羮に手を伸ばす。
見た目真っ黒ですからね~。仕方なし!
「…………あら、甘い!……美味しいですわ。お嬢様!」
「フフ、でしょ?」
2人で笑い合って羊羮をつついていると、ヴァンとキースメリアさんがやって来た。
「良く分からん物を食べてるな?」
「何ですか、此れは?」
「……私の世界のデザート、羊羮って言うの。激甘!」
「うっ、甘いのか……。」
「ほう、黒いですが材料は何ですか?」
「小豆って言う豆だよ……ああ、ヴァンは甘いの苦手だったっけ?…………じゃあ、此れなら食べれる?」
私は、菓子皿から別の菓子を出した。
「何だ、此れは?」
銀紙に包まれた物体に眉をしかめる。
「……チョコレート」
「……甘いじゃないか!」
「そうでもない奴。食べれば分かるよ!」
キースメリアさんにも渡す。
「異世界のチョコレートですか。興味深いですね。」
キースメリアさんは、直ぐに銀紙を取り外し口に入れた。
もぐもぐ……。
ヴァンがキースメリアさんを、見詰める。
「此れは……お酒?」
「はい。ウィスキーボンボンです。」
「チョコレートにお酒を混ぜてるのは有りますが、お酒その物が入っているのは初めてです。美味しいですね。」
眉をしかめたまま、ヴァンも口にする。
もぐもぐ……。
「……美味い。」
「フフ、甘いのだけがデザートではないのですよ!」
何故か、鼻高々な私。
「ウィスキー以外には無いのか?」
ヴァンの目が期待で輝いて見える。
…………酒好きか!
「あとは……ブランデー、ワイン、日本酒?」
「「日本酒?」」
ヴァンとキースメリアさんの声が被る。
「はは、私の国のお酒ですよ。」
「……出せるか?」
…………酒好きめ!
私はバレンタインデーの時の棚を思い出す。
そう言えば、チョコレートと一緒に小さい瓶入りのお酒も売ってあったよね?
菓子皿を見る。
銀紙チョコと共に小さい瓶が1つ。
手に取り、ラベルを確認する。
「日本酒」「アルコール度数15度以上」「20歳以上になってから」
「…………なんで出た、此れ!?」
ひょいっと、ヴァンが瓶を奪う。
「……中身はドロドロのチョコレート……とか、言わんだろうな?」
まぁ、ラベルの文字は読めないだろうね。
日本語だもの。
「日本酒みたい。なんで出たんだろ?お菓子専用じゃなかったの?」
早速、ヴァンが瓶の蓋を開けて匂いを嗅いだ。
「……初めて嗅ぐ匂いだな。」
右手を私に向け、クイクイと指を曲げて見せる。
仕方なく、空の湯呑みを渡した。
日本酒を注ぎ、一気に飲み干した。
「う、ん、美味い。」
キースメリアさんと2人で飲み初めてしまう。
昼間ですよ?
ミシェルを見ると、ボンボンを食べていた。
……良いですよ。
1人で羊羮食べるもん!
……其れから、暫く階段を上り続けた。
フロアではないけど、踊り場に出た。
100m位?
中間に1体の魔物。
「…………デーモンに見えます。」
執事みたいな格好。
耳が尖ってて、大きな蝙蝠の様な羽が背中から出ている。
私はヴァンの方を向いて、気になっていた事を聞いた。
「ヴァン達魔族とデーモン、悪魔ってどう違うの?見た目似てるよね?耳とか、羽とか、」
「……一緒にするな。」
あ、不機嫌になった。
代わりにキースメリアさんが答えた。
「デーモンは、ダンジョンにしか出てきません。多説ありますが、ダンジョンで死んだ魔族の成れの果てとか、他には、ダンジョンの中で違う世界から呼び出されている等言われています。後、魔族はデーモンと同一視されるのを嫌います。考え方も違いますし、何より、魔族を倒しても魔石は出ませんよ?」
「あ~!なるほど!」
魔族を倒したら魔石が出るのなら、魔族と戦争してそうだよね?人間が…………。
チラッとヴァンを見る。
ヴァンは横を向いて、不機嫌丸出しだった。
本当にデーモンと一緒にされるのが嫌みたい。
「あ~、ヴァン?その……ごめんね、知らなかったとは言え 嫌な事聞いて、」
横を向いたまま私を見てきた。
目が座ったままだ。
「…………怒ってる?」
「…………。」
「…………まあ、いっかあ。じゃあ、倒してくるね!」
「何故にそうなる!」
ゴンッ!
「あ、頭が割れる~」
また、ヴァンに頭を叩かれた。
「其処は、どうしたら許してくれる?だろうが!」
「……どうしたら許してくれる???」
ニヤッとヴァンが笑う。
あ、なんか久し振りに見たな、この笑い方。
「チナツからキスしたら許す。」
「…………。」
ヴァンらしい、のか。
私はヴァンに微笑むと言ってやった。
「倒してくるね!!」
「…………ああ、」




