表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
灰冠(はいかん)の大陸アルメリア  作者: たむ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/74

第三章:影界戦火編 第13話 黒風の心臓 ― 儀式阻止の攻防

王の心は二つある。

光の心と、影の心。

どちらかだけでは王になれない。

どちらも抱ける者だけが、前へ進める。

■ 影王宮・玉座の間


ノクスが片手に《黒風の心臓》を掲げ、

アリアの胸へと近づける。


ノクス


『さあ……王よ。

   悲しみと絶望を力に変えて……

   完全な影となれ。』


アリアは無表情のまま、

黒風に包まれた手を伸ばしていく。


その背後で——

仲間たちの声が必死に響く。


エリオン

「アリア!!

 思い出してくれ!!

 お前はそんな王じゃない!!」


ロウガ

「嬢ちゃん!!

 影なんて背負えなくていい!!

 オレたちが一緒に背負うからよ!!」


アルフレッド

「アリア様!!

 光も影も……あなたなら抱けます!!

 あなたはそんな方です!!」


しかしアリアには届かない。


ノクスの指がアリアの頬をなぞる。


ノクス


『もう終わりだ。

   光は消えた。

   お前は妾の王……

   影の玉座に座る者となる。』


ノクスの手が黒風の心臓をアリアの胸へ押し当てた——


■ ■ ロウガ & エリオン vs ルージュ


その瞬間、

ルージュが影の鎖を振るい仲間たちを阻む。


ルージュ

「どこへも行かせない。

 せっかく“王”が完成するんだから。」


黒鎖が無数に襲いかかり、

エリオンとロウガを縛ろうとする。


ロウガ

「こんなガラクタがぁッ!!」


ロウガの拳が炎のように黒光を放ち、

鎖を粉々に砕く。


エリオン

「ロウガ!!

 次は俺が行く!!」


エリオンの血片が咆哮し、

剣に黒灰色の大斬撃が宿る。


エリオン


「片翼・灰風断ッ!!」


斬撃が影鎖をまとめて切り裂く。

だが——


ルージュ

「甘い!!」


ルージュの刃鎖が二人の死角から襲いかかる。


ロウガ

「エリオン!! 伏せろ!!」


エリオン

「ッ!!」


寸前で回避するが、

血片が暴走気味に脈動した。


アルフレッド

「エリオンさん!!

 限界越えてます!!

 このままじゃ……命が……!!」


エリオン

「構わない……

 アリアを救えるなら……!」


ロウガ

「バカ野郎ォ!!

 死んだら嬢ちゃん悲しむだろうが!!」


エリオンが歯を食いしばる。


ルージュ

「あなたたちの叫びは、もう届かないよ。

 黒風アリアは“王”として完成する。」


ロウガ

「させねぇって言ってんだ……!!」


■ ■ アルフレッド、影王結界の弱点を発見


その時、アルフレッドの目が

“何か”に気づいて見開かれた。


アルフレッド

「……影王結界……!!

 アリア様の影と、影界本体の力で複合構成……

 でも、ひとつだけ“ほころび”がある……!!」


ロウガ

「なんだと!?」


アルフレッド

「黒風の心臓がアリア様へ接続される瞬間……

 結界の“核”が一瞬露出します!!」


エリオン

「つまり……そこを壊せば……!」


アルフレッド

「アリア様への影界同化が止まります!!

 この儀式を……破壊できます!!」


ロウガ

「よっしゃ!!

 嬢ちゃんから影引っ剥がすぞ!!」


ルージュの瞳が細くなる。


ルージュ

「なるほど……

 賢い子ね。でも——それは“させない”。」


影鎖がアルフレッドへ殺到する。


ロウガ

「アル!! 避けろ!!」


アルフレッド

「ロウガさん!! エリオンさん!!

 儀式の核は——アリア様の胸元です!!

 黒風の心臓が接触した瞬間!!

 その一瞬だけ!!

 必ず——叩き割ってください!!」


エリオン

「任せろ!!」


ロウガ

「嬢ちゃんの未来は……オレたちが守る!!」


■ ■ ノクスがアリアを完全拘束


ノクスはアリアの顎を持ち上げた。


ノクス


『さあ……王よ。

   光も名も……悲しみさえ忘れよ。

   妾の影に溶けよ。』


アリア

「……ノクス……

 私は……影……?」


ノクス


『そうだ。

   お前は光を失い……影を抱く者。

   悲しみの王。

   それが最も美しい。』


アリアの心の奥で、

光が微かに震える。


■ ■ ミラの“最後の残光”


その瞬間——

アリアの胸元に、

金色の光がふっと灯った。


ミラの声

――“アリア様……泣かないで……”――


アリアの瞳がわずかに揺れた。


アリア

「……ミラ……?」


ノクスの表情が冷たく歪む。


ノクス


『……不要だ。

   その光……消せ。』


ノクスの影がアリアの胸に手を置き、

光を押し潰そうとする。


アリア

「……痛い……

 これは……光……?」


ノクス


『忘れよ。

   影となれ。』


アリアの肩が震える。


エリオンが絶叫する。


エリオン

「アリア!!

 その光を離すな!!

 それが……お前の心だ!!」


ロウガ

「嬢ちゃん!!

 戻ってこい!!

 オレらがここにいる!!」


アルフレッド

「アリア様!!

 願います……どうか……!!」


アリア

「…………光……

 ……あたたかい……」


ノクス


『王よ!! 影だけを見よ!!』


アリアが目を閉じ、

胸元を押さえた。


そして——


「……私は……」


ノクスが黒風の心臓を押し付ける。


ロウガ・エリオン

「今だッ!!」


二人が同時に駆け出す。


アリアは目を開き、訴えるように囁いた。


「……私は……光も……影も……抱いて……」


黒風が激しく暴れ始める。


ノクス


『王よ!! 影を選べ!!』


アリアの瞳に——

再び“光”が走った。


「——生きる!!」

「黒風の心臓」儀式阻止戦の核心を描きました。


ロウガ&エリオン vs ルージュ本格決戦

アルフレッドが儀式の弱点を暴く

ミラの最後の残光がアリアを揺り動かす

ノクスがアリアの心を拘束

そしてアリアの中に“光”が戻り始める


次回は黒風の心臓を巡る決着が描かれ、

アリアの“王としての答え”が示されます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ