第十八録:果てなき欲を見た人工知能 二節「第二ラウンド」
刀を振るいゴーレムの首が飛ぶ。
俺は刀を納めて周りを見る
人型ゴーレムという事もあり辺りは死屍累々のそれ。
「お前様ー!終わったのじゃ!」
「あぁ、怪我はないか?」
「大丈夫じゃ!」
近くにいる夜天羅は俺に向かい笑顔でピースをする、よかった…
「一仕事すんだね!」
「あぁ…しっかしどこから湧いてきた?々」
「それはあの人たちに聞きましょ」
ネローズは後ろの方で仲間の手当てをしている冒険者へ視線を向けた。
疲弊している彼らは見るも痛々しい傷の数々…
それが物語るものは非常な現実、実力不足。
リーダーらしき人物が俺たちの視線に気がつき近づいてくる。
「いやぁ!ありがとうございます!お陰で命拾いしました!」
ウルに握手を求めそれに応じた。
鎧に身を包んだリーダーの年齢は若く見える
「…君たちはどうしてここへ?」
「俺たちは依頼でここへ来ました、簡単な遺跡調査と
言われたんですがまさかあんな奴らがいるなんて!」
それを聞いたウルは真剣な顔をして
リーダーへ問う、ウルの微かに怒りを感じる。
「…依頼は誰から受けたんだい?」
「え?ギルドからです!出張受付所で受けました」
出張受付所?そんなサービスがギルドにあったのか?
「やられたね…現状、出張受付所があるのは他国だけ」
「えぇ!?でも職員証はありましたしその職員も在住してましたよ!?」
「随分と高度な詐欺師がいたもんだね!
まぁそれは置いておいてここの危険性も偽られたね?」
「はい…魔物も猛獣もいないから等級が下がったと」
事実に落胆したリーダーは同時に自身の甘さを悔やんでいた。
無理もない、危うく全員殺される所だった。
俺たちがいなければそうなっていただろう
「ま!これからは注意する事だね!まだ駆け出しだろう?」
「はい…四等級に上がれて調子に乗ってたかもしれません。」
「それなら大丈夫だ!反省を生かすといいさ!」
「お前…覡じゃないか!」
俺の名を呼ぶその声のほうへ顔を向けた
そこにいたのは─
「…霜田か?なんでこんなとこ居るんだよ」
声を掛けてきたのは何日か前にあった
クラスメイトの姿がそこにあった。
いや、本当に何で居るんだよ?
「お、俺たちは依頼を共同でしてて…それで!」
「そうか、なら早く撤退しろよ」
俺はそれだけいい振り返って
夜天羅と歩き出そうとした、だが再び声を掛けられる。
「いや!俺らも同行させてくれ!支援ギフトはいるだろう!?」
「いらん、お前らの支援ギフトが
どんな物かわからないが俺たちは問題ない」
「いやいや!もしもがあるだろ!?」
…なぜそうまでして食い下がってくる?
それに今後関わらないだろうと今まで気に
留めてなかったがなぜコイツらがアルカラドにいるんだ?
「悪い事は言わんから自分の実力に見合った依頼をするんじゃ
そんな死に急がんでもよいじゃろ?」
隣の夜天羅も霜田たちを優しく諭す、正論だ
コイツらが何にこだわっているかからないが
命をかけるほどか?それこそこの世界に来て数ヶ月しかいないのに?
「〜っ、で、でも!──
ウゥゥゥゥゥゥゥゥウ!!!!
都市全体がうなりをあげる、聞いているだけで不安が込み上げてくるサイレン。
全員が無言で戦闘態勢に入る。
四方八方を警戒する様に俺たちは円になる。
「こ、この音だ!また奴らが襲ってきます!」
リーダーの男が叫ぶ。
今…なんと言った?この音が鳴ると?つまり一度この音量が鳴り響いた。
おかしい、俺たちは聞いていない。
横穴に入っていたからという理由はあり得ない
爆発音は平気で聞こえた。
おかしい…だが考える時間は与えてくれないらしい
サイレンとは違う地鳴りがコチラへ向かってくる。
その大きさにただならない物を感じた
「おい!早く逃げろ!」
霜田たちに退避を促すが─
「だ、ダメだ!降りてきた場所が塞がれてる!」
横目にその方向を見ると分厚い扉で閉じられていた。くそ!最悪だ!
「ならお前ら守りを固めろ全力でだ!わかったな!」
「あ、あぁ!」
俺たちは円陣をやめて音の方向に武器を向ける
だんだんと近づいてくる異音。
「夜天羅!鞭で行けそうか?」
「うむ!問題なしじゃ!」
そして遂に現れたのはゴーレム。
しかし規模が違う、巨躯のゴーレムそれに─
「っ!全員!散れ!」
ガチャリと鉄の音がした、目の前ゴーレムが構えた物はバズーカ。
俺の言葉に退避するウルたち、俺も夜天羅と横に避けた。
──瞬間、俺たちがいた場所から火柱があがる
明らかに現代のバズーカとは一線を画す威力
くらえばひとたまりもない。
「ハハ!すごいね!」
「気をつけろよ!俺らの世界の兵器を模してる」
「あぁ!了解!あの人型たちはただのウォーミングアップだったようだね!」
「そうだな!」
刀を構え直す、巨躯のゴーレムが5体、どれも武装が違う…バズーカは牽制か。
第二ラウンドの開始だ。




