貴族ですから
投稿、再開します~。
ルークさんとの戦いのお陰?で、ベッドに入るや直ぐに睡魔にKOされてしまった。
睡魔最強!
等とくだらない事を思いつつ起き上がると、直ぐ様ミシェルがノックをして入ってきた。
今日も今日とて、メイド服。
「お早う御座います。チナツ様。昨日はゆっくり休まれましたか?」
ミシェルの言葉に頬がひきつる。
「お早う、ミシェル。其れがね~」
昨日のルークさん達の事を教えた。
「ゆっくりは出来なかったけど、すっきりはしたかな?って感じ。でね、1週間位居ようかなって思うんだけど……。」
「なら、私も居ますわ。」
即答ですね!
「有り難う!ギルドにも行きたいし、家族孝行もしたいなって思ってて、日常を満喫したいんだよね~。」
ミシェルがクスクスと笑いだした。
何か可笑しい事を言ったかな?
笑われる理由が分からず、私は首を傾げた。
「普通は、非日常を満喫したがるところですわ。変わらない毎日に飽きて、何か刺激的な事を求める物です。」
た~し~か~に~。
私は、ベッドサイドに座り 両腕で身体を支えると、足をぶんぶん振りながらミシェルを見て言った。
「だってさぁ、召喚された時点で私にとっては非日常だよ。もう、1年位この世界に居た様に思える程、濃い日常何だもの。この後も旅に出るって事で非日常が待ってるから、ちょっと普通の日常が恋しかったりするのですよ?」
うん、この世界に来て2ヶ月経ってない……んだよね。
騎士団の訓練に参加して、奴隷にされかけ、世界会議に強制参加させられ、精霊に会って、ダンジョン攻略……。
濃すぎだよね。
「リジェネキャンディ」配るのは、早い方が良いのは分かってるんだけど……ちょっと位のんびりしてもバチは当たらないでしょ?
大きなバスケットにふかふかのお布団の中から、仲良く2匹の猫が顔を出した。
「ご主人~おはようニャ~。」
前肢で顔をコシコシ擦りながら、ティオが言う。まだ、眠いよう。
「お早う御座います。主。少々、寝過ぎてしまいましたヨ。ニャ~。」
ティオの隣でふるふると身体を軽く振るわせて、バルトがバスケットから飛び下りた。
2匹揃って身繕いを始める。
「チナツ様も身支度を整えましょう。御手伝いさせて頂きますわ。」
「うん、よろしく~。今日はクロイツ家に顔出すからね。」
「ふふふ、分かっておりますわ。お任せ下さい。」
私はベッドから下りると、ミシェルが用意してくれた水で早速顔を洗う事にした。
やって来ましたクロイツ家!
前回同様、筆頭執事のクトゥースさんに案内されながら、メイドさん達が左右に並ぶ廊下を渡って、伯爵夫妻が待つ部屋へと行くと笑顔とハグで迎えられた。
ハグの時に、こっそりとロッテが小声で
「姉様が来てくださったので、今日のお勉強は休みなの!」
うふふ!
と可愛らしく挨拶をしてくれた。
その隣でルルが期待の籠った瞳で
「今日も珍しいお菓子ある?」
って、瓜二つの顔に満面の笑みを浮かべて聞いてきた。
更に、その後ろからもじもじとセインが
「姉様が遊びに来てくれて、とても嬉しいです。また一緒に遊べますか?」
と、上目遣いで聞いてきた。
ミシェルじゃないけど、鼻血でそ!
3人とも可愛過ぎる❗
あ~もぉ~!等と叫びながら、3人纏めてぎゅ~~~と抱き締めた。
きゃっきゃ笑いながら「姉様、くるしい~~!」と笑いあった。
後で菓子皿からお菓子出してあげよう!
可愛い、可愛いしてたらシャロンさん(セルヴィス叔父様より7歳年下らしいけど、20代前半にしか見えない)に、ソファーに座るよう勧められた。
ちょっと緊張してきた。
アルから元の世界に帰れるとか聞いてるはずだから、話さないとね。
先にミシェルの報告。
フェードヴェネツェンで水龍の運命の相手であった事。
活動拠点をハイルニアに移す事。
今まで御世話になった事に対する御礼を……の前にクロイツ家の特に女性陣が、相手が龍と知って大興奮で出会いの状況から根掘り葉掘り聞かれまくりで…………顔を真っ赤にしたミシェルは疲労困憊ぎみ。
お疲れ様で~す。
最後に、立ち上がったナキア御祖母様がミシェルを抱き締め
「ミシェルも家族の様なものだもの。たまにで良いから、クロイツ家に顔を見せに来てちょうだい。相手が龍族なら心配無いわ。幸せにね?」
「はい……。くっクロイツ家に…仕えさせて、頂いてから…私は、とても……とても……満たされた、毎日でした。どれ、程…感謝しても、し、足りません!本当に……本当に、有り難う御座いましたぁ。」
ナキアお婆様の胸で泣きながら、御礼を言うミシェルの姿に私も目尻に溜まった涙を指で拭った。
私の番になり、先にダンジョン攻略について話した。
その時に契約したバルトについても紹介した。
バルトも本来の姿に戻って挨拶をしたんだけど、その時に如何に私の魂が素晴らしいか語り初めて大変だった。
恥ずかしくって居たたまれない!
ロッテから
「強い姉様、とっても素敵なの!」
と、両手を握り締めて見つめてくる迄は良かったんだけど、チラチラとバルトを見てたのよね。
タイプなの?
止めときなさい。変態だから!
世界樹の精霊から、元の世界に帰れると教えられた事を話すと 会えなくなるのは寂しいけれど、家族の元に帰れるのは素晴らしい事だと我が事の様に喜んでくれた。
子供達から「帰っちゃ嫌だ~。」「もっと遊ぶの~。」「世界樹に頼んで行き来したり出来ないんですか?」と、目をうるうるさせて抱きつかれた。
会えなくなるのは本当だけど、嘘を言っているのは事実で……。
胸がじくじくと痛んだ。
結論から言うと、私の嘘は伯爵夫妻にはバレた。
話が終わった後に夫妻の部屋に私だけ呼ばれて、
「伊達に伯爵やってないからのぉ~。」
「素人のつく嘘位、簡単に見抜けないと宮廷ではやっていけませんよ?」
だそうで……洗いざらい吐かされました。
然もナキア御祖母様、「魔王様とは何処までいってるの?どう思ってるの?何言われたの?やっぱり積極的なのかしら?チナツのタイプなの?」
と、矢継ぎ早に質問してきて……
「ダンジョンまでしか行ってませんから~!?」
わたわたしながら、何とか部屋からの脱出に成功したのだった。
■伯爵夫妻の部屋
「ふふふ、顔を真っ赤にして……逃げられましたけど可愛いわぁ。」
「うむ、少なくとも魔王様に好意は持ってるようだね。育てる気は無いようだが、」
「仕方ありませんわ。理由が理由ですし…………魔王様の本気度が知りたいですわね?余り、女性関係で良い噂は聞きませんし、もし200年やらで冷めるような想いなら邪魔ですわ。」
「…………調べてみよう。」
「ふふふ、ミシェルの御相手に聞けば良いのですよ。魔王様とは長い付き合いの様ですから……」
「……魔王様に知られずに会えるかね?」
「ミシェルを張ってれば良いのですわ。龍の愛は……重いですからね。会いに来ますわ。今夜にでも」
「…………。」
「遊びだったときはクロイツ家の持てる力全て使ってでも、魔王様の力、封じさせていただきます!」
「…………(我が嫁ながら、敵にしたくないの~。)」




