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平和な世界に勇者召喚  作者: 和威
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精霊

めっちゃ眠い!

ちゃんと、寝てるのに!o(__*)Zzz

走る 走る 走る

目の前に広がる森の木々が、生きている様に横に動き道を作っていく。

走る 走る 走る

通り過ぎると、森の木々は元の位置に戻り 道が無くなる。

走る 走る 走る

息が切れ始める。どれだけ走ったのか、額から汗が流れ落ちた。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、」

前方の木々の隙間から光が射している。

「もぅ、少し、」

光を目指して……走った。




最後の木々が左右に別れる。

その間をやっとの事で、走り抜けた。

ざああぁぁぁ

と、爽やかな風に迎えられる。

訓練所よりも、更に広い草原の中心に巨木がそびええ立っていた。

「……やっと、着いた。」

ゆっくりと巨木……世界樹に近付く。

その大きさに圧倒される。

早鐘を打っていた鼓動が落ち着いていく。

この場所は、とても心地良い。

私は、ティオを降ろすと世界樹に抱きついた。

額を付け、目を閉じた。

不思議と落ち着いた。

暫く、そうしていたら声が掛かった。

「やっと、会えたね。待っていたよ、チナツ」

幹から身体を離し、声の主を見た。

濃い緑の髪に茶色の瞳の美少年が、浮いていた。

フワリ、と地上に降りてくる。

「…………あなたは、」

「そうだね、世界樹の精霊ってところかな?」

「……精霊、………あなたが、私を呼んでいたの?」

「うん、僕は世界樹の意思のお手伝いをしているんだ。直接的に呼んだのは僕だけど、それは世界樹の意思だから、もっと言えばこの世界にチナツを喚んだのも世界樹だよ。」

私は世界樹を見上げた。

答えるかの様に、さわさわと揺れた。

「……世界樹は、この世界に在る植物の親なんだ。だから、世界中の植物の在る所の事ならだいたい知ってる。」

そう言うと、精霊はペタンと草原の上に座った。

「話し、長くなるからね、座って。」

頷いて、精霊の側に座った。

ティオも丸くなった。

「何から話そうかな?……そうだね、先ずは世界樹の役割からだね。あ、今あんまり力使えないんだ!チナツの力、借りても良い?」

何をするのか分からなかったけど、頷いておいた。

「有り難う!」

言うや、目の前に小さなちゃぶ台と菓子皿に入ったお饅頭、急須と湯呑みが現れた。

「…………」

精霊は急須からお茶を注ぐと、私の前に差し出してきた。

「やっぱり、自分の世界の物が落ち着くと思うからね!」

…………私の魔力……いや、良いけどね。

2人して、お茶をズズズと飲んだ。

ついでにお饅頭も頂いておく。

もぅ、お昼過ぎてる頃だから、空腹なのです。

もぐもぐ食べていると、精霊が話し始めた。

「世界中の生物には、正の感情と負の感情がある。正の感情は良い。問題は負の感情の方で、どうしても負の感情は大きくなりやすい。なんか、魔神が魔物を生み出したとか魔神の力の1部が~とか言われてるみたいだけど、ちょっと違うんだよね。」

「……違う?」

「うん、もぐもぐ、ズズズ、ごっくん。違うよ。暗い場所なんかに負の感情が溜まるんだ。其れが、澱みになって瘴気を生み出し、魔物が生まれる。魔神は…………この瘴気の塊、かな。世界中で戦争してたからね。で、召喚された勇者と魔王と世界樹の力で異空間に封じたんだ。めでたしめでたし?」

「……その、勇者は魔神を封じた後どうしたんですか?」

「うん、まぁ、気になるよね。」

精霊はお茶のお代わりを注ぎながら話した。

「帰ったよ。召喚された時に、ね。」

…………帰った。

それも、召喚された時に?

其れなら、召喚された事実が向こうの世界には無い。

なら、私は?

「そうそう、先に此れをチナツに渡しておこうかな?」

精霊が手を翳すと上空から光る物がキラキラと下りてくる。

手のひらに乗る位の大きさで、見た目はクリスタルの様。

その中に、光を放つ球体が入っている。

ドキドキしながら、そっと其れに手を伸ばした。

軽く触れた瞬間、其れは、溶けるように消えてしまった。

「えぇぇぇ!消え、た?え、触っちゃ駄目だった?うわ~、ご免なさい!」

慌てる私に、精霊が笑って言った。

「あはははは、大丈夫、大丈夫!今のは、世界樹の分身体みたいな物でね。まぁ、種と言っても良いけどね。」

「……種?」

「そう!チナツを呼んだ1番の目的だよ。フフ、只 チナツの中に入っただけだよ。其れで、どうこうなるものでもないから安心してよ。」

「……はぁ、」

「……話しが逸れちゃったね。世界樹の役割だけど、瘴気を吸収して浄化する事だよ。下で話してた、魔物が強くなっているってのは世界樹が瘴気を吸収仕切れなくなってるんだ。」

「!?瘴気の量が多すぎるんですか?でも、今は何処も戦争とかしてないのに?」

「違うよ。瘴気の量は減ってた位だよ。只、魔神を封じる時に 世界樹は力を使い過ぎたんだ。凄く、ゆっくりとだったけど、でも、確実に…………世界樹は枯れる。」





■ヴァン視点

チナツが結界に触れた瞬間、服装が変わっていた。

見た事の無い紅白の衣装に身を包み、薄く化粧が施されたチナツの姿に目を奪われた。

奪われた自分に驚いた。

同時に面白いと思う。

あの娘をからかうのは愉しい。

戻ってきたらどうしてくれようか、

等と考えていると、ランドルク王がまた眼鏡を弄りながら話し始めた。

「今のが巫女の衣装ですか?神聖な物が有りましたね。」

エーテリア王が続く。

「そうですね。……巫女を喚んだのは世界樹、と言う事でしょうか?」

「其れについては、チナツが戻ってくれば分かることだろう?ついでに、魔物についても聞いてくれてれば良いんだがな。カルーナ王、チナツがいつ戻るかは分からん。他に決められる事を先に決めようじゃないか?」

「あ、はい。そうですね。では、魔物の強さの原因についてはチナツが戻ってからと言う事で……原因が分かっても直ぐに対処出来るとは限りません。このまま、魔物が強くなり続けた場合の対処法について…………」

カルーナ王の進行で、「世界会議」は進んでいった。







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