頭突きは痛い。
(゜-゜)(。_。)(゜-゜)(。_。)(゜゜)(。。)(゜゜)(。。)(゜-゜)(゜゜)(。。)(゜゜)(。。)(゜-゜)(。_。)(゜-゜)(。_。)(゜゜)(。。)(゜。゜)(。。)(゜-゜)(。_。)(゜-゜)(。_。)(゜゜)(。。)(゜゜)(。。)(゜-゜)(。_。)(゜-゜)(。_。)(゜゜)(。。)(゜゜)(。。)(゜-゜)(。_。)…………1体だけの奴が!
う~う~う~
寝れなかった。
寝不足で頭がふらふらする。
其れも此れも、全部魔王のせい!
枕をバスン、バスン殴る。
魔王の馬鹿!魔王の阿保!魔王のスケベ!魔王のナルシスト!魔王の自信過剰!魔王の自分勝手!魔王の、魔王の、魔王のぶあぁあああかああ!!
「ふん?俺が殴られてる気がするな?」
ぐりんっと、声のした方を見る。
ヴァンがテーブルの椅子に座って、朝食を食べていた。
「な、ん、で、居るのよおぉぉ!?」
枕を掴んで、ベッドに叩きつける。
「…………一緒に朝食食べる為か?」
「私に聞かないで!しかも、既に食べてるし!」
テーブルの上には、2人分の朝食が用意されていた。
うち、1つをヴァンが半分位食べ終わっていた。
何時から居たのよ!
ふらふらな上に頭痛までしてきた。
転移で入ってこれない結界とか出来ないかな?
…………出来ても壊されそう(泣)
遠慮はしない。
って、こう言う事なの?
私は手櫛で、簡単に髪を整えるとテーブルに付いた。
「……いただきます。」
手を合わせて食べ始める。
はぁ、食べにくい。
「食べる前に手を合わせる意味は何だ?」
ん?
そう言えば、この世界の人達は祈ったりとかもしないね。
飲み物で乾杯してるのは見たけど、
「ん~、何だろう?感謝かな?食べ物に感謝。作ってくれた人達にも感謝。」
「……感謝か、」
「うん。でも、日常的にやってきた事だから、癖になってるのよね。」
「食べ終わった時にも何か言ってたよな?」
「ごちそうさま?」
「ああ、それだ。」
「いただきますと、セットになってるからね。ご馳走でした。ありがとう。みたいな感じなのかな?考えた事なかったな。」
「……そんな物か?」
「そんな物よ?みんながやってるからやる。そう言うお国柄なの。良くも悪くも、ね?」
「…………」
「…………」
「……ごちそうさまでした。」
ヴァンが手を合わせて食べ終わった。
「チナツがやってるんだ。俺もやってみるのも悪くないだろう。うん。」
「…………」
ぷっ!
「……何故笑う?」
ヴァンが眉をしかめて睨む。
「いや、だって、あはは、あは、あははははは!」
私は、テーブルから少し身体を離してお腹を押さえて笑った。
「笑いすぎだろう!」
「ま、魔王の、イメージ、が、あはは、台無し!」
「む……そうか?」
「あ~、おかし~!ふふっあはは、ひ、久し振りだわ、こんなに笑ったの!」
目尻に浮かんだ涙を拭った。
ヴァンは私に笑われて、嫌そうな顔をしていた。
なんとか息を整えて、落ち着く。が、
ヴァンの顔を見てまた、吹き出してしまった。
ヴァンの両手が私の頭を鷲掴みにすると、
ゴンッ!!
頭に衝撃が襲った。
…………ず、頭突き!?
目の前がチカチカと点滅する。
「……うあ、い、痛~い。いいい石頭~!」
「笑いすぎだ!……まだ、笑うなら次は角で突くぞ?」
…………角、有るんだ?
魔王の角ってめっちゃ、尖ってそう!
「笑わない。笑わないのでやめて!お願いします!」
「ふん!分かれば良い。」
其れから私は、ヴァンの顔を見ないで朝食に専念した。
突かれたら死ぬ!
その後、ミシェルとキースメリアさんと合流した。
……ミシェル、やつれた?
突っ込んで聞いたりしないけどね!
お疲れ様です。とだけ、心の中で言っておく。
逆にキースメリアさんは、ご機嫌だ。
「お早う御座います。ヴァン様、巫女様。」
「……おは、よう御座います。魔王様、チナツお嬢様。」
「「……おはよう、」」
「ミシェル、辛いなら今日は休んでて良いんだよ?転移で戻ってこれるし?」
ガバッとミシェルが顔を上げた。
ブンブンと首を振る。
「いえ、いえ、いえ!行きます。絶対行きます。聖水の海だろうと渡って行きます!」
「…………そ、そう、じゃあ、宜しく。」
「はい!お任せくださいませ!……戦うのはお嬢様ですけど!」
ミシェルの額にデコピンをかます。
「一言多い!」
「いっ!!お嬢様!聖魔法、込めましたね!」
ミシェルの手で押さえられた隙間から、細い煙が昇っていた。
「……思ったより効果が……ゴメン!」
「ぐっ、ま、まぁ、良いです。此れくらい、どって事無いですから!」
「そう?じゃあ此れからは、一言多かった時とかは其れね?」
「!?」
「ね?」
にっこり微笑む。
別にリア充氏ね、とか、思ってないし~?
朝からキースメリアさんのにこにこ顔がウザいとも、思ってない。
「フフ、痛がるミシェルも可愛いですね。」
そう言ってミシェルの額を、水魔法?で癒してから、チュッとキスをした。
ウザい……。
でも、イチャイチャすれば良いと言った手前、何も言えない。
ヴァンが近付いて来て、言った。
「俺達もイチャイチャするか?てか、しようぜ。」
顔を近付けて来たので、ティオでガードした。
「ニャー!?」
ティオが悲鳴を上げる。
ヴァンとティオが睨み合う。
「……もぅ、さっさとダンジョン行こうよ?」
「その前に、この猫捨てて行こう。」
「駄目よ!」
「ふざけるニャ!」
「駄目ですわ!」
「…………」
「死んだら良いニャ!」
ヴァンがティオの首を掴むと、大きく振りかぶって…………投げた!!
「ふん、一言多いんだよ!」
「お嬢様!ティオ様が!」
「……本当に投げ捨てるとか、信じらんない。」
私の真上に魔方陣が現れ、ティオが腕の中に落ちてきた。
「酷いニャ!アイツ嫌いニャ!」
「よちよち」
ティオの頭を撫で撫でして、慰める。
「ちっ!……行くぞ!」
「はいはい、」
私はヴァンと、ミシェルはキースメリアさんと転移した。
転移後、目の前に現れたダンジョンは馬鹿高い、塔だった。
予想してたより高いんですけど?
塔の周りは草でボーボーだし、此れでもかって程に蔓草が巻き付いてる。
場所に寄っては、窓から太い木の枝が競りだしている。
見上げても、てっぺんが見えない。
「…………此れって、何日位で攻略出来るの?」
キースメリアさんが答えてくれた。
「何日ではなく、何ヵ月ですかね?力量と運次第なので、1番早かった方で1ヶ月位でしたか?」
入る前からうんざり感が……。
「……人で1ヶ月だ。」
「私も人ですけど?」
「普通ではないだろう?神に仕える巫女が……」
……神頼み、でもしろと?
「お嬢様なら、迷ったとしても問題ないですわ。転移出来ますし、此処の魔物では相手にならないでしょうし?」
「そうですね。巫女様には、世界樹がついてます。」
世界樹にそんな後利益があるの?
ゲームなら、復活アイテムだろう?
世界樹……木、木の棒でも倒しながら行く?
一応、世界中の植物と繋がってるみたいな事言ってたし、
周りを見渡し、手頃な棒を拾う。
「此れでいっか、」
「…………どうするんだ、そんな物?」
ヴァンに呆れた様に言われた。
「まぁ、物は試しですよ。行きましょ!」
「「「?」」」




