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異世界帰還録  作者: 夜縹 空継
第二章:ルスティア編
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第十五録:次に向けて EX「負けられない戦い」

熱気を保ったまま、俺とウルは勝ち上がる

そしてついに─

「さぁ!やってきました決勝戦!!!

 まさか!まさかまさかのジョーカー同士の決勝戦!

 これまで圧倒的な実力で勝ち上がった二人最強vs最強!!」

ステージの上、競技台を挟みウルと向かい合う

…やはりコイツが勝ち上がってきた。


「まさか…この様な形で君と対決するとはね!」

「それは俺も思ってる」

俺は先に競技台に腕を置いた。

続いてウルも手を置き、俺たちは手を組み合う

「どっちが勝っても恨みっこなしだぜ」

「もちろんさ!美しくいこう!」

「それでは!!決勝戦…」

スッと手を上げる司会者

俺たちの間に緊張が走る…それは会場も同じだった

あれだけ喧しかった歓声が静寂に包まれる、全員が待っている。


その静寂の先を、溜まり渦巻く静かな熱。

今か今かと弾けるのを待つそして──

「はじめー!!!!」

勢いよく司会者の手が振り落とされた。

パリィ…紫電が爆ぜる、観客の歓声より早く。

「あっぶねぇ!!」

ギリギリだった、俺の腕が

完全に倒される前に力を込め耐える。

速い、あまりにも速い。

見るのと実際に対するのとでは雲泥の差だ。


「な、なんと!ヨリツグ選手耐えました!

 今大会、誰にも止められなかった雷速を!止めたー!!」

瞬間、湧き上がる歓声、ステージを震わせるほどの声。

今まさに最高潮、解き放たれた熱気は止まる事を知らない。


「ハハ!おしいね!」

「んな、余裕こきやがって!」

確かにスピードはウルのが一枚上手。

しかし膂力は俺の方が上だ。

力を込めウルの腕を徐々に押し返していく

俺のパワーに抵抗できている時点で侮ることはできない。

先ほどまでのウルの余裕が消えて真剣な顔になる。


「くっ!なかなかこれはっ!!」

「これで仕切り直しだ!」

腕をスタート位置に戻し、今度は俺が反撃に出る

さらに力を込めてウルの腕を押し返していく。

このまま行けば俺の勝ちだ、しかしそうはならない予感がする。

目の前の奴はこんな程度で勝たせてはくれない


「うぃ!?」

身体に電力が走る、痺れて力が緩み

押し返していた腕が戻され再びスタート位置に

何が起こったかわからない。

目の前のウルを見てみると自身に紫電を纏わせていた、まさか─

「僕自身に紫電を纏わせているからね!それに

 触れているヨリツグに伝播するのは致し方ない事さ!」


…ルール違反ではない、ウルは俺に魔術を使っている訳ではない。

俺がウルに触れているからその余波を受けているに過ぎない

並外れた技術がウルを紫電から守り武器に変えている。

俺は少しでもダメージを減らすため解魔の瞳の出力を最大にする。


結果、拮抗状態。

俺たちの戦いは持久戦に持ち込まれた。

「膠着!!両者譲らない!予想ができない!一体、どちらが勝つんだ!?」

その間も俺たちの戦いは続く。

お互い本気だ同格同士、譲れないものがある

コイツには負けたくない、それは幼子の様な意地


短い膠着状態はジリジリと終わりを迎える

俺が押し始め徐々にウルの腕を倒してゆく。

「っ!!」

ウルの紫電がバチバチとうなりをあげる。

だが解魔の瞳を全開にした俺には効果が薄い

解魔の瞳を全開にした俺はあらゆる魔を解体する

良し悪しは関係ないデメリットはある

自分で使う強化も対象だだから全開は扱いづらい。

しかし今は素手同士、何も心配する必要ない。


そして、ついに──

トス…静かにウルの手が競技台に触れた。

「勝者!!!ヨリツグ!!!!」

割れんばかりの喝采、勝者への惜しみない賞賛

俺はそれに応える様に腕を上げた。

「ハハ!負けてしまった、悔しいね!」

そうは言いつつもパチパチと拍手をするウルは手を差し出す。

意図を理解し俺も手を出して握手をする。

そうして爽やかな気持ちで大会を終えた


大会終わりの夜に差し掛かる時間。

俺と夜天羅、それに加えたウル一行はデボンズさんの

ご好意によりデストロイ・ステーキを貸し切らせて貰った。

「いやーかなり接戦だったね」

席に座るネローズが大会の感想を語ると

それに続く様にブランカ、レミリアも口を開く。

「ねー!惜しかった!」

「でも白熱した良い勝負でしたわ」


「よう!ヨリツグ!やるじゃねーか!」

「すごいねぇヨリツグくん」

バシバシと背中を叩くデボンズさん

ミレーネさんからも賛辞が贈られる。

それを見ている夜天羅は得意げな顔をしていた

にゃんにゃゃん!!

コイスケも嬉しそうにしている。


「そういえば…ウルたちは八重ノ島特産品セットの何を狙ってたんだ?」

「僕たちの狙いはそのみたらし団子と八重酒だよ

 以前口にしたことがあって美味しくてさ!」

特産品セットの一つである団子を指差すウル

全員で分け合うには少ないがウルたちに渡せば一人2本くらいはある。

夜天羅と目を合わせる、どうやら同じ事を思っているようだ。


「じゃあ、譲るぜ?」

「え?いいのかい?貴重な物だよ?」

「いいの!?」

「俺と夜天羅の狙いはこっちだからな!」

そう俺と夜天羅の目的それは──

「八重米…それに醤油と味噌かい?」

「そうじゃ!もうこれがわしも旦那様もほしくてのう!」


「今日ここをデボンズさんに借りたのも

 今からこれを調理するためだ!

 それにせっかくならみんなで食べようぜ」

「本当にいいのかい?」

「うむ!みなで食べた方がうまいのじゃ」

「では…ご好意に甘えますわ」


肉を焼くのはデボンズさんに任せて俺と夜天羅はコメと味噌汁を作る。

土鍋がないのでそれっぽい鍋で米を炊く。

30〜40分ほどで米が炊き上がる。

今日はウルたちも居るからメニューは─

「できたぜ」

「おぉ…なんとも」


みなに出したのはステーキ丼だ。

おかずとご飯を食べる文化がないから食べやすい様に

どんぶりとして食べてもらうのがいい。

全員に行き渡り、スプーンを手に取る

「…じゃあ、いただくよ!」

それぞれが食前の言葉をしてステーキ丼を食べ始める、その反応は─


「おいしー!!」

「ほう!独特の食感で美味しいね!」

「美味しいわね、それにお酒も!」

「なんだか…団子に少し似ている様な?」

全員から上々の反応が返ってくる。

自分たちが作ったものが褒められるのは嬉しい

「ほう…なかなか肉に合うな」

「この米事態が主張しないから何にでも合いそうね」

デボンズ夫妻は二人とも飲食店経営だからか

作り手目線の感想だ。


「美味しいのう!美味しいのう!」

「うま、うっま!」

俺と夜天羅は久々のお米に感動していた。

おいしすぎる。

「なんか…テンションおかしくない?」

「それだけ思い入れがあるものではないですの?」


「正解じゃ!」

「この八重米は俺たちの国の主食ですね醤油、味噌もそうだ」

「…それって偶然かい?」

ウルの疑問も当然だ、これは恐らく偶然じゃない。考えられるのは。

「ほぼ確定で俺の国のやつが八重ノ島を建国している。」


醤油や味噌、それに米と酒、刀に羽織

これだけ揃えば偶然はありえない

それにこれら全てを一長一短できるはずがない

ノウハウを持った奴が時間を掛けて作り受け継がれている。

八重ノ島に来た奴は相当できる奴だ。


「八重ノ島に行って見たいけどなぁ」

「モースリンガー沿海都市なら

 探せば行けるんじゃないかな!上陸できるかはさておきね!」

鎖国状態だが物があるという事は細々と

どこかと取引をしているはず…

しかし問題は信用を得なければ無理という事。

考え事はとりあえず置いておき俺と夜天羅は久々の米を楽しむ。

こうして俺たちの大会の打ち上げ幕を閉じた。

閲覧ありがとうございます!

五節区切りでまとめきれなかった…

明日からは十六節になります!

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