表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界帰還録  作者: 夜縹 空継
第三章:アルカラド編
90/241

第十七録:神も人も去った街 四節「ドタバタ」

きゃーーー!!

施設内に悲鳴が響き渡りこだまする

俺とウルは顔を見合わせ、ホワイトは悲鳴に恐怖していた。

今の悲鳴はウルの恋人のうちの誰かだ。

俺は嫌な考えが頭をよぎる、だがそれはウルも同じだろう。

にゃんにゃ!


「ホワイト、すまないが急ぐぞ」

"わ、わかりま…した!?"

俺はホワイトを肩に担ぎウルと共に

全力で走り出した、相変わらず迷路の様な道。

戻っては進み、左に右に進んでゆく。

…遠回りするとここまで時間がなるのか。

行きは5分ほどで到着したのにも関わらず

今は倍ぐらいの時間を要している。


「…今は静かだな」

「それが余計に不安にさせるね!」

いつも通りの様子だが内心は穏やかではない

僅かだが足取りに焦りを感じる。

"あ!やっとエントランスに出てきましたね"

明かりが付いたことで正確な広さがわかる

足早に入り口に向かい辺りを見渡すも

夜天羅たちはいない…俺たちのが先についた様だ。


「…夜天羅たちはまだだな」

「5分ほど待って来なければ別れて探そうか!」

俺はホワイトを肩から下ろすとホワイトは

頭を下げる、上げた顔を見ると

"ヨリツグさん!ありがとうございました"

「どういたしまして」


うるるるんにゃん?

俺の影から出てきたコイスケは毛繕いをする

警戒心が高いコイスケがリラックスをしていた

今の所は敵は来ていないはずだ。

にゃん!!

急に毛繕いをやめ嬉しいそうな鳴き声を上げた

丸い瞳の先を見つめる。


なにか…聞こえてくる。

「のじゃぁあ!?」

現れたのは三人に担がれた夜天羅。

状況がわからない、どうなってるんだ!?

俺たちを見つけるやいなや走る速度をあげる

近くに来ると急ブレーキして三人は

ウルへ抱きつく、夜天羅はというと放り出された。

のでお姫様抱っこの要領で受け止める。


「ハハ!みんな無事でよかったよ!」

ウルの緊張が解けて三人を抱きしめ返す

安堵したのは俺も同じだ夜天羅が

無事でなによりだ…本当に状況が謎だけど。

「わっぷ!お前様!」

抱っこされたまま俺を抱きしめてくる。

にゃんにゃんにゃぁん!!

コイスケは俺の肩に登って来ては夜天羅の

鼻あたりを前足でちょんちょんとさわる。


「ははは、くすぐったいのじゃ!」

互いに恋人と再会出来て辺りに和やかな雰囲気が流れる。

「さて!合流は問題なく出来た出ようか!」

ウルの言葉に全員が頷いてすぐ後ろの

入り口から脱出、随分あっさりと外に出れた。

不気味だ…状況もそうだが敵の狙いがわからない

その気になれば閉じ込めることも

分断したままにできたはずだ、得体が知れない。


外へ避難した俺たち、探索に予想外の事態と

かなりの時間この街を歩き回った。

一度、発着場に移動した。

ここには野営に必要な荷物なんかを置いていた

荷物を解いてテントの設営を済ます。

薪台に火をつけて全員で薪を囲む。

パチパチと火が爆ぜるのを眺めて一息をつく


「ひとまず一日目お疲れ様!今日は休もう!」

"お疲れ様です!!"

にゃんにゃー

口々に互いを労う言葉を掛け合う。

今日は体力な疲れより精神的な疲れが多い。

コイスケは胡座を描く俺の足の間に収まる

「さてと!食事の準備をしようか!

 今後の話は食事をしながらにしよう!」


簡単にスープを作り干し肉とパンを取り出す

野営の食事はこれが平常。

「んぐ、ねぇ!明日からどうするー!」

「どうしようかのう…」

現状…依頼はほぼ達成。

残るはホワイトの件とウルの目的のみ。

…関わってしまった以上、ホワイトを放置するのは寝覚が悪い。


ウルの目的も一向にヒントすらない

加えて謎の敵がいる。

"あ、あの…お困りですか?"

おずおずをした様子でディスプレイに言葉を表示するホワイト。

「そうだね!行くあてがないのが現状かな!」

"で、では一つ異様な場所があります…!"


ホワイトからの提案。

その様子は自信なさげで低く手を上げていた。

全員がディスプレイに表示される言葉に注目する。

"皆さんと出会う前は一人でこの街を歩き回っていました

それは街全体を回れるほどの時間です。"

"そこで宙吊りの建物を発見しました"


「宙吊り?」

反芻する様に言葉が出た、確かにそれは異常だろう

ここまで管理社会めいた統一された都市でだ。

"です!画像がこれです"

ポンと短い通知音が鳴るとディスプレイに画像が表示された。


「これは…また!?何という!!」

夜天羅が驚愕の声をあげた。

無理もない俺も驚きを隠せない

「お二人とも何か知っていますの?」

俺たちはこの宙吊りの建造物をよく知っている

斜めに傾き空中に固定されたソレは──

「間違いない、俺の国の寺だ!」


「…てらー?」

「そうじゃのう…この世界でいう教会みたいなもんじゃ」

「宗教施設ってことよね?なんでそんな物がここに?」

謎が謎を呼ぶ状況だ

これはもう行ってみるしか謎が解消される事はないだろう。


「いいね!興味が出てきたよ!」

「じゃあ行くか?」

「だね!」

「ちょっと不気味ですわね…」

明日の行き先が早々に決まった

謎の宙吊りにされた廃寺、そこに何かあるのか

好奇心が半分と未知の恐怖が半分だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ