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灰冠(はいかん)の大陸アルメリア  作者: たむ


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第二章:王の道、灰より始まる 第二章:王の道、灰より始まる

王の道に迷いはつきもの。

だが迷いを越えた先にこそ、

“誰にも折れぬ剣”が生まれる。

■ 血渦宮《中心殿》


ガルスの告白は、

アリアの胸に重くのしかかった。


「皇帝は、帝国の終わりを……あなたに望んでいた。」


アリアの風は揺れ、

足元の灰が舞い散る。


(……終わらせる?

 私が……帝国を……?

 そんな理由で私は王になったの……?)


ガルスが続ける。


「皇帝カリオスは、お前に未来を託した。

 帝国が死にゆくことを悟っていたからこそ……

 “壊す役”としてな。」


アリアの心が揺らぐ。


ミラが叫ぶ。


「アリア様!!

 そんなこと、気にしなくていいんです!!」


ロウガも吠える。


「嬢ちゃんは嬢ちゃんだろ!

 誰が望んだからって関係ねぇ!!」


エリオンはアリアの横で息を荒げながら拳を握った。


「アリア。

 お前は……お前自身の意志で……

 ここまで来たんだろ……?」


アリアは息を呑む。


風が弱まり、

彼女の外套が沈むように落ちた。


ガルスが踏み出す。


「迷いは、“王”には不要だ。」


血翼が広がり、

宰相の影が巨大な怪物のように膨らむ。


■ 宰相ガルス・第二形態


ガルスの背の血翼が変質し始めた。


血肉のように脈動し、

刃が増え、

翼の膜がまるで“巨大な眼”のように開く。


ミラが悲鳴を上げる。


「第二形態!?

 血殉騎を生み出した時の“暴走血核”……

 あれを自分に取り込んでる!!」


ガルスの声は低く、重くなる。


「アリア王。

  ここからが本当の決戦だ。」


アリアの風が押し返される。


(強い……!

 風が……血に喰われる!!

 このままじゃ……!)


■ エリオンの限界


その時、エリオンが叫び声を上げた。


「ぐっ……あああああ……!!」


アリアが振り向く。


「エリオン!!」


エリオンの腕に刻まれた《灰冠血片》が、

血渦宮の血流に共鳴し、

赤黒く光り始めていた。


ロウガが目を見開く。


「おい……まさか……!」


ミラが叫ぶ。


「エリオンの血片が“帝国血脈”と繋がっちゃう!!

 このままじゃ――

 エリオンが“宰相ガルス側の血”に引き込まれる!!」


エリオンが苦しげにアリアを見た。


「アリア……離れろ……

 俺の中で……何かが……暴れて……

 お前を……」


アリアはエリオンの手を強く握り込んだ。


「離れない!!

 あなたは私の“片翼”よ!!

 私があなたを引き戻す!!」


エリオンの瞳が揺れ、

苦痛の中で涙が滲む。


「アリア……

 どうして……そこまで……」


アリアは叫ぶ。


「あなたの意志を信じてるから!!」


その言葉に、

エリオンの血片の光が少しだけ弱まった。


ガルスは鼻で笑う。


「情による結束など脆い。

 血の繋がりには勝てぬ。」


アリアは剣を構え直す。


「勝ってみせる!!

 意志は血より強い!!」


■ アリア、決断の瞬間


ガルスの血翼が吹き荒れる。


血の槍が何百と生まれ、

壁を砕き、空気を切り裂いた。


アリアは風を張れるが、

その風はすぐに“血に吸われ”弱まっていく。


(このままじゃ……

 血に……負ける……)


エリオンの声が飛ぶ。


「アリア!!

 お前は……迷ってる!!

 だから風が弱い!!

 迷いを捨てろ!!

 お前が信じる道だけを見ろ!!」


アリアの心臓が強く脈打つ。


(私が信じる道……

 私は……何のために王になった?

 世界を救うため?

 帝国を壊すため?

 いいえ、違う。)


アリアは静かに目を閉じ、


(私は……“守りたい人を守る王”でいたい。)


目を開いた瞬間、

風が一変した。


灰が光を帯び、

風そのものが“凛とした意志”に変わる。


アリアは叫ぶ。


「私は、帝国を壊すために王になったんじゃない!!

   “生きてほしい人たちを守るため”に、ここにいる!!」


風が爆発し、

血翼の暴風を押し返した。


ガルスの目が見開かれる。


「これは……!?」


アリアの風が黄金に混じる。


アリアの仲間たちが息を呑む。


ミラ

「風が……光ってる……!」


アルフレッド

「アリアの……“意志の魔力”だ……!」


エリオンは泣き笑いのような顔でつぶやく。


「これが……アリアだ……!」


■ 王式・新技


アリアは剣を大きく振りかぶる。


風が灰を巻き、

灰が光になり、

光が風を導く。


「――王式・灰光断覇かいこうだんは!!」


巨大な灰光の波が走り、

ガルスの血翼を斬り裂く。


ガルスの身体が後ろへ吹き飛ぶ。


その瞬間、

アリアの瞳が真っ直ぐにガルスを射抜いた。


「血でも意志でもない。

 “生きようとする心”こそが、

 この世界を動かす力よ!!」


ガルスは息を呑み、

血翼の裂け目を押さえながら笑った。


「……そうか。

 ならば試してやろう。

 “その心”が、帝国を救うほど強いかどうか。」


ガルスの血翼がさらに膨れ上がる。


血渦宮全体が震え、

赤黒い渦が天井を突き破る。


ガルスが叫ぶ。


「第三形態――《血帝のけっていのそう》!!」


アリアは剣を構え、

風と光を纏う。


「来なさい、ガルス!!

   今度は絶対に負けない!!」

物語は完全にクライマックスへ突入しました。

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