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最終話 行方不明
深夜、施設長から電話が鳴る。
「……お子さんが、昨夜から行方不明で……施設内で確認したのですが、いません」
しかし、受話器の向こうの親は淡々としている。
「ふーん、それで?」
施設長は困惑する。
「え…では、誰か頼れる方はいませんか…?」
「さあ」
「警察に届けを出すとか諸々あるので1度こちらに……」
めんどくさ……と話している声を手放し、電話をガチャ切り……
その時、クスリが切れる前だと母は自覚はあった。
「…あ、そういえば、よく話に出ていた近所の警備員に連絡してみるか。あの子連絡先どっか書いてたよな」
ああ、めんどくさい……
―――
一方、テレビでは怜央が演説を行っている。
熱気に満ち、笑顔を振りまく政治家としての表の顔
誰も裏での狂気に気づいていない
―――
倉田は電話越しにあのクソガキの忌々しい家族の声を聞く。
「あーなんかー施設から連絡あってー陽翔がいなくなったらしいんだけど、なんか知らない?」
「……」
「とにかく見つけたら施設戻れって伝えといて。頼んだわよ!」
―――
夜の街には、怜央の影と狂気がまだ広がっている。
だが、この物語に倉田の存在は、クソガキとの思い出に耽ることしかまだなかった―
寡黙な夜警シリーズの続き




