第四十八録:派閥 三節「魔法使い」
「なぜ…この様な事を」
「移動しながら話しましょうか」
私はソレイユ様と並びフラウリンへ向けて空を飛行する、横に並ぶ優雅な女性。
「それで…こんな事をした理由だけど、興味があったよね」
「…私に?」
「そ、現代で数少ない"魔法使い"にね〜それに教会側は会議の時あんまりいい顔してなかったから警戒も兼ねてよ」
「…そうですか」
後半の理由は納得がいく…最初はベロニカ様も動揺されていた、他の教皇なら極端な選択をしてもおかしくない。
「私を信用してくれてありがとうございます」
「ま、"助言"もあったしね〜」
助言?ベロニカ様が何か言ってくれたのだろうか?少し発言に引っ掛かりを感じる。
「ねぇ!アルメリア貴女は"どれ"の担当なの?」
ソレイユ様が言っているのは私を含め魔法使いが所属する組織"七曜の理解者"少数で構成された魔術の探求や魔法使いである互いを守るための組織。
日、月、火、水、木、金、土とそれぞれの属性のエキスパートが七曜を関する。
「私は"日"です」
「やっぱり?そん感じがしたのよね〜…たしか月と土が空席なんだっけ?」
私の担当を半ば予測していたソレイユ様、それにしても現代に詳しすぎる。
話では魔窟迷宮"敬虔なる望郷"に閉じ込められていたと聞いている、迷宮がなくなってまだ1ヶ月経つかどうか…それでこの情報収集能力は驚愕の一言。
「私も"七曜の理解者"に入ろうかしら?何か条件とかある?」
「前提として…魔法を一人で使用できる事、ギルド等級で聖銀である事が最低条件です」
「へぇ!結構厳しいのね、まぁでもそれぐらいなら私はクリアできるわ。」
魔法を使用しているのは私が確認した…軽々しく聖銀至るなんてと言いたい所だが先ほどの魔法の拮抗を見ると何も言えない。
「ね、私ともう一人"七曜の理解者"に紹介してくれない?」
「構いませんが…もう一人?」
"七曜の理解者"としても新たな国と繋がりが出来るのは悪い事ではいが、もう一人ソレイユ様と比肩する人物がいる?
復興を始める国としては戦力が整い過ぎている…フィリッツランド国や他の国が異例の速さで独立を認めるはずだ。
「そうもう一人ね、あ、フラウリンに着いたわよ」
眼下に現れたのは美しく自然と調和した街が広がる、私たちは高度を落として街の上空を行く、街はまだ色々と準備に追われて忙しなく動く人族と人狼族と───
「ま、魔族!?」
「ん?あぁ…違うわよ八重ノ島の住人よ種族は鬼族」
額生えたツノ、赤い瞳…魔族の特徴と一致する、しかしソレイユ様は彼らを"オニ"と言った一体…オニとは?
わたしはある事に気がつくまさか…あの異邦の魔族はオニ?…だとすればなぜ魔王ノ宿木があの者に?…謎が多すぎる、この点などもソレイユ様に教えて頂きたい、あの二人が関わっているならなおさら。
こちらに気がついた人々、その反応はそれぞれで手を振る人、眺める人…無邪気な子供の姿も見て取れた。
…復興のスピードが早い、これなら数ヶ月後には国として運営されているだろう。
「着いたわよ〜」
私たちが飛行を止めて大地に降りたつ、眼前には昔の様式ではあるが煌びやかで華やかな城。
「さ、ようこそ!聖華のフラウリンへ!」




