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異世界帰還録  作者: 夜縹 空継
第二章:ルスティア編
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第十四録:これで対等 五節「久々の」

─二日後の昼下がり俺と夜天羅それに

コイスケも一緒に街を散策していた。

「ん〜この菓子はうまいのう!」

「だな」

にゃんにゃーにゃん!

手にはクリームと果実が盛られたクレープを

右手に持ち左腕を俺の腕に絡めて歩いてゆく

コイスケは俺の肩に乗りあげたおやつを食べている。


今日は完全なオフの日、要はデートだ

この街を純粋に楽しんでいる。

都市と呼ばれるだけに街は活気に溢れて人の往来が多い。

観光地かと思うほど露店が多くそこかしこから

美味しいそうな匂いの誘惑が鼻腔をくすぐる。

隣の夜天羅は楽しそうに露店を眺めていた。


彼女の様子に俺も自然と笑顔が溢れた。

なんて事ない日常が幸せに感じる。

歩きながらどんな店があるのか見ていると

夜天羅の視線がとある店を眺める。

「入るか?」

「入ってみようかの!」

夜天羅が見ていた店は時計店

ちょうどクレープを食べ終えた俺たちは

店に入店、コイスケは一応影に入ってもらう。



カラン、カラン

ベルの音が店員に入店を知らせた

「いらっしゃい」

中年の男性はカウンターで何やら作業をしている

パタパタとやって来たのは奥さんであろう中年の女性。

「いらっしゃいませ」

夜天羅に驚く様子を見せつつ接客を続行する

店内はあらゆる時計が並んでいた。

掛け時計、置き時計、懐中時計etc…

そのどれもが規則正しくチクタクと

音を立てて時を刻んでいる。


「懐中時計をみたいのじゃが」

「懐中時計ですね、こちらになります」

二人で店員さんの後ろをついてゆく

そう広くはない店内を進むとすぐに目的の場所へ到着する。

腰くらいの高さのガラス張りの

ショーケースの中には丁寧に時計が並んでいる。

職人の手作りなのかかなりいい値段をしている


「珍しいな、夜天羅」

「まぁの〜今まで誰かが持って

 おったからのう、改めて欲しいと思ったんじゃ」

これから二人旅になれば必要な物になるだろうな

日本だとスマホがあったからあまり必要性を

感じなかったがこの世界では違う。

二人で懐中時計を眺める

どれもこれも凝った彫刻がなされていて見ていて飽きがこない。


その中の一組に目が止まった。

「これ…」

「おおー!お前様もその時計に目が止まったんじゃな!」

夜天羅も同じ時計が気になっていた様で

横にいる俺へ笑顔を向けつつ更に体を密着させる。

俺たち二人が選んだのはショーケースの奥の方に鎮座している懐中時計。


蓋がついているタイプで色はアンティークゴールド

装飾や彫刻は控えめな物だが中の文字盤は

かなり凝った作りだ、それにこの時計は

ペアウォッチになっており対のデザインになっている。

「…お手にとってご覧になられますか?」

「うむ!よろしく頼むのじゃ!」

夜天羅の返答を聞き店員さんはショーケースから時計を取り出す。

時計が傷つかない様にベロアトレイに乗せられて俺たちの前に差し出された。

「触ってもいいですか?」

「ええどうぞ」


許可を得て手に取る。

軽く持ちやすい手に馴染む大きさ

二つとも狂いなく針が規則的に動いている。

正直、もう気に入り始めていた。

「はー!いいのう!お前様!」

「だな、この時計にするか?」

「うむ!」


あっさりと買う物が決まった。

値段は…まあまあする、まず高校生なら絶対に手が届かない値段だ。

しかし今は資金がかなり潤沢だ

当分は困らないほどにあるが出費もそれなりにあるから

使いすぎもいけないが今回は必要経費ってやつだ。


カウンターに移動し先ほどの店主さんの元へ

会計をしようとした時。

「…刻印はどうします?」

「刻印ですか?」

「見たところお二人は恋人同士でペアウォッチをご購入なので…」

そうか…店主さんは送り合う事を前提にしている

それなら普通は相手為の刻印をする。


「そう…ですね、お願いします。」

「よろしくなんじゃ」

「では…こちらの用紙へ記入をお願いします」

出されたペンを持ち書こうとして手が止まる

どうしたものか…お願いだけしてみよう

「あの、すみません、書く文字なんですが─」

俺は店主へ異邦人である事と異邦の文字

つまり日本語で書いて欲しい事を頼んでみる


「──と言う事で…追加で費用を

 お支払いするのでお願いできませんか?」

無茶なお願いをしているのは分かっている

だからそれに対する対価は支払う。

「そうですね…まずは文字を見せて頂けませんか?」

俺は紙に日本語で刻印したい文字を書く

内容は短いのですぐに終わり店主へ渡す。


「………」

マジマジと文字を見つめる店主。

慣れない文字となると難易度は上がるはずだ

断られても不思議じゃない。

俺としてはせっかく高い時計を買うのだから

日本に帰っても使いたいし日本語で刻印したい。

「…わかりました、これなら大丈夫です

追加の費用は少々いただきますが…」

「ほんとですか!ありがとうございます!」

「ほう!なんとありがたいのう」


俺たちは改めて用紙に刻印したい文字を書き

店主に手渡して会計を済ませる。

30分ほどで作業が終わるそうで俺と夜天羅は店内で

完成を待つ。

閲覧ありがとうございます!

明日は恐らく本編ではなく余談の投稿になるかもしれません

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