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異世界帰還録  作者: 夜縹 空継
第四章:オーザンガール編
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第四十五録:達成 五節「向かう先は」

ハミルトンは空を見上げていた、それはつい先ほどまで一緒にいた二人を見送るためだ。

2人はゴーレムに乗りすぐに空の彼方へ消えていった…

「行ってしまいましたねぇ」

もう少しゆっくりと話したい気持ちはあったがそうはいかない。

「で、これからどうしますか?ザディルさん」

私にこれからの行動を尋ねる、次の行動は決まっている。


「この者たちを近場の村の兵に引き渡します」

「それからは?」

「アルカラドへ向かいましょう。」

ハミルトンへ次の目的地を告げるとかなり驚いた様な顔をしていた。

「やや!アルカラド軍事都市へですか!?またどうして…」

「次の手を打ちましょう」


私とハミルトンはここ数十日は神代の遺跡を調べて回った…"降魔礼讃"などという国の世界の脅威になり得ると言ってもいい組織を見つけるためだ、しかし私の当てが外れた国内全ての遺跡を尋ねてみたものの空振り。

「次の手を?」

「はい、アルカラドに預けている物を取りに行きます」

「やや!軍事都市に預けている物!秘密の匂いがしたすねぇ!」

「はい、その通りですよ」


少し冗談めかした言葉に私は肯定した、ハミルトンはまさか自分の冗談が事実とは思わずに固まる。

「……ほんとにですか?」

「本当です…飛竜がやってきましたね。」

私たちの上空に影が差す、見上げると合図で呼んでいた飛竜がゆっくりと風を巻き上げながら地面へ着地した、頭を私たちの顔と同じ位置まで下ろした。

「おぉ!マロマロちゃん!」

ハミルトンはそう言って私の飛竜の頭を撫でくりましている。


「…私の飛竜に変な名前をつけないでください」

「やや!いいじゃないですかぁ!ねーマロマロちゃん!」

クルルル…

困った事に飛竜も懐いてしまっている…我々の様な兵士は過度に愛着を持たぬために名付けをしないのが決まりで私1人に割り当てられたとしても近衛騎士であっても例外ではない。

……さらに困った事に私も愛着はあるから強く止められないでいる。


「……一先ず移動しましょうか」

飛竜に装備させている輸送用の魔道具を展開して偽騎士4人を魔道具への誘導、その後に私とハミルトンは飛竜に跨った。

「すみませんハミルトン、ゴルドーに連絡を取りたいので飛竜の運転をお任せしても?」

「やや!いいんですか?ではでは!行きますよマロマロちゃん!」

グォオン!!

手綱を操りまるで数年来の相棒の様な雰囲気を醸し出す1人と一匹。

やれやれと…ほんの少しだけ呆れてしまうが、私はこのハミルトンの明るさに助けられてもいる。


飛竜はその大きな翼を羽ばたかせ徐々にその高度を上げていく、6人もの重量を物ともしないその力強さですぐに雲に到達。

「出発しますよー!!」

手綱を無邪気に引っ張った次の瞬間、飛竜は凄まじい勢いで飛行を始めた。

それはあの神代のゴーレムに引けを取らない。


これから向かうのは軍事都市アルカラド、そこには二つ大事な用がある。

まず一つはヨリツグさんには近場の村へ行くとは言ったがあれは嘘だ、何処かで聞き耳を立てているかもしれない者を警戒しての事だ。

偽騎士たちは暗殺を防ぐためにもアルカラドへ収監する、そこで改めて尋問だ。

二つ目はハミルトンにも伝えたあるモノを取りに行くため。


「ひゅー!!風が気持ちいいですねぇ!!」

「…あまり飛ばし過ぎないでくださいね、飛竜がバテてしまいます」

「わかってますよぅ!」

スピードを出しているハミルトンを諌めつつ私はゴルドーへ連絡を取り始める。

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