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性
性です
ただ何かを手に入れたくて
鳥は飛び魚は泳ぐ
空腹なのに食べる物を探さずにいる
何か一つでも手に入れたくて
頭痛は日々痛みを増し
気まぐれな重力が体重を変化させる
光の中と闇の中は同じ事
寄り掛かる壁は酷く冷たい
逃げる必要はない
隠れる場所などないのだから
走れないのは自分の脚が悪いからではない
どこにも居場所などはない
明日の景色を気にして目の前が霞んでいる
冬に咲く桜を一目見たくて
最後の夢を見ている
瞳に映るのは絶望でも希望でもなくて
ただ誰かと手を繋ぎたくて
触れる事のできない相手は空気に等しい
涙を流すのは弱いからではない
誰か一人とでも手を繋ぎたくて