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異世界帰還録  作者: 夜縹 空継
第四章:オーザンガール編
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第四十四録:死の進軍 五節「魂の解放」

守りの戦いが続く。

下手に攻めれば痛手を負わされる可能性が高い、それほどにデュラハンと実力の差がある。

「ぐっ!クソッ!!」

重たい大剣の縦振りが俺に降り注ぐ、避けれずに受け止めてしまう。

全身の力を総動員して受けたがそれでも身体が沈む、かなりギリギリだ。


「だらぁ!!」

潰されてしまう前に受け流してデュラハンに超近接戦闘を仕掛ける。

ガァン!胴体を殴るも分厚い鎧に阻まれる、少しだけ凹むがすぐさま修復される。

「チッ!」

思わず舌打ちをしてしまう…数百人分の魂による膨大な魔力が攻撃を無効化される。

…人が魔力で身体を強化しても身体が壊れてしまうが物はそうではない。

魔力を注げば注ぐほどに強化される…つまりこのデュラハンも当てはまる。

死体が"物"としてカウントされている。


「理不尽だな…ッ!」

カンテラが俺の顔面に迫るがデュラハンを足蹴にして回避、再び距離が開く剣の間合いだ。

構えて互いに牽制し合う、仕掛けるか仕掛けられるか…相手にペースを握らせたくはない。

かと言って焦ると狩られてゲームオーバーだ。

…奥の手は最後まで取っておきたい、ザディルさんの攻撃を確実に当てるために。


「フー…」

息を吐く、こんなにもひりつく戦いは初めてだ…堕天使もリネットも格上だったでもデュラハンには今まで感じた事がない圧倒的な剣士としての圧力を感じる。

「…生きてる時に戦ってみたかったよ」

刀を正眼から脇構えにして正面から接近、下段から切り上げる。

火花を散らし鉄が空気を揺らす。


「おおおぉ!!」

思い切り切り上げてデュラハンの体制を崩してやる、渾身の一発だ。

「ヨリツグさん!!」

ザディルさんが俺の名を口にした…準備ができた事を察して飛び退く。

「…出力超過、リミッター解除"ダインスレイヴ"起動!」

前方のデュラハンに向けて剣を突きつける、ザディルさんの持つ剣の周りを9本の剣が高速回転をしている…見てわかるほどの膨大な魔力の渦。


「発射シークエンス省略!強制射出"ブレイカー"!!」

その時、大剣を構えようとするデュラハンが見えた…ここだ!!

「コイスケ!!」

にゃんにゃ!!にゃん!!

コイスケの影がデュラハンの軸足を沈めた、予想外の事態に胴体がガラ空きになる。

瞬間、光が胴体それも左胸に命中した俺は駆け出してデュラハンに接近する。


左胸に命中したその時に俺は見えた、デュラハンの鎧が弾けるのを。

デュラハンの懐に入り込み左胸目掛けて突き刺した…刀ではなく"壊縁"。

最後まで抵抗しようと大剣を構えていた動きがピタリと止まる。

俺は壊縁を引き抜いて距離を取りザディルさんの元に駆け寄った。

「……これで立つなら逃げの一択ですね」


静止したデュラハン…緊張状態が続いたがそれが終わりを迎えた事がすぐにわかる。

カンテラの青白い炎が消えた、これはデュラハンの心臓が止まった事を意味する。

ガランッ…バタッ…力なくデュラハンが前のめりに倒れ込む。

すると…光の粒子が辺りに広がる、解放された魂が天に帰っていく。

それを見届けながら俺も地面に座り込んでしまう。

「つ、疲れた」

「終わりましたね…安らかに眠りなさい」

ザディルさんを見上げると祈りを捧げていた…静かな勝利を祝う様に光が舞う。

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