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灰冠(はいかん)の大陸アルメリア  作者: たむ


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第三章:影界戦火編 第2話 影界門 ― 黒き風の呼び声

影は光を拒むのではない。

光を迎えるために生まれる。

だが、行きすぎた影は“闇”になる。

今、世界はその境界に立っている。

■ 南方荒野・影界門前


荒野の中央に巨大な裂け目が開いていた。

黒い霧が渦を巻き、

風も音も飲み込まれていく。


アルフレッド

「魔導反応……計測不能……!!

 ここ、もう既に別世界に侵食されてる……!」


ミラ

「“影界”……

 地上の物理も魔法も通じない領域……!」


ロウガ

「冗談じゃねぇ……

 こんなとこを進むのかよ……」


アリアは一歩前に進む。

風はまるで怯えるように、アリアの肩にまとわりつく。


アリア

「……呼ばれている。

 影界が、私を“試して”る……。」


エリオンが隣に立ち、

アリアを守るように剣を構える。


エリオン

「アリア。

 影界は“意志”を喰う。

 迷ったら……飲まれる。」


アリア

「ええ。

 だからこそ行かなくちゃ。」


アリアは拳を握り、前を見据える。


「この世界を救うために。」


■ ■ 影界の試練 ― “黒風の叫び”


影界門が低く鳴動した。


ドォォォォン……


風が一気に逆流し、

黒い稲妻が地面を裂く。


ミラ

「アリア様! 門が“拒絶”してます……!!

 このままだと、意志を持つ存在が吸い込まれる……!」


ロウガ

「じゃあ嬢ちゃんは入れねぇってことか!?

 なんでだよ!!」


ミラは唇を噛む。


「……影界は“王を嫌う”んです。

 アリア様みたいに強い意志を持つ者ほど……

 門が反応します……!」


エリオン

「なら……力ずくで——」


アリア

「違うわ、エリオン。」


アリアは影界門へ手を伸ばす。


「影界はただ拒んでいるんじゃない。

 “問いかけてる”のよ。」


エリオン

「問いかけ……?」


アリア

「ええ。

 どんな王かを、試してる。」


門の霧が揺れ、

“声”のようなものが漏れ始める。


『——来るな。

  光の王よ。

  お前を呑めば……世界は壊れる。』


ロウガ

「おいふざけんな!!

 来るなって言われて引き下がるかよ!!」


しかし、

ミラの顔は蒼白だった。


ミラ

「違う……“呑めば世界は壊れる”って……

 アリア様じゃなく、影界が……!」


アルフレッド

「影界自体が……アリアを恐れている……?」


アリアは静かに剣を握る。


「影界よ。

 私は壊しに来たんじゃない。

 救いに来た。」


風が黄金灰色に輝き始めた。


■ ■ レムルスの心理戦


その時。

影界門の上に、黒い影がふわりと立った。


レムルス

「いやぁ……相変わらず馬鹿正直な王だね、アリア。」


ロウガ

「出やがったな……影野郎……!」


ミラ

「レムルス……!」


アリア

「門の向こうにいると思ったけど……

 まだこっち側なのね。」


レムルスは笑いながら両手を広げた。


「影界はね……

   “王殺し”を完成させようとしてるんだよ。」


エリオン

「王殺し……?」


レムルス

「そう。

 この世界には“王が多すぎる”。

 アリア、君もその一人。

 だから影界は君を試そうとしてる。」


アリア

「試す……?」


レムルスの瞳が不気味に光る。


「君が——“真なる王”に値するかどうか。」


ミラ

「真なる王……?」


レムルス

「影界の王。

 名前は《ノクス・レギオン》。

 千年前、世界を闇に沈めた“影の大王”だ。」


空気が一気に凍てつく。


アリア

「影界の王……

 ついに名前を出したわね。」


レムルス

「もちろん。

 君たちがもう逃げられないように。」


■ ■ 血片の暴走


突然、エリオンの胸が赤黒く光った。


エリオン

「ぐっ……ああああああっ!!」


アリア

「エリオン!!」


エリオンは膝をつき、

黒灰の翼が暴れ始める。


ミラ

「影界の負の魔素に……血片が引き寄せられてる!!

 このままじゃ……エリオンが影に喰われる!!」


アルフレッド

「防げない……!!

 魔導陣が……飲まれていく……!」


エリオン

「アリア……離れろ!!

 俺は……もう……!!」


アリアは彼の手を強く握る。


「離れない!!

   あなたは私の片翼!!

   私が……守る!!」


エリオンの目に涙が光る。


レムルスは笑いながら言う。


「いいねぇ……“絆は強いほど折れた時に美しい”。

 王の苦しむ顔は……たまらなく芸術的だ。」


アリア

「黙りなさい、レムルス。」


アリアは立ち上がり、

黄金灰色の風を纏った。


「影界が何を望んでも——

   私は、この世界を救う王になる!!」


影界門が大きく震え、

黒い風が渦を巻く。


レムルス

「さぁ——影界へようこそ、アリア王。」

影界編本格突入の“鍵”となる回でした。


影界門エクリプス・ゲート登場

影界が自らアリアを“拒絶”する理由

レムルスによる心理戦

影界のノクス・レギオンの名前初登場

エリオンの血片が影界に強烈反応

アリアが影界へ踏み込む覚悟を固める


第三章はここから一気に“闇の核心”へ突入します。

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