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異世界帰還録  作者: 夜縹 空継
第三章:アルカラド編
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第十六録:渓谷都市ディープホワイト 二節「襲撃」

ルスティアを出発する日。

「じゃあミレーネさん、デボンズさんお世話になりました」

「ありがとうなんじゃ」

にゃん!

出発の日の朝、お世話になった二人に礼をする

約一月ほどこの二人には世話になった。


「おう!達者でな!」

「二人とも、元気でね!」

「はい!」

二人と握手を交わして俺たちは宿屋を後にした

俺たちは集合地点に向かう。

すでに馬車の調整していたウル一行。

俺は荷台に荷物を置いてウルに話かける。

夜天羅は荷台に乗りブランカたちと合流。


「よう、なんか手伝うか?」

「やぁ!大丈夫だよもう終わるからさ!」

「そうか、待たせてもらうぜ」

俺は馭者席の隣に座り作業を見守る

宣言通りすぐに終わり、ウルは席につく。


「さぁ!出発しようか!」

「よろしく頼む」

ウルが手綱を操ると馬は警戒に走り出し

徐々にそのスピードを上げてゆく。

2時間ほど馬を走らせていた時。

「お前様!ウル!周りになんかおるぞ」

馭者側の荷台の幌を捲り夜天羅が顔を出す

それは彼女が何者かの気配を察知する。


「…森の方か?」

「そうじゃ、魔物か獣の感じじゃ」

ウゥー

コイスケも気配を察知したのかうなりを上げる

「運がないね!振り切れるか微妙だね!」

ウルは馬の疲労を考え速度はあまり上げない

すでに馬は2時間走らせている。

森に潜む魔物はこちらが気がついた事を

悟ったのかキィキィと鳴き声を上げ始める。



「数は…8体ですわ、おそらく─」

「シーフモンキーね…最悪よ」

「??」

レミリアとネローズが嫌な顔をする

鳴き声と経験から魔物を特定する

ブランカは二人の横でハテナマークを浮かべていた。

「面倒な魔物ですわ…強さはそこまで、なにより

 その執着と狡猾さがめんどうですわ。この群れを

 残しておくとずっと追ってくる可能性もありますわよ」


「ええー!?」

「うーん…ここで戦闘かぁ」

「いや、俺一人でやってくる。森なら有利だからな

 ウル、少し先で休憩でもしといてくれ。」

「了解!」

俺はウルに指示を飛ばして夜天羅へ刀を預けて

二振りのナイフを取り出す片方は

紅のナイフ対になる様な群青のナイフ。


馬車から飛び出して森へ侵入、ちょうど目の前にいた

一匹を仕留めた、そしてすぐに森を駆け回る。

やはりすごいな…このウルシヴの羽織。

森限定とはいえ俺が動く音が全て消えている。

森を駆け回ると魔物はすぐに俺を見失う

戦いやすい事この上ない。


それにこのナイフ…扱いやすい。

逆手でも順手でも持ちやすい、日本刀と遜色ない切れ味。

それに二振りとも魔力を込めれば込めるほど性能が上がっていく。

ただし注意しなければ魔力がごっそり持っていかれるな…

ナイフの使用感は上々、あとはあの猿を討伐するのみ

俺は各個撃破で次々に倒してゆく。


強い部類の魔物ではない為か俺の動きに反応できていない。

…弱い者いじめをしている様でいやだが

レミリアの言う通り執着心が強い。

仲間が次々と減っているのに逃げようとしない

「悪いが…全員仕留めるぞ」

数はあと4匹、萎縮し狼狽えて混乱しているのが良くわかる。

側の木を発射台して足に力を込めて前方へ

魔物4匹に接近、瞬時に切る、せめて苦しまない様に全て一撃で葬る。


「さて…夜天羅たちと合流するか」

俺はナイフに付着した血を払い鞘へと仕舞う。

走って合流を急ぐ。

馬車を道の脇に寄せ馬にをやり体を冷やしてやる

その間レミリアや探知に長けた者が周囲を警戒。

「む!」

「ヤテンラさんどうかしまして?」

「あ」

「ネローズまで─んん?生命反応が一つ急接近していますわ?」

「旦那様じゃな」

「ヨリツグだねー」


夜天羅、ネローズは安心して警戒を解く

レミリアはネローズの様子を不思議に思い一つ問いを投げる。

「ネローズ、貴女の魔力探知でそこまで詳細がでしたか?」

「他の人なら無理ねそれこそよく見知った

 アンタやブランカウルは別ね。彼のヨリツグの魔力はね

 特殊よザラついている…感覚かな?多分だけど魔眼の影響じゃないかしら?」


「…魔力、魔術、魔法を解体する

 特殊性を考えると可能性としては十分ですわね」

「おーい、お前様!」

「夜天羅!」

うるるるにゃんにゃ!!

俺は無事に皆と合流し討伐を完了させた事を

報告、馬をもう少し休まして出発をした。

その日は夕方まで馬車を走らせて野宿をする


特段問題もなく4日目の夕方これまで

野宿をしていたが今日は近隣の村にお世話になり宿屋へ宿泊。

夜、久しぶりのベッドで見張り番の当番もなくぐっすり寝れる。

「おぉふかふかじゃ!」

「やっぱり旅をするとベッドの有り難さが身に染みるよな」

「じゃな!」


隣にいた夜天羅は急にキスをしてくる。

いつもの事と言えばいつもの事だが驚きはする

「ふふ、おやすみのキスじゃ」

「あ、ありがと?」

ンニンニャァン…

就寝前に恋人との甘い時間を過ごして眠りにつく。

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