禁断の愛ー100回目の告白
益々痩せていた剛は、
受験生だった。
成績も落ちている。
「こんなところ、
こんな状態になった。
どうするよ」
と、母ちゃんは心配したくて、
彼を連れて病院に行った。
検査の結果は、
悪いことがなにもなかった。
受験前のストレスって、
病院の先生に言われた。
元々無言の剛は、
話がもっと少なくなった。
家族とも、学校の友達とも。
勉強は全然できなかった。
寝ても覚めても、
あの笑顔が頭に浮んでいる。
「剛くん」
と、その声を聞くと、ドキドキする。
最初から、今まで、
剛は99回決心した。
彼女に告白すること。
しかし、
結局、する寸前に、いくつの理由をみつけて、
勇気をなくしてしなかった。
苦しくて、苦しくて
我慢の限界になった。
剛は決心した。
「母ちゃんが驚いても」
「彼女に断れても」
「友達に嫌われても」
どうでもいい。
自分の気持ちを言い出したい。
剛は決心した、第100回目の告白を。。。
暑い夏。
蝉のすだく声は魔の呪のように、
しつこく耳も心も煩わす。
剛は決心した。
昼休みのときに、会いに行く。
自分の心を表す。
ベルが鳴った。
担任の先生は来なかった。
不祥な予感。
暫く、校長先生は来た。
悪いことを皆に知らせた。
担任の茜先生は、
交通事故で病院に運ばれた。
あんな優しくて明るい先生のに、
こんなことを遭うなんて、
誰でも信じたくない。
急に、教室の温度があがってきた。
最近、体質不良の剛は倒れた。
顔真っ白だった。
秋。
ある雨の日。
新しい墓があった。
一人の男は静かに立っていた。
無言のままの剛だ。
一本の薔薇。
第100回目の告白だった。