医療の大統領
非常勤講師はますます熱を帯びて饒舌となっていく。
「医療サービスというソフトな面で勝負する"準医師"に対してですね」
准か準か
正なる医師か偽医者か
「従来ある正規の医学部卒の医師が取れる選択肢は大きくわけて2つになります」
医業界を細分化しよりいっそう専門にしていく。
医師にしかわからぬ最先端医療や世界を構築し安全で確実な医療に求道を求める。
「もうひとつはですね。患者さん迎合的な安易医療を提供してみせることです」
「他の医療より安い医療費」
傷病の患者が気になる点。いくら保険証を使ったとしても金銭の高低は避けては通れぬ重要なポイント。
「面倒みがよくサービスがいい」
患者さんを"大切なお客様"とみて
上げ膳据え膳
徹底的に殿様待遇で持ち上げていく。
「つまり正式な医者は"宿敵・準医師"と真っ向勝負を挑んで競合する道を選択するのかということです」
いずれにしても
選択肢が明確に2つだけになる。
医師の将来像は2次元的に無限に広がる可能がある。
「医業の方向性は何をもって正しいのか仁術なのか」
医療の間違いとはなにか。
「ますます医術の求める方向性が分からなくなるんですよ」
傷病の患者さんは
「病気になればどこにかかればいいのか」
「病院に行き"医者だけ"に掛かる。択一から選択肢が分岐されるため決められなくなるかもしれないけれどね」
答えがないと別のビジネスモデルが生まれるかもしれない。
「格闘技などのルール。マニアには複雑なほうが面白いんですよ」
講義終了の時間がやってくる。
熱弁を奮った非常勤講師は満足感を味わい教壇を降りた。
「今の医学正などに開業医の持論を振り回しても」
どの程度の共感を得たか
ボンボン育ちの医者二世たち
しばらくして教職専用の質問メールボックスに受信メールが届く。
「ほおっ医学生が私の講義を聴いてくれていたか」
メールは講義を受けた医学生からである。
医学生は医学生だが
「医科の大学院生(他の医科大学)からか」
現役の医学生からの反応が知りたい気持ちもあった。
"先生の講義を関心を持って拝聴いたしました"
偽医者ならぬ"准"医師論は斬新な考えだと感心します。
現実に沖縄の一部の地域には『医介補』があります。
(アメリカでアシスタント・ドクター)
沖縄独自の非医師制度が残って離島や山奥の地域で活躍をし主に一次医療を担当していました(過去)。
薬の処方(薬剤師)と簡単な手技(初歩的外科オペ)だけが認められ緊急性の高い症例は石垣市民や沖縄中部のような中核病院へ搬送されています。
ただし認められているのは現役のみ(平均年齢85歳以上!)で廃れる制度なのです。
「沖縄は特殊な医療制度が戦後から残ってしまったなあ」
医科大学院生は本題に触れる。
現行の医師法制度では医師自体の裁量権が大変に大きいです。
その分いざという時に求められるもの。
同じことをそのまんま やるのは難しいのでしょうが。 平田様 ありがとうございます。
Posted at 2005.12.22 11:45 AM by medtoolz
産科に関して言えば、緊急性や切迫感の伴う医療の現場
"チーム医療の中心にある医師がその個人の医療判断で全員を動かす。あまりにも権限が集中しすぎるような気がします"
段階的に職種や職務内容をリスク分散し個々人にかかる負担を小さくできないでしょうか?
「医科大学院生というと」
年齢がわからないが現役で医学部卒業していたら医師国家試験はパスしている
「医学生としてより医師として見なくてはいけないな」
医師が持論に賛同をしていただけるとは有難い。
患者にたいして医者の絶対数が少ない地域。
例えば少し前のイギリスや中国とか
戦争後の沖縄のような場所では。
こうした緊急性を伴う非医師制度以外に医療を保管する術は無かったでしょう。
「戦中には帝大医学部とは別に"医学専門"過程があった。こちらは短絡的に外科医を育成した」
雑多な医学知識をどこまで一人の医者が統合しきるか。
「オーケストラの指揮者が医者でチーム医療が楽団員各々となればクラシック音楽は成功なんだろうが」
むずかしいですよ。
医者は医療のエキスパートではあるが指揮者ではない。
医者の意志統合をはかり一員としてまとまるなんてどだい無理なこと
人命は医者の力のみで維持されはしない。
患者の生きる力にも依存する。
患者の生きる力を最大に引き出す医療サービスができる補助者がいたら
医師も医療の仕事がやりやすく責任が分散でしょう。
円滑な人間関係に支えられた医療チームを維持する能力
大きな裁量権を持つ医師個人の裁量が重要なのか?
この能力があれば偽医者でも医療は充分にやっていける?
オペの最終責任
長期治療の最後
医療過誤などの不満を言わされ責任を取らされることを考えると医師の能力の大半はマネジメントなんだろうと考えさせられました。
「チーム医療の医者は最終責任者か」
指揮命令を率先できる医療のリーダー育成も医学部は成していかねばならぬのか
次のメールを開示してみる。
"お産というものは"
お産?
産科と小児科の質問か
送信の名をみる。またまた他の医科大学からである。
「お産はあらゆる医療行為の中でもっとも特殊なものの一つです」
傷病を医療で完治することを考えるならばお産は病気ではない。
「罹患率(そもそも病気ですらありませんが…)が非常に高い。医療者がかかわらないと死亡率が極端に高い(昔は4人に1人は亡くなっていた)」
医学の進歩は癌やお産技術が双璧ではないか。
「西洋医学の発達で赤ちゃんの死亡率が劇的に低下しています」
先輩医師の先生方にも、勤務医の激務に疲れ果てて開業する方の話をちらほら耳にします。戦後敗戦国日本の人口は相対的撃滅である。
産めよ殖やせよと日本のオッカサンは踏ん張って頑張ってくれたのである。
「お産は特殊ですね。他の疾患ではちょっと考えられないことですが"準医師"ができたとしても逆にお産の領域だけは今が維持されそうな気がします」
助産師(産婆さん)と医師のチームがこれだけうまく機能してこのパターンを崩せるだけの度胸を持った政治家もいないでしょう。
産科医とライバルがいるわけである。
それより
僕は専門性が特化し突出した医者がいいと思います。
僕は専門性を身につけたスペシャリストになります。
極力に専門外のことはやらない医師にならなきゃなと思って医学を学びます。
准医師のような"何でも屋"になり医療サービスに精を出す?
人口密度の高い都内や大阪の開業医に居場所はないですよ。
准医師は地方の僻地へ行くことを希望します。
医師がまったくいない村にいって下さいといいたい。
「結論はかなり過激な奴だな」
内科の開業医からみたら産科や助産の世界は仄聞にたるる"対岸の火事"である。
想像ではわかるも臨床の場面は詳しくは知らなかった。
「かといって…」
この投稿した医学生が街の産婦人科医になることはないであろう。
医学生は
東京大学医学部5年である。