生きる理由
**Δ~Δ**
=(○х○)=
**(⊃⊂)**
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内心、冷や汗タラタラな私。
大人の男の人をひっぱたいてしまった。
感情に任せて、説教みたいな事をしてしまった。
だって、頑張って救った結果が「悪人皆殺しの上自殺」とか、無いでしょ?うん、無いわ~。
チラッ
うぐっ!睨まれてる!
そっと、視線を外しゆっくり椅子に座り直す。
頭に乗ってるティオを胸に抱いて、モフモフ…………。
してたら、いきなり私の視界が陰った。
横を見上げると、ウィルネストさんが直ぐ側に立っていた。
顔を背けようとしたら、頭を鷲掴みにされ強制的に視線を合わせられた。
「……生きて償えと嬢ちゃんが言ったんだ。参考までに教えてもらおうか、嬢ちゃんが生きる意味は何だ?」
「へっ?」
私が生きる意味…………?
生きたいから、死にたくないからって事ではないよね。
目標とか目的とかかな?
「無いなら無いで 構わないが、」
「ん~。そうですね…………私の場合、此処(この世界)に居る意味とか理由?を作っていく事かな?」
「……作っていく」
「うん、私の方こそ何も無いんですよ?今、有るのは与えられた物です。凄く感謝してますよ。好い人ばかりです。だから、作っていくんです。新しく 家族を、友人を、思い出を!……居る理由第1号はウィルネストさんだったんですけど!」
「お、俺が?」
「そうですよ!瀕死のウィルネストさんを助ける!立派な理由でしょう?」
「…………。」
「なのに、死ぬとか……だから、その、謝りませんよ!叩いた事!」
「いや、……そこはどうでも良い。…そうか、無ければ作る、か」
頭が解放されると、今度はウィルネストさんの両腕が固定された。
「な、にをお前らはまた!」
いつの間にか王国騎士2人に、左右を挟まれ腕を捕られている。
「無ければ作る。うん、良いんじゃない?」
「早速、新しい思い出を俺達と作ろうじゃないか?ウィルネスト」
「はぁ!?」
ズルズルと寝ていた部屋に引きづられて行く。
「私も、その思い出作りとやらに参加して参ります。」
メイドさんが指をポキポキ鳴らしながら続く。
「ゾナ!」
ギドさんは何処から出したのか、木槌を持って続いてく。
ティオまでがとてとて歩いていく。
…………
私とセルヴィス叔父様が残った。
「チナツ」
名前を呼ばれ、一瞬 身体がびくついた。
悲し気な表情をして、セルヴィス叔父様は、私の前に来ると座って目線を合わせた。
「私とチナツは、叔父と姪だ。」
「…はい。」
「あの時はああ言ったが、別にチナツだからとかは無い。クロイツ家の誰が居ても、同じ事を私は言うだろう。」
「…はい。」
「だから、ね チナツの作る家族に私はちゃんと入っているのか不安になってね。……泣きそうな顔をさせてしまった。チナツを傷付けた。嫌になったんじゃないか?クロイツ家に入った事を後悔させたんじゃないか?」
「そんな!私の方こそ、無償で受け入れて貰ったのに、何も返せるものが無くて!申し訳な…くて!な、情け、無くて!」
セルヴィス叔父様が、優しく私の頬を手のひらで包む。
「何かを返そうとか、考えなくて良い。私達は、チナツがこの世界で チナツらしく生きられる手伝いがしたいんだ。その上で、チナツの言う家族を、家族の絆や思い出を一緒に作らせて欲しい。」
セルヴィス叔父様と見つめ合う。
溢れて落ちた涙を叔父様の指が優しく拭う。
「セルヴィス、叔父様……」
「ああ、此れからもそう呼んでくれるかい?」
「はい。…………はい、セルヴィス叔父様!」
■奥の部屋
セルヴィスに気を使い、奥の部屋に来たのは良いが 会話が筒抜けで、戸惑っていた。
騎士A「……養女とは聞いてたんだが、」
騎士B「この世界って言ったぞ?国じゃなく世界……」
メイド「だから何も無い、ですか。」
騎士C?「…………」
ドワーフ「嬢ちゃんは誰かに召喚されたゾナ?」
騎士A「そう…なんだろうな、狙われる可能性も隊長は示唆してた。召喚した奴等が取り返しに来るって事じゃないか?」
騎士B「其れも有るが、容姿でも狙われるだろう?美少女ってだけでも理由になるのに、双黒だぞ。」
騎士C?「ぐっ!」
メイド「実際、どこぞの馬鹿に狙われましたものね。御可哀想なチナツお嬢様!」
騎士C?「げふっ!」
ドワーフ「全くゾナ、迷惑料でも貰わんとやっとれんゾナ。」
騎士C?「っで!」
騎士A「チナツ嬢の為にも、分かってる組織は潰さないとな!」
騎士C?「がっ!」
猫「…………ガブッ!」
騎士C?「いってえええ!この猫、本気で!離せ!こら!」
猫「フ~~~~~!ご主人、悲しませた罰ニャ!甘んじて受けるニャ!ガジガジ」
猫以外「………………!?」
メイド「ティオ様、今 喋られましたか?」
猫…………後ろ足で耳の後ろをカキカキ「ニャ…ニャ~?」
騎士3人「はぁ~、狙われる理由が増えた……」




