~シュナ12才の春の章、登場人物紹介~
ここまでの話の登場人物を簡単にまとめました。
次回より新しい章『シュナ12才の冬』を始めます。
シュナ・ベルティオン
銀髪・蒼い瞳。
ジュノサイド神聖帝国の北・ヘリディアルフォン連合王国と対峙する北域将軍府の長官にして神聖帝国軍大将。12才。8才で父や祖父と死に別れ、北域将軍に就任する。おじ達の反乱を1年で制し、北より来る反帝国の軍勢を退け続ける軍事の天才。妖精と例えられる美貌を持ち主であるが、凍てつく雰囲気を纏わせ、敵対する者に対しては容赦しない冷酷な将軍として振る舞っている。剣の腕も一流。
ナナ・ポルック
黒髪を長く伸ばした一本の三つ編み・黒目
北域将軍府の本拠地・ラス市の孤児院に住む少女。17才。元日本の中学生。孤児院の経営を助ける為、将軍府から出ていた給料と待遇が桁違いに良い求人に応募したところ、見事採用される。面倒見がいい性格でシュナの姉的存在として、各方面から頼りにされている。
ベルティオン北域将軍家一門
500年の歴史を誇るジュノサイド神聖帝国初代皇帝の4人の弟のうち、首都より北に領地をもらったバスフィール・ジュノサイド初代北域将軍府長官の末裔。バスフィールは初めて神聖帝国北域領となった領地の当時の首都の名を取ってベルティオン姓を名乗った。
代々公爵位と北域将軍職を世襲している。
ガイア・ベルティオン
シュナの祖父。故人。生前は敵国を炎の如き勢いで攻め立てた猛将で、『熱血公』の異名を誇った。息子であるティアヘイムの死後、幼児だったシュナを次代の将軍として徹底的に厳しく育て上げた。彼が感情を表さなくなった最大の要因である。
ティアヘイム・ベルティオン
シュナの父。故人。勇猛果敢だった父より武の才に恵まれず、身体も弱かったが、父より正室の唯一の子であったこと、他の兄弟に将軍職を務める器がないという判断から後継者に指名された。人を見る目に優れ、病弱な自らを補佐する人材の発掘に努めた。温和な人柄から『慈愛公』と慕われた。父よりも早く病死した。
ターモア・ベルティオン
茶色の髪・茶色の瞳
シュナの叔父。ティアヘイムの異母弟で、兄弟たちの中では唯一家督相続に賛成し、一貫して味方し続けた。しかしシュナ曰く『生存本能と保身に秀でた小者』で、父のガイアからも『あれは自分の身を預ける人間を探り当てる嗅覚だけは優れている』と評されていた。家庭内でも夫人の尻に敷かれている。
イリーナ・ベルティオン
茶色のボブヘアー・茶色の瞳
ターモアの娘。14才。うだつの上がらない父に似ず、祖父・ガイアに似た覇気の溢れる騎士に育った。『北域の王子様』の異名を持ち、女性からの人気が高い。
ガーディアス・モロット・ニーブルス・トーニ
シュナのおじ達。つまりティアヘイムの異母兄弟たちである。4年前の父・ガイアの死によるシュナの家督相続に反対し、バッティーノ連合王国と結んで反乱の兵を挙げた。しかしわずか1年で反乱は鎮圧され、ガーディアス・トーニは敗死。ニーブルスは降伏したものの許されずに処刑。モロットは敗北後、北の反帝国国家のひとつであるニルテール王国に逃れた。
ベルティオン将軍家家臣団
ウィット・マグビス
白髪が僅かに残る禿げ頭。
北域将軍府を内政面で支える執政官筆頭。シュナの義理の叔父(叔母の夫)でもある。44才。
ラッツビル・パーシー
灰色の髪。
北域将軍府に仕える武官でティアヘイム・シュナ親子2代に仕える腹心。神聖帝国軍中佐。33才。庶民出身のネズミ顔の小男であるが、その手腕は優秀。
バーボンス・ウラゴリオス
赤毛の短髪。
北域将軍府武官筆頭にしてシュナの副官。ベルティオン将軍家3代に仕える歴戦の武人。神聖帝国軍少将。巌のような大男で、自他ともに厳しく律する。55才。
レイラルド・フルーラ
緑色の髪。
北域将軍府隠密頭を務める少女。17才。シュナとは幼馴染で、気の置けない友人的な存在である。余計な事を言っては、シュナに強烈なツッコミを入れられる。
リッチモンド・ビュワーズ
くすんだ金髪にぎょろりとした碧眼。
北域将軍府に仕える有力軍事貴族。爵位は伯爵で階級は少佐(伯爵少佐)。62才。元々は反ジュノサイド神聖帝国を掲げる国の有力貴族で、国政を牛耳るほどの重臣だったが、討伐に来たベルティオン軍にいち早く降伏し、祖国を滅亡に追いやった。そんな経緯もあり、北域将軍家の家臣団から『売国奴』として嫌われている。シュナが将軍に就任した際も、彼に対して反旗を翻し、干戈を交えている。シュナの勝利後に降伏し、許されて参謀長に就任している。戦の際にも陣に複数の女性を連れ込んでは一戦を交える好色漢で、子供のシュナにも早く跡継ぎを儲けるよう勧める不良老人。ナナの事を気に入っており、機会があれば彼女とも一戦を交えたいと公言している。
ハル・ローリッチ
青い髪に青い瞳
大陸全土に名を轟かす5人の剣聖のひとり。22才。階級は中尉。シュナの剣術師範を務めるモデル体型の美女。ナナをとても可愛がっており、挨拶代わりに彼女の胸や尻を揉むセクハラオヤジな困った人。
無頼三人衆
シュナの祖父・ガイアに見出されたドーソン家・セヴィッチ家・アーピー家の三家。元々はベルティオン将軍領を荒らす賊徒の輩だったが、ガイアに帰順。その後はベルティオン軍の中核として大いに武勇を奮い、勝利に貢献してきた。
しかしその武勇を笠に着て、主君や周りの領主に対して乱暴な振る舞いをしており、煙たがられている。
ドーソン家
デビット・ドーソン
ドーソン家当主。70才
ハンナ・ドーソン
デビットの長女。現在はドーソン家の子分の当主の妻。実父の後を継いだ従兄弟のケビンを嫌っている。
ケビン・ドーソン
ドーソン家の次期当主。デビットの甥。勇猛果敢だが乱暴者で、度々問題を起こしている。他の2家の当主とは同年代で仲が良い。シュナを軽んじている。
ジュノサイド神聖帝国
ロン・リーバス
黒い肌、達磨体型、緑色の瞳
神聖帝国宰相。侯爵少将。60才。先代より仕える重臣で、娘は現皇帝の後宮に入り、第五皇女と第七皇子を生んでいる。侍従長ベリーナ・ルトマン文官中尉と対立している。
ベリーナ・ルトマン
名前のみの登場。神聖帝国侍従長を拝命している才色兼備の文官中尉。姉のアンヌは皇帝の側室、妹は現皇帝の甥である西域将軍の妻であり、その軍事力を背景に帝国改革を狙っていると思われる。