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灰冠(はいかん)の大陸アルメリア  作者: たむ


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第三章:影界戦火編 第3話 影界突入 ― 王と片翼、闇の第一階層へ

影とは、光を失った心の残像である。

王は世界を照らす者だが、

同時に“心の影”を引き受ける者でもある。

■ 影界門・突破


影界門が深い咆哮とともに開いた。


ドォォォォ……ン……


黒い霧が渦を巻き、

大地ごと世界が歪んでいく。


ミラ

「来ます!! 門が完全に開く……!」


アルフレッド

「全員、魔力防御を最大に!!」


エリオンはなお胸を押さえ、

血片の暴走に耐えていた。


エリオン

「アリア……俺は、まだ……!」


アリアは振り返り、

エリオンの手を掴む。


「あなたが隣にいる限り、私は負けない。

   影界がどんなに私を拒んでも。」


エリオンの表情がわずかに和らぐ。


「……ああ。

 お前の“片翼”は、絶対に折れない。」


風がアリアの周囲に集まり、

黄金灰色の渦を形成する。


アリア


「行くわ。

   影界——その中心へ。」


アリアが門へ踏み出した瞬間、

世界が裏返ったように景色が一変した。


■ ■ 影界 第一階層 《虚無廊きょむろう


そこは“何もない”世界だった。


黒い大地。

音のない空。

果てしなく続く空虚の廊下。


アルフレッド

「……音が……消えてる……

 声が……自分に返ってこない……!」


ミラ

「ここは……“虚無廊”。

 影界の第一階層。

 感覚を奪い、心を孤独に沈める階層……!」


ロウガ

「なんだよここ……息がしづれぇ……!」


アリアは冷たい風を感じた。

影界の風は、風ではない。

“負の意志”が空気を揺らしているだけだ。


アリア

「……風がいない。」


エリオン

「ここは影の世界だ。

 光も、風も、本来存在しない。」


アリアは剣を握りしめた。


(風のない世界——

 それでも私は……歩く。)


■ ■ 幻覚 ― ロウガの“影”


その時。


ロウガの足が突然止まった。


ロウガ

「……おい……あれ……」


アリア

「どうしたの?」


ロウガが指さした先には、

誰もいない“虚無の闇”しかない。


だがロウガは震えていた。


「……そこに……“あの時死んだ奴ら”が……」


ミラ

「!!

 影界は“心の影”を具現化します!!

 ロウガさん、目を合わせちゃダメ!!」


ロウガ

「や、やめろ!!

 俺は……俺はもう忘れたはずだ……っ!!」


影から“人の手”が伸び、ロウガの腕を掴んだ。


アリア

「ロウガ!!」


アリアは走り、

風の刃を放つ。


「王式・灰閃!!」


影の腕が切り落とされ、

ロウガは地面に倒れ込んだ。


ロウガ

「っは……っは……

 嬢ちゃん……助かった……」


アリア

「ロウガ、あなたは仲間よ。

 心の影も、一緒に越える。」


ロウガの目が揺れ、

涙が一滴だけ落ちた。


■ ■ ミラの限界


ミラは震える手で魔導陣を維持していた。


ミラ

「影界の負の魔素が……強すぎる……

 封印術が……耐えられない……!」


アルフレッド

「ミラさん、魔力が……!」


ミラの額から血が流れる。


アリア

「ミラ、無理はしないで!!」


ミラ

「だめです、アリア様……

 エリオン様の血片を抑えるには……

 私の術が必要なんです……!」


エリオン

「ミラ……もう十分だ!!」


ミラ

「いえ……エリオン様が影に飲まれたら……

 アリア様が戦えなくなる……!!

 だから私は……!」


ミラの魔導陣が軋む音がした。


アリア

(これ以上は……危険だ。)


■ ■ 影界の大王 ― その囁き


その時——

影界全体が揺れた。


低い、地の底から響くような声が

虚無廊に満ちていく。


『……風の王アリア……』


アリア

「……誰……?」


わらわを忘れたか。

   千の影を統べし王。

   “ノクス・レギオン”——

    この影界の大王だ。』


世界が震え、

空がひび割れた。


エリオン

「来た……!

 影界の王……!!」


ノクスの声は甘く、美しく、残酷。


『……アリア。

   妾の元へ来い。

   光を掲げるほど……影は深くなる。

   それを証明してやろう。』


アリアは堂々と前に進む。


「私は行く。

 影界の王、ノクス。

 あなたがこの世界をどう見ているのか……

 その目で確かめるために。」


風は存在しない世界だが——

アリアの背にだけ、

わずかな風が吹いた。


■ ■ 闇の第二階層へ


巨大な影の門が開き、

黒い階段が下へと伸びる。


アルフレッド

「アリア様……あそこが……第二階層……!」


ロウガ

「まだ行くのか……嬢ちゃん……」


エリオン

「アリア。

 俺は……お前の片翼だ。

 どこへでも行く。」


アリアは仲間たちを見回し、

力強く頷いた。


「行くわ。

    影界の核心へ。」


そしてアリアは階段を降り始めた。


影界第二階層《深淵回廊しんえんかいろう》へ——

界突入の本格第一歩でした。


影界第一階層《虚無廊》登場

ロウガが影幻覚に囚われる

ミラの封印術が限界に

エリオンの血片が影界に暴走反応

“影界の大王ノクス・レギオン”が初めて直接語る

影界第二階層へ突入


物語の緊張感が一気に高まり、

アリア隊の心が試される章です。

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