表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

木と私

作者: 清水 秀之助

いま私は木に身を委ねて座っている。

大草原の中にポツンと、いや見方によっては堂々と立っている木。

ここに存在するのは草と木、そして私。


地平線の向こうまで果てしなく広がる草原が、私の中に存在する苦しみや侘しさを何処か遠くの見えない場所まで運んで行ってくれそうだ。


一見それは有り難く思えるが、その感情を私から奪い取ったら一体、私の中には何が残るというのか。


木は、いわば私自身だ。孤独だし、言いたいことを口に出すこともできない。

だがこの木が今までどのような環境で生きてきたのかなんて、知りもしない。


生まれた時から1人だったのか、それとも周りの仲間はすでに死んでしまったのか。


私としては後者であることを願っている。この木が初めて体験する別れの相手が私ごときであってはならない。


あるとき私は木漏れ日を浴びた。今までにない感情が芽生えはじめた。いや、はるか昔に感じた、忘れかけていた感情だ。

それをこの木が思い出させてくれた。


この時私は、木と私が違うことに気付いた。


あるとき雨が降った。木は私を守ってくれた。

私は1人じゃないと感じた。

この木が感じさせてくれた。



私は木になりたいと思った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ