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異世界帰還録  作者: 夜縹 空継
第四章:オーザンガール編
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第四十五録:達成 一節「報い」

「お互い怪我せずに無事でよかったです。」

「ですね…一撃でももらえば終わりでした」

「ふふ…確かにそうですね」

戦いが終わり、ひと段落ついた。

…この世界来てはじめて剣士と戦った、死体ではあったがその技術は本物だった、短いながら鮮烈な戦いを経験した。

身体を無視した動きに技術が合わさりより強力に…だが恐らく技術は落ちている落ちていてなおアレだ、本当に生きている時に会いたかった。


「やや!戦闘が終わったようですね!」

「ハミルトン…今までどこにいたんだよ」

ひょこっと俺とザディルさんの後ろから現れたハミルトン、どこかで避難はしていたんだろう

「あんな怖い戦闘についていけないですからね〜私は私でできる事を、と思いまして」

「??」

「じゃん!ヨリツグさんの依頼の品はこれじゃありませんか?」


そう言って見せられたのはペンダント、確かにダンダリンさんの物で間違いなかった。

「助かるが…どこでこれを?」

「そりゃあもちろん!あの地下室からです!」

ハミルトンが指差す先にはジェンドゥルが出てきた地下室だった…戦闘中に侵入したのか。

「しかし…なんでこれだとわかったんだ?」

「やや!それがですねぇ中を物色してたんですが意外に簡素でこれしかめぼしい物がなくてですね」


なるほど…家宝と呼ばれそうな物品がこれしかなく持ってきた訳か。

「それとですね、このペンダントに見た事があってですね〜記憶を掘り返すと過去の取材でイージス・ダンダリンが身に付けてたのを思い出しました、それにあの高価な魔道具とくれば…ね?」

相変わらずの情報の引き出しと推理力だな…過去の事まで掘り出して答えを引き当てた。


「お前様ー!!」

空から夜天羅の声がして見上げる、戦闘が終わったのを察知して降りてきた。

「やや!!なんですかあれ!」

「すごいですね、神の痕跡…神代の戦闘用ゴーレムですか」

あぁ…そうか二人はレーヴァテインを見せた事がなかったな。

地面に降りて俺の元に駆け寄る夜天羅とドロシー。


「お前様!大丈夫そうじゃな…」

「なんとかな…」

「よかった…して、久しぶりじゃな!ハミルトンにザディルどの!」

夜天羅は二人と挨拶を交わし、休憩していた俺は地面から立ち上がる。

「のう…お前様、依頼の品どうしたんじゃ?」

「ん」

俺は親指でハミルトンの方を指差すとハミルトンも見せびらかす様にペンダントを掲げた。


「おぉ、ハミルトンが見つけてくれたんじゃな!ありがとうのう」

「いえいえ〜どうって事ないですよ〜」

「さてと…あとは個人の用事だけだな」

その用事は俺たちとザディルさんだ、正確にはザディルさんたちは国の命令ではあるが。

「やや!そういえば!お二人なぜここに?」

「あぁ話してなかったな、俺の世界からの漂流物を探しにきたんだよ。」


「漂流物を…ですか」

「わしのむかーしの恩人の物が流れ着いてるようでのうそれを探しとるんじゃ」

「探し物!探し物!」

ドロシーは楽しそうに夜天羅の周りを走り回っている。

「そうだったんですか…なら───」


「あぁぁあぁぁあ!!!?」

唐突な叫び声が耳をつんざく、声の方へ急いで視線をむけるとジェンドゥルがのたうち回っていた。

夜天羅はサッとドロシーを抱えて警戒を強める俺は夜天羅の前にでる。

「なんだ…?」

警戒して刀を構え直す…だがザディルさんは俺の肩に手を置いて制止。


「あれはもうどうにもできません、私たちに害もありません…ただ罰を見守ること以外は」

「ば、罰じゃと?」

いまだに絶叫をあげて転げ回る…尋常じゃない、動脈を躊躇なく掻っ切れる奴があそこまで苦痛に顔を歪ませる。

「…デュラハンという召喚術式の代償です、あの全身に施した刺青が消えるまで苦痛は終わることはないでしょう。」


よく観察をすると確かにジェンドゥルの刺青がジリジリと燃える様に消えていってる。

「…あんな線香の様な遅さとはのう」

「呪い返しに近い物です…それにあの刺青こそがデュラハンの強さを左右する一因でもあります、あれだけ全身に刺青があればデュラハンの生前の強さをほとんど再現できます。」

「…死ぬのか?」

ジェンドゥルには正直な気持ち…死んでも仕方がない事をしているし死刑でも異論はない。

だが…外道でも目の前で死なれるのは勘弁だ。



「罰の間は死ぬことはありませんが…その後はなんとも言えません、あの罰がいつまで続くかはわかりません、数日かはたまた数年か…」

数年単位で苦しまなければならないのか…しかし俺の心情はそれでも少ないと思っている。

あの遺体の数々…元々は墓に眠っていた遺体もあるだろう、だがそれを抜いたとて奴が手に掛けて殺した人は膨大な数になる。

数百人分の罪の重さとしては軽いと感じる。


「…なんじゃ?なぜ死体に触れようとしておるのじゃ?」

不可解なジェンドゥルのその様子、立てずのたうち回りながら死体に何かをしようとしている。

「…さらに残酷なんですが他人に触れている時は痛みが和らぐんです、だから必死に他者を求める。」

なんとも悪趣味な事だろう…この魔術を作った奴は相当性格が悪い。

「とりあえずは騎士団へ報告をして放っておくしかないでしょう、私たちができる事は何もありません。」


…無常だがザディルさんの言う通りだろう。

「がぁぁぁぁあぁぁぁ!!」

いまだのたうち回るジェンドゥル…拘束しているはずなのに激しく動く、そして──

「お、落ちたのじゃ」

開けっぱなしだった地下の扉から落下してゆく…暗い地下で苦痛を味わう、か。

罪人の末路は悲惨なもの…だが自業自得。

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