ゼフ
主人公、睡眠中に付き 野郎視点です。
■ゼフ視点
「…………うっ…ん、?」
うっすらと目を開ける。
身体が怠く、重く感じる。
俺は、奴等に毒を盛られて …………何故、生きてる?
いや、生きたいと逃げた訳だが
身体のどこも痛くない。
奴等の使う毒は特殊で、其処らの神官程度では 治せない筈なのに……?
「お、目が覚めたゾナ?」
ギドじーさんが部屋に入ってきた。
「此処は……?ジジイの家?」
「なんゾナ?覚えてないゾナ?裏口に倒れとったゾナ!」
無意識で此処に来てしまったようだ。
古くからの友人達とは、連絡を取らなくなって久しい。
俺が行ける場所は限られる、か。
此処にも、そう長くは居られそうにないな。
「まさかとは思うが、ジジイが高位の神官を呼んだのか?」
「馬鹿言うなゾナ。そんな金が何処にあるゾナ?治したのは 其処で寝てる嬢ちゃんゾナ。」
俺は、ジジイの後ろを見た。
床に直接、布団を敷いて寝ている少女が居た。
「…………なんで、あの子が!?」
驚いた。
俺が連れ去ろうとしていた少女が寝ている。
側には虎猫も丸くなっていた。
「ダメ元で、ゼナスの所に行ったゾナ。そしたら、嬢ちゃんならもしかしたら治せるかもと言ったゾナ。」
俺は呆然と少女を見詰めた。
「治した後の嬢ちゃんは、自分で立ってられん程じゃったゾナ。もう、5時間位たつゾナ。」
「…俺は、拐おうと、した人間だぞ?」
「…………命の恩人ゾナ。…ゾナ、腹空いたゾナ?持ってくるゾナ。」
「…………」
俺は、思うように力が入らない腕で 何とか上体を起こし自分の身体を見る。
かすり傷どころか古い傷跡すら、綺麗に無くなっている。
「……凄い、な。」
ベッドの上で、軽い屈伸運動をする。
身体の怠さが少し取れた気がした。
俺は、眠る少女の側に行こうか迷い…パンツ1枚の自分に気付く。
此れで近付いたら、只の変質者だ。
「持ってきたゾナ。」
丁度、ギドが入ってきた。
「毒っとったから、野菜スープゾナ。大丈夫そうなら別のも持ってくるゾナ。」
「ああ、悪ぃ。ありがとう。」
スープを口に運ぶ。
塩気だけのスープだが、煮込まれた野菜の甘さが胃に易しく染み渡る。
「ジジイ、悪ぃんだが 何か着るもの無いか?」
「ゾナ……。」
ギドじーさんが、申し訳なさそうに入口を振り返る。
俺は、入口に立つ人物を見て スープを吹き出しそうになった。
「セルヴィス…様!?」
セルヴィス様が目を細め、俺を見詰める。
「久し振りだな。ウィルネスト・ディッツ……今はゼフ?と名乗ってるんだったか、」
「ぐっ!」
俺は奥歯を噛み締めた。
生き残っても此れでは、連行され裁かれて終わりだ。
まだ、やる事が有るのに!
「あ~、積もる話は後で、 今はゆっくり食べると良い。何、悪いようにはしないから 安心して良いよ。その間、私は姪っ子の寝顔を堪能させて貰うから!」
言うや、ウキウキと少女の枕元に座ると本当に 寝顔を堪能し始めた。
虎猫が抗議の猫パンチを繰り出しているが、全く気付いていない。
呆然としていると、
「さっさと食べるゾナ。」
「あ、ああ。」
スープを食べ終わると2人の王国騎士が入ってきた。
「「久し振り。ウィルネスト!」」
「な、なんでお前らまで!?」
「ほんとに、1度も連絡寄越さんとか 無いぜ?」
「そうそう。久し振りの友の報せが「死にそう」とか、勘弁してくれよ?」
「うっ!?」
言いながら2人は俺の腕を拘束してきた!
「何を!」
「全く、ひでぇ面しやがって」
「ちょ~っと、大人しくしてような~?」
腕をほどこうとしてみるが、弱った身体で現役騎士2人に敵う筈もない。
ワゴンを押した、クロイツ家?の若いメイドが入ってきた。
ちょ!俺、パンツ1枚なんだが!
「ふん!男の裸等、どれも大差有りませんわ!チナツお嬢様の下着姿に比べたら!」
メイドの鼻から、タラリと赤い血が……!
瞬時に血を拭き取り、ティッシュを詰める。
動きは流石だが、病んでるぞ!!
「ふぅ、でわ!毛むくじゃらをチナツお嬢様に近付ける訳にはいきませんので、ザックリいかせて頂きます。」




