おじさんが居ない
ハンニンハ【Ψ】ъ(х△х*)
………Ψ( ̄∇ ̄)Ψ………
………Ψ( ̄∇ ̄)Ψ………
………Ψ( ̄∇ ̄)Ψ………
………チガウヨ!Ψ(◎皿◎)Ψムキ!
目を覚ますと、ティオを抱いたメイドさんが座っていた。
「お早う御座います。チナツお嬢様。」
「ん、今何時~?」
「夕方の6時でございます。皆様 御待ちですので身仕度を整えさせて頂きます。」
「ん」
ん!なんでメイドさんが此処に居るの?
クロイツ家のメイドさんだよね?見覚えがある。
あ~、お父さんかな?
セルヴィス叔父様にでも連絡してくれたのかも。
メイドさんは私の髪を軽く編み、耳の下でくるくる丸めると白いリボンで飾った。
「速いし、手際も良いし、完璧ですね。羨ましい。」
自分で編み込みとか出来ない……。
「お褒めいただき光栄です。チナツお嬢様。」
言いながら、私を立たせると私のスカートの皺を伸ばし整えてくれた。
ティオが定位置まで登ってくる。
「ニャ~オ~」
「うん、行こうか。」
私はメイドさんと共に、部屋を出た。
4人掛けのテーブルの奥に、居心地悪そうなギドさんが座ってて、ギドさんの右側にセルヴィス叔父様が両肘を付き、顎を乗せて微笑んで座っている。
セルヴィス叔父様の後ろに、両腕を後ろに組み胸を張って2人の王国騎士が控え立っている。
うん、昨日のパーティーで見かけたかも?
そして、手前の席に短髪の王国騎士の人が座っていた。
私の位置からは背中しか見えない。
メイドさんに勧められるまま、空いてる最後の椅子に座った。
セルヴィス叔父様の前になる。
「お疲れ様。チナツ 良く休めたかな?」
「はい。もう大丈夫です。それより、どうしてセルヴィス叔父様が此処に?それに、私が治したおじさんが居ないんですけど?」
「…………」
セルヴィス叔父様が、ニヤニヤしながら 短髪の騎士を流し見る。
控える騎士2人が顔を背け、笑いを噛み殺そうと肩を震わせながら「お、おじさん……プッ」と言っている。
短髪の騎士は頭を抱えて俯いた。
ギドさんが憐れむように目の前の騎士を見て、
「頭抱えてるのが「治したおじさん」ゾナ。」
「へっ?え、えええええ!!」
全然違うじゃない!
私はまじまじと「おじさん」だった人を見た。
伸び放題のようだった髪は、短くすっきりに刈られ 夕陽のような綺麗なオレンジ色。
髭は跡形もなく、少しつり上がり気味の眼は水色、彫りが深くて 何だろ、ワイルド系の美形になってる。
「…………詐欺?」
「!?誰が詐欺師だ!俺は、おじさんじゃないと言った筈だ!」
「お~。ほんとに「治したおじさん」だ。……えっと~ゼフ?さんだっけ?」
「ちっ!喋ると可愛くねぇ嬢ちゃんだな!少しは素直に礼を言わせろよ!なんだよ、嬢ちゃんの一言で笑い者じゃねぇか!」
「はぁ~?私のせいにしないで下さいよ。だいたい、髭も剃らずにボサボサにしてたのは「おじさん」でしょう!あんな格好じゃ誰が見たって「お・じ・さ・ん」って思うわよ!」
「ああ~!」
「何よ!」
立ち上がり睨み合う。
「あ~、思ったより2人の仲が良くて叔父さん軽くショック受けてるよ?会話には叔父さんも入れてね?ほらほら、座って。」
「「…………」」
座り治した。
「じゃあ、「ゼフ」?最初からやり直しで、」
セルヴィス叔父様がゼフさんに笑いかける。
笑っているのに、何故か少し怖いです。叔父様。
「…………あ~、嬢ちゃん。」
ゼフさんがまた、立ち上がると真っ直ぐ私を見てきた。
「助けてくれた事、心から感謝している。ありがとう!」
深く頭を下げる。
「正直、自分でも助からないと思っていた。今、生きてられるのは嬢ちゃんが居てくれたからだ。本当にありがとう。」
「……ん、頭上げてください。お…ゼフさんのそんな態度は、調子狂うと言うか、私自身 治せるかどうかなんて分かってなかったですし、」
ゼフさんの眼を見て、笑う。
「治ってくれて良かったです。ね!」
「うっ!」
うっ?
「何ですか、「うっ」て?失礼ですよ?」
「なななななんでもねぇよ!」
ドカッと椅子に座った。
叔父様や騎士さん、ギドさんまでがニヤニヤしている。
なにこれ、居心地悪い。
メイドさんだけが後ろで「ちっ!」と……舌打ちしてた。




