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灰冠(はいかん)の大陸アルメリア  作者: たむ


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第三章:影界戦火編 第18話 影界黎明 ― アリアとノクスの最後の対話

影は光の裏側にある。

光は影を否定しない。

ただ、そっと隣に立つだけだ。

王とは、光と影の間で手を伸ばせる者。

■ 《界風・黎明断》が影界を裂く


アリアの放った王術最終段階——

**《界風・黎明断》**が影界全土を貫いた。


影界の空が裂け、

黒い雲が千切れる。


ノクス


『やめろぉぉぉぉ!!

   影界を……影を壊すな……!!』


アリア


「壊さないと言ったはずよ。

   ——“救う”の。」


影の霧が吹き飛び、

影界に初めて“光”が差し込んだ。


ロウガ

「うおおお……!!

 影界に……太陽みてぇなのが……!」


アルフレッド

「アリア様の力です……

 本当に……世界に光を……!」


エリオンは倒れ込みながら微笑む。


エリオン

「……綺麗だ……

 アリア……お前の風は……

 こんな光を呼ぶ……」


しかし次の瞬間——

エリオンの片翼が砕け散った。


バキィィン!!


アルフレッド

「エリオンさん!!

 片翼の魔導構造が崩壊……!!

 二度と——!」


エリオン

「いい……

 この翼は……

 アリアを守るためにある……

 その役目を果たせたなら……」


アリア

「エリオン……!!」


アリアはエリオンへ駆け寄ろうとしたが——

ノクスの影が足を掴んだ。


■ ■ ノクスの絶叫


ノクス(真体)は影の中で震えていた。


ノクス


『アリア……

   なぜだ……

   なぜ影界を照らす……

   影は……光に焼かれて……

   消えるだけだ……!!』


アリア

「消えないわ。

 影は光があるから生まれる。

 どちらも世界の“片側”。」


ノクス


『……妾は……

   影界を守りたかっただけだ……

   外の光が影を捨てるから……

   影は溢れて……

   妾ひとりでは抱えきれなくなって……』


アリアがそっと近づく。


アリア

「ノクス……

 ずっとひとりだったんだね。」


ノクスの影が揺らぐ。


ノクス


『……ひとりでは……

   重すぎた……

   苦しかった……

   でも……誰も……

   影を拾ってくれない……』


アリアはノクスへ手を伸ばした。


アリア

「だから……

 私が光を拾って、影も抱く。

 あなたを、独りにしないために。」


ノクス


『……触るな……

   妾は……影だ……

   触れれば……お前の光は……!!』


アリア

「光と影、どちらも抱ける王になるって決めたの。

 だから——触れるよ。」


■ ■ アリア、ノクスを抱きしめる


アリアは震えるノクスの身体を

そっと抱きしめた。


アリア

「ノクス……怖かったんだよね。」


ノクス


『……アリア……

   妾は……

   影を守るためだけに……

   生きてきたのに……

   どうして……優しくする……』


アリア

「影を守るあなたを、救いたいの。」


ノクスは震えながら、

アリアの肩に額を押し付けた。


ノクス


『……アリア……

   妾は……

   どうすればいい……?』


アリア

「まず、泣いていいよ。」


ノクスの瞳から黒い涙がこぼれた。


影界の空が静かに晴れてゆく。


■ ■ ルージュの残光


影へ消えたはずのルージュが、

微かに光の粒として現れた。


ルージュ

「……ノクス様……

 よかった……

 ようやく……光が……」


ノクス


『ルージュ……

   妾は……』


ルージュ

「ノクス様……

 あなたは間違ってない……

 ただ……独りだっただけ……

 アリアが……その手を取ってくれたなら……

 きっと……もう大丈夫……」


ルージュの光が小さく笑う。


ルージュ

「ノクス様……

 どうか……幸せに……」


そして静かに消えた。


ノクス


『……ルージュ……

   妾は……すまぬ……』


アリアはノクスの手を握った。


アリア

「これからは、一緒に抱えていこう。」


ノクス


『アリア……

   お前は……王か……』


アリア

「うん。

 “光と影、どちらも抱く王”。

 それが——私の答え。」


■ ■ 影界、再生へ


裂けていた空が閉じ、

影界に柔らかな薄光が満ちる。


ロウガ

「……終わったのか……?」


アルフレッド

「影界の魔力が……安定し始めています……!!


 アリア様の風が、

 影界の“痛み”を癒やしている……!」


エリオン

「アリア……

 本当に……すごい……」


アリアはノクスをそっと立たせた。


アリア

「ノクス……

 影界はあなたの世界。

 でも——

 これからは私も、一緒に守る。」


ノクスは微笑む。


穏やかで、

どこか寂しげで、

そして救われた女王の微笑み。


ノクス


『……ありがとう。

   風の王。』


■ ■ そして、アリアの“王の名”


影界に立つアリアを、

仲間たちが見つめる。


ロウガ

「嬢ちゃん……

 本当に王様になっちまったんだな……」


アルフレッド

「アリア様……

 本当に……尊い方です……」


エリオン

(アリア……

 お前は俺の……

 ずっと……憧れの……)


アリアは振り返り、

静かに宣言した。


「私は……

   “黎明のれいめいのおう・アリア”。

   光と影を抱き、

   すべての世界に風を届ける者。」


影界の空から、

新しい風が吹いた。

影界編の“大決着”でした。


ノクスの心の真実


ルージュの最後の光


アリアがノクスを抱きしめる救済シーン


エリオンの片翼崩壊


影界の再生


アリアが“黎明の王”を名乗る


物語は大きく転換し、

ここから第四章の世界へ歩みを進めます。

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