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異世界帰還録  作者: 夜縹 空継
第三章:アルカラド編
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第十七録:神も人も去った街 二節「異質」

"ここが私の目覚めた場所です"

案内してもらい到着した建物。

色は言わずもがな白、建物の作りの印象

それは病院を思わせる意匠だった。

不気味なのは一切名前がわかるものがない事

看板やネームプレート何もない。


「…とりあえず入るか」

門をくぐり正門へ向かう。

ガラス張りのドアを開くと広いフロアが現れる

灯を照らす、中のレイアウトは大学病院に酷似していた。

エスカレーターに並んだ受付とソファ。

現代日本か?ここは…


ふとウルたちを見てみると

ブランカ、レミリア、ネローズの顔が青ざめていた。

三人が辺りを照らすウルにピッタリとくっついていた

ウルは慣れているのか特に反応はなかった。

夜天羅に視線を移すと興味ありげに周りをキョロキョロと眺めていた。

「?どうしたんじゃお前様」

「いや…なんでもない」

元々は山育ちだしな…夜天羅。


"私がいた部屋はさらに奥になります"

ホワイトは奥を指差し再び歩き出して俺たちを先導してくれる

広い室内に足音だけが響き渡った、手元の明かりだけがゆく道を照らす。

案内のおかげで5〜6分で目的の場所へ到着

そこの部屋は唯一灯りがついた部屋だった

「ここだけ明かりが付いていますわね…」

「でもおかしいわね、ここも魔力を感じないわ」

レミリア、ネローズの二人は怪訝な顔をする。

魔力が動力の全てを賄っている世界では異質だろう

しかし俺と夜天羅は違う、よく知っている。


「電力だな…」

「…可能性としては考えていたけどまさかよね」

「ウルと一緒ー?」

「僕よりもっと繊細さ!」

「この一室だけなぜ…それにわざわざ電力なんて非効率ですわ」

レミリアの言い分はよくわかる、それほど魔力は優れている

この世界で電力が廃れたのは必然だ…人一人いれば

一般的な家ぐらいなら魔力で一日エネルギーを賄い、さらに備蓄が可能だ


「…なぁホワイトは電力で動いているんだよな?」

"はい!私は電気駆動です!"

「…バッテリー式か?」

"いえ!私はアポロニア機関?により半永久的に

 稼働が可能です!…ってあそこの機器に書いてありました!"

ホワイトが指差した機器、タブレット端末を確認すると

本来の名前であろう部分など所々に黒塗りが施されていた。


気になったのは2点。

[████の初回起動に成功

アポロニア機関も安定、まだ無垢な████にプログラムによる教育を開始。]

その後はホワイトの教育や生活の様子が記されていたそして

[████と████を補助として████ ████ ████─]

ここから全て黒塗りにされていたが最後の一文はこうだ。

[─我々は間違えた。]


推測だが…ホワイトは記憶喪失なんかではない

初期化だ、だからホワイトは

この文章になんの疑問も持たない、無垢だから…。

それに黒塗りで潰されているがホワイトの

兄弟機か類するゴーレムがもう一体いた。

そして恐らく…この都市の重大な何かをした。

くそ…考察をするには情報がまだ少ない!


「謎は残りますが…凄いですわねこのアポロニア機関

 錬金術による魔力を使わないエネルギー発生装置…

 それをホワイトの中に納めるほどに小型化を可能にした…

 流石は神代の技術ですわ」

タブレットを触っていたレミリアは

アポロニア機関の項目を読み感想を述べた。

言って終えば核融合炉を積んでいる様な…

ハッとなるアポロニア…太陽の神をなぞらえている

まさか本当に核じゃないよな?


不穏な考えを頭の隅に置いてさらに部屋を調べる俺たち

といっても物はそれほどなく収穫はタブレットの書類ぐらいのもの。

「うーん…わからないことがわかった感じだね」

「だなぁ…」

「まぁでも一応、最低限依頼は達成できそうなのが救いね」

ウルとネローズの言う通りだ、ホワイトの事は

多少わかったくらいで根本的な部分は依然謎。

ウル個人の目的は別としてこの施設なんらかの品を持っていけば大丈夫だろう。


…あまりにも綺麗に物が残りすぎているから泥棒感は否めない。

「さてはて…どうし─」

にゃん?

夜天羅とコイスケが扉へ視線を向けた。

皆の視線が同じ場所に注がれる。

それは目に見えた異常だ、外の明かりが付いた

全員に緊張が走る、思う事は同じだ

自分たち以外に誰かがいる。


普通なら明かりが付いて安心するだろう

しかし得体が知れない。

俺とウルが目配せをして扉の両脇に控え

アイコンタクトを送り俺は扉を開けた。

外の廊下へ出た、俺たちは背中合わせになり

周囲を警戒したが依然として気配はない

煌々と照らさた白い廊下と不気味な静寂が広がるばかり。


安全を確保してから夜天羅たちを呼んだ

全員で廊下に集まる。

「なんだってんだ」

「ハハ!驚きだね!」

「誰かおるんかのう?」

「や、やめてよ、ヤテンラ〜」

泣きそうなブランカは近くにいた

レミリア、ネローズの腕をがっしりと掴んでいた。


気持ちはわからなくもない…

ここに入ってから心霊的な怖さがある。

皆が安心しかけたその瞬間──

ジリリリリリッ!!!!甲高い不穏な音が突如として響き渡る。

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