冷遇されても、気高く生きていきます
以前Xに投稿して、見事に無風だったショートショートです。
お焚き上げを兼ねて投稿してみます。実験作。
「近寄るな!出ていけ……!」
男爵のゾッとするような怒鳴り声。夫人も使用人も、みんな私を冷たい目で見る。私の姿を見るたびに、箒で追い立てたり、蹴ろうとしたり。
「忌々しい!姿も見たくない!」
「さっさと死ね!」
「この疫病神め!」
私の育ったクーザン男爵家は、とても恐ろしいところ。罵倒や暴力は日常茶飯事。男爵家のご家族も、使用人も……誰からも、温かく扱われたことなんてなかった。
でも私は——笑おうと思った。唯一、私に優しくしてくれた、姉と一緒だったから。彼女は、毎日何とか食べ物を調達してきてくれた。パンくずや野菜の切れ端だって、食べられるだけでありがたい。
私たちは、この厳しい環境で生き延びてきた。狭い屋根裏部屋でなんとか身を寄せ合って。寒い日は隙間風に凍え、暑い日は意識を朦朧とさせながらも。
——でも、今朝起きたら姉が……冷たくなっていた。昨夜私を庇って、強く打たれたのが原因だったのだろう。
彼女は「ララ、心配しないで。私は平気よ」と笑っていたのに。
私はお別れの気持ちを込めて、彼女の灰色の癖毛をゆっくり撫でた。姉がいるから、私はここで耐えてきた。彼女亡き今、こんなところにはいられない。涙を拭きながら、私はそう決意した。
私はその夜、こっそりと屋敷を抜け出すことにした。屋根裏部屋を転がり出て、廊下を走り抜け、キッチンへ……。
すべては、うまくいっていた。そう、あのとき……ふと出来心で、チーズをつまみ食いさえしなければ。
ふいにキッチンの明かりがつき、私は煌々と照らし出された。メイド長の叫び声が暗闇に響く。
「キャーーーーーッ!ネズミよーーーーー!!」
お目汚し失礼しました。
“冷遇される娘”をテーマにオチを考えたら、
何度練り直しても頭の中にネズミが浮かび上がってきました……。くだらなくてすいません。
「くだらない」「だまされた!」などあればご感想もお待ちしてます笑。評価やブクマも、もしあれば喜びます!
普段はもう少し真面目な物語を描いています。
もしよければ、他の作品もご一読いただけたら嬉しいです。
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