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異世界帰還録  作者: 夜縹 空継
第三章:アルカラド編
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第十七録:神も人も去った街 五節「廃寺」

─次の日、休息を取った俺たちは早速

例の廃寺へ向かう。

街の端にあるその場所は寺以外も異様だった

まるで外壁を破壊した様に開いた穴

そこに草木が生えており深く奥に続いてる。


岩が剥き出しの横穴を照らしながら進んでゆく

進めば進むほどに雑草が増える。

「なんだってこんな事に?」

「神聖の破壊だね!…神聖防御を突破とはどんな手を使ったのやら…」

「神聖防御?」

「神代の物は壊せないと言っただろう?あれの名前さ!」

名前からして大層な魔法なんだろうと予想はつく

しかし壊せるという事は万能ではないか。


横を穴を抜けた先、そこには画像と同じの

吊るされた廃寺が現れた。

寺は小さな物で中はおそらく一部屋の八畳間

壁には杭が打ち付けられ何本もの太いしめ縄でその寺は中に支えられている。

微風が神垂を揺らす、寂れた寺は物悲しい雰囲気でただただそこにいるばかり。

「…実際見ると圧巻だな」

「じゃのう…しかし本当に寺じゃな」


一見すると適当に吊られている様に見えるが

軋む様な音もなく危なげな様子はない。

「さ!どうしようか?誰がいく?」

「全員で行くのは流石に崩落の危険性があるから

な…俺と夜天羅と行くか?」

寺に詳しい俺と夜天羅が行くのが妥当だろう

壁を伝っていけばしめ縄につく。


「そうしようか!あぁレミリアも一緒について行ってくれ」

「わかりましたわ」

レミリアなら浮遊魔術が使用可能、寺の中にいても加重の心配がない。

役割が決まり俺と夜天羅は壁を駆け上がり

レミリアは先に廃寺の入り口辺りに待機。


少し遅れて俺たち二人はしめ縄に到着

二人分の体重が乗る流石に軋み上がるがそれ以外は何も問題がなさそうだ。

レミリアの元へ到着、古びた引き戸をこじ開ける、下に沈んだ壁に足をつける。

中は廃墟の装い、壁や床は朽ち果ててボロボロ

長らく中を開けられていないのか開けたせいで埃が舞う。


「…なにもありませんわね」

レミリアの言う通り物がない…ただただ広い部屋

唯一調べられる場所は奥にあるよう押入れぐらいな物。

「レミリア、あの奥に押入れ…クローゼットがあるからそれだけ調べよう」

「わかりましたわ」

「なにかあるとよいのじゃがのう」


三人で押入れに近づき俺は襖の取っ手に手をかける

立て付けが悪く引っ掛かりのある襖を開け放ち中を覗くと──

「おお!箱があるのう」

「竹製の籠か…ずいぶん年季が入っているな」

取り出した籠の大きさはA4程のサイズ

中に物は入っているがそこまで重くない片手で持てる程度。


「では、おりましょうか」

「だな…短い探索だった」

俺たち三人は早々に廃寺を後にする。

行きは面倒だったが帰りは廃寺から飛び降りるだけ

夜天羅と共に着地するとウルたちが近づいてくる。


「お疲れ!収穫はどうだい?」

成果を期待するウルに対して俺はにっと笑い

手に持つ籠を掲げた。

「わーなにそれー!!」

興味津々なブランカとまじまじと籠を見るウル、ネローズ、ホワイト。

"竹製の籠ですか?"

「ホワイト、竹を知ってるのか?」

"情報として知っています!非常に便利な素材な反面、繁殖力が強くて厄介だとか"

寺といいこの街には日本の情報がどこかにあるんだろうか?


「ね、ね!早く開けようよ!」

「あ、あぁそうだな」

ブランカに急かされて俺は籠の蓋を取り蓋を外した

中にあったのは布に包まれた何か。

布を捲りついに中身が露わになる。

「手鏡だな…」

「えー!?これってもしかして!?」

「真実の鏡かもしれないね!」


ウルは興奮を隠せない様子だ、求めていたかもしれない物が目の前にある。

「僕が手に取ってもいいかい?」

「あぁ、どうぞ」

ウルに籠を差し出すと恐る恐る鏡を手に取る

手鏡の全容が露わになる。

黒い漆が全体を覆い美しい艶が光を反射する

背面にはどこかの家紋が施されていた。


ウルは鏡に魔力を込める、が…

「うーむ…どうやらハズレな様だね…」

残念そうに呟くウル、どうやら求めていたものではなかったらしい。

「わしと旦那様にとってはハズレではないようじゃ」

鏡を真剣な表情で見ている夜天羅が呟く。


「どうした?夜天羅?」

「ウルどの手鏡をかしてくれんかのう?」

夜天羅はウルから手鏡を受け取り

俺に背面に施された家紋を見せてくる。

「この家紋は覡家の家紋じゃ」

夜天羅から驚きの事実が告げられた

いや、それはおかしい…


「…俺の家の家紋とは違くないか?確かに似てはいるが」

「これは…そうじゃな、来空が使っていたものじゃ

 多分じゃがどこかで変わったんじゃないかのう、それか─」

「わざと変えたか?」

夜天羅の次の言葉を予想して口に出す。

彼女は無言で頷く。


「ち、ちょっと待ってよ?」

ネローズが声を上げた、その表情は困惑そのものだった。

「ヨリツグとヤテンラの家の物がなんでここに?

 確かに次元を超えて物が漂流するのは

 知っているけど…作為的な物を感じるわ」

「ネローズの言っていることはわかりますわ

偶然にしても奇跡の確率ですわよ」


二人が言う事はわかる、だがそれを可能にするのは

初代の尼さんだなにせ千里眼を持っていた

夜天羅と顔を見合わせて詳細を語った。

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