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異世界帰還録  作者: 夜縹 空継
第三章:アルカラド編
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第十七録:神も人も去った街 一節「ホワイト」

しばらく、何もなく街を探索していた。

──にゃん!!

コイスケの声が短く響いた。

瞬間、全員が即座に反応、自身の最適な役割を迅速に行動。

俺と夜天羅はコイスケが見つめた先へ、ウルたちとコイスケは支援に回る。


俺と夜天羅は監視する者を捉えた。

刀を即座に抜刀、追跡者と対峙する

しかし──

「な、なんだコイツ?」

怯えてうずくまるその姿に驚愕した

ゴーレムと聞いていたがまんまロボットだ。

小さい、6歳児ぐらいのサイズで人型。


「お前様ー!ってなんじゃ!?」

少し遅れて夜天羅が到着、弓を構えていたが

状況を見て矢を矢筒に戻して隣に並ぶ。

「…あーっと、俺たちの言葉わかるか?」

一先ずは対話を試みる、もし可能ならこの街について色々わかる。

俺の事を聞いたゴーレムは恐る恐るこちらへ視線を向ける

頭部の液晶の表情が涙顔から不安顔に切り変わった。


ゴーレムは立ち上がり俺たちに話しかけているんだろうか…

しかし発せられる声は様々な電子音のみだ。

夜天羅から聞いていた指輪の効果が発揮しないという事は

言語として声や言語体系がない、ただの音として発せられている。

「まいったのう…こちらの言葉を理解してくれてる様じゃが」

夜天羅の言う様に理解はしてくれている

…いや、待てよ、あるじゃないか簡単に意思疎通が取れそうな媒体が。


「すまない、声が聞き取れないから

 可能なら画面に文字を表示してくれないか?」

そう、ゴーレムの頭部ディスプレイだ。

顔が表示出来るならそれ以外もできるはず

言語機能の根本が壊れてない事を願う。

俺の言葉を聞いたゴーレムの画面が暗くなる

そして"貴方たちは誰ですか?"画面にはそう表示された。

よかった…意思疎通は取れそうだ


「俺たちはこの街を探索しにきた者だ」

"街…街にはなぜ誰もいないのですか!?"

身振り手振りを交えてさらに尋ねてくるゴーレム

もしかしてこのゴーレムは…。

「お主は最近目が覚めたのか?」

"はい!それで誰もいなくて…自分が誰かもわからなくて…"

なんとまぁ…記憶喪失らしい機械かもしれない

ゴーレムだから故障と言い換えればいいのか?


それに…このままこのゴーレムを信用していいのか判断がつかない。

今のところは敵意は感じないが…

「どうしようか?」

「ウルたちの元へ連れてゆくかのう?」

「うーん…そうだな連れて行くか」

この世界に慣れたとはいえまだまだ知識不足だ

神の時代のゴーレムなら尚更わからない。


「向こうに俺の仲間がいるから着いてきてくれるか?」

"はい!お願いします!"

返事を聞いて俺たちはわざと背中を見せた

襲ってくるか試してみる。

だがゴーレムは素直に後ろをついて来る。

俺の心配は杞憂に終わった警戒のしすぎだろうか?


「おや!ヨリツ…グ!?」

まさかゴーレムを引き連れて戻って来るとは

思ったいなかった様で驚いている。

「その…ゴーレム?ですの?」

「中々見ない大きさね…」

レミリア、ネローズはゴーレムを囲んで色々と調べていた

当のゴーレムは緊張と困惑で動けない様子。

"あ、あの!これは一体!?"


「え!?まさかこのゴーレムは意思がありますの!?」

「これは驚きね…それにこのゴーレムは魔力の類が一切通ってないわ」

「普通はないのか?」

「ええ…わたくしたちの知るゴーレムは

 術者の命令、術式に忠実に従う物ですわ。

 意思があるなんて…前代未聞ですのよ!」

「それに加えて魔力が一切ない、何を動力に動いているかさっぱりよ」


二人の目には異質そのものに映るだろうな

しかし俺はフィクションとはいえ知っている

恐らく…動力の検討もつく。

「ま、まぁゴーレムの事は置いておきますわ

 意思疎通ができるならそれに越した事は有りませんわ」

「それが…問題がまだあってな」

俺は皆に記憶喪失の件を伝える。


「…もうなんでもありですわね」

「いや、でもなんとなく理屈は

 わからなくもないわよ?式が欠落したとかね」

「それなら普通は魔法は発動しないのでは?…

 しかし神代の技術ですものね…」

「ねー!自分の名前も覚えてないんだよね?」

"う、うん…気がついたらこの街にいて"

「じゃあさ!思い出せるまでの名前決めようよ!不便じゃない?」

ブランカの唐突な提案だがこれには同意だ

この先の探索で一緒に行くなら

名前がないと不便だ、いつまでもゴーレムではな。


"名前…ですか?"

「そうだよー!」

"……で、ではこの街にちなんでホワイトと名乗ります"

「うん!私はブランカ!よろしくねー」

ブランカはホワイトへ手を差し出す、それをホワイトは

自分の手を見つめた後に恐る恐る手を差し出した。

それから自己紹介を終えて改めて状況を整理


街で出会ったホワイトは記憶喪失

俺たちは依頼もウルの目的も果たせていない

噂の"怪物"とやらにも遭遇をしていない。

現状の収穫はホワイトととの出会いのみ。

「探索を継続するしかないね!ただ闇雲もどうかと思うからさ

 どうだろう、ホワイトが起きた場所に一度行ってみないかい?」


ウルからの提案、確かに闇雲に

街全体を調べるのは時間も労力も必要だ。

ホワイトが起動したと言う事はもしかしたら

そこの魔道具が動いてる可能性が高い。

全員がウルの提案に頷き、ホワイトの案内でその場所へ向かう。

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