第三章:影界戦火編 第15話 新生アリア ― 黒風光陣と影王ノクス
光だけでも、影だけでも王は成れない。
しかし光と影を同時に抱く者は——
世界の“境界”を変える力を持つ。
■ 崩れゆく影王宮
黒風の心臓が砕けた直後。
宮殿の空間全体が激しく歪む。
アルフレッド
「黒風の心臓が砕けた反動です……!
影王宮の魔力構造が崩れ始めています!!」
ロウガ
「オレらが生き残れるかも怪しいってことか!!」
エリオン
「……いや。それでもいい。
アリアさえ無事なら……!」
アルフレッド
「エリオンさん!! それ言うのやめてください!!
あなたが死んだらアリア様悲しむんですよ!!」
ロウガ
「その通りだ!!
嬢ちゃんの前で“死にます”なんて言う奴は、
男じゃねぇ!!」
エリオン
「…………すまん。」
(でも……アリア……
生きていてくれれば……それで……)
■ ■ 新生アリア、覚醒
黒と光が混ざる風が渦巻き、
その中心に——
アリアが立っていた。
白銀の髪に黒の影が溶け込み、
瞳は金と紅の二色。
そして、背中には
光と影が混ざり合う風の翼。
エリオン
「アリア……
お前……!」
ロウガ
「嬢ちゃん……
なんか……スゲぇ綺麗になってねぇか……?」
アルフレッド
「アリア様……!
影も光も……完璧に融合してます……!!」
アリアは静かに微笑んだ。
アリア
「みんな……
迎えに来てくれて、ありがとう。」
その声は確かに“アリア”だった。
しかしノクスの顔は怒りで染まっている。
ノクス
『王よ……
なぜ妾の影を拒む!?
なぜ光を抱く!?
お前は影となり、妾の傍に立つはずだった!!』
アリアはまっすぐノクスを見る。
アリア
「私はあなたの王じゃない。
あなたの“影の檻”にもならない。」
ノクスの瞳が赤黒く燃えた。
■ ■ ノクス、本性を晒す
ノクスはゆっくりと舞い上がり、
その身体が巨大な影の羽根と角に包まれた。
ルージュ
「……はじまった……
ノクス様の《影王本性》……!」
影の霧が渦を巻き、
ノクスの姿が“影そのもの”となって膨張していく。
ノクス
『……王よ。
ならば奪い直すまで。
光など、妾が塵にしてやる!!』
影の刃が何百何千と生まれる。
ロウガ
「嬢ちゃん!!
来るぞ!!」
エリオン
「アリア!!
今度は俺たちが支える!!」
アリア
「ええ。
なら——私も、あなたたちを支える。」
アリアが両手を広げた瞬間、
空気が一変した。
■ ■ 新王術《黒風光陣》
アリアの足元に巨大な魔陣が出現する。
黒と白金の紋様が重なり、
中心には“風の王の紋章”。
ノクス
『……その術は——?』
アリア
「新王術《黒風光陣》」
アリアを中心に光と影の風が広がり、
ロウガ・エリオン・アルフレッドを包み込んだ。
ロウガ
「これ……嬢ちゃんの風……!」
エリオン
「……あったかい……
でも強い……!!」
アルフレッド
「影の侵食を“相殺”してます!!
光と影のバランスで……完全に中和してる!!
こんな術、理論上不可能だったのに……!」
アリア
「私は光だけじゃ弱い。
影だけでも弱い。
でも——両方抱けば、仲間を守れる。」
ノクスの怒声が響く。
ノクス
『そんな風……
王術として認めぬ!!』
アリア
「認められなくて結構。
これは“私の王術”よ!」
■ ■ ルージュ第二真形態、襲来
ノクスの怒りに呼応するように、
ルージュが猛然と突撃してきた。
ルージュ
「王が二人なんて許されない……!
影はノクス様だけのもの!!」
巨大な影鎖が
エリオンの首へ迫る。
アルフレッド
「エリオンさん!!」
ロウガが割って飛び出す。
ロウガ
「嬢ちゃんに手ェ出すなぁッ!!」
ロウガの拳が鎖とぶつかり、
爆音とともに衝撃波が走る。
ルージュ
「チッ……しぶとい獣ね!」
エリオン
「ロウガ、助かった……!」
ロウガ
「いいから斬れエリオン!!
オマエの剣が嬢ちゃんを守るんだからよ!!」
エリオンの瞳に力が宿る。
「ああ……!!
俺の剣は……“アリアのため”にある!!」
片翼の血片が吠え、
黒灰の剣光が奔る。
■ ■ ノクス vs アリア
ついに、
アリアとノクスが真正面から激突した。
ノクスの影が降り注ぎ、
アリアの光影の風が受け止める。
ガギィィィンッ!!!
ノクス
『王よ!!
妾に背くか!!』
アリア
「背くんじゃない。
私は……自分の道を選んでるだけ。」
ノクス
『ならば……奪うのみ!!』
影が巨大な刃となり、
アリアの胸を貫こうと迫る。
アリアは風の刃で受け止め、
叫んだ。
「私は誰のものにもならない!!
光も影も、私のもの!!」
ノクス
『この小娘がぁぁ!!』
宮殿が裂け、
黒風と影の光がぶつかり合う。
■ ■ 初めての決着
アリアが上空へ跳び、
風を纏った踵をノクスへ叩き込んだ。
アリア
「——黒風光撃!!」
ノクス
『ッ……!!』
ノクスの影の身体が砕け、
玉座の後方へ吹き飛ばされる。
ロウガ
「嬢ちゃんやった!!」
エリオン
「アリア……信じてた……!!」
アルフレッド
「アリア様!!
少し押せています!!」
だが——
アリアの表情は引き締まっていた。
アリア
「……まだ。
ノクスは、本気を出していない。」
その声と同時に、
玉座の奥から禍々しい影が立ち昇り始めた。
ノクスの声
『王よ……
ここまでは“遊び”。
次は——影王の本性を見せてやろう。』
アリア
「……来なさい。
私は逃げない。」
風が吹き、
影王宮決戦は次なる段階へ——。
新生アリアの本格覚醒回。
《黒風光陣》という新王術の誕生
ノクスの影王本性
ロウガ&エリオンの連携戦
ルージュ第二真形態との死闘
影王宮の崩壊開始
そしてアリア vs ノクスが“真の決戦”へ突入
ここから影界編はクライマックス直前へ。




