第四十三録:想いを胸に 四節「明かされた内情」
「最初の狙いは冒険者でした、奴は魔術で手駒を増やすつもりで私にわざと低い等級で依頼を出すように命令してきました。」
「手駒?ギルド冒険者がそう簡単に寝返るか?」
あり得ない話ではないが…効率が悪いそれにそんな雑な集まりなんてただの烏合の衆だ。
「普通ならそうです、しかし奴はネクロマンサー…死体があればそれで良いのです。」
「なるほど…」
そういう事か、確かにルリアさんが言ってた通り厄介だな…下っ端というのも死体しかいない生きている人間は奴一人になる。
「そうして…ギルドと秘密裏に協力をして一等級が来るまで依頼を伏せていました、ですが痺れを切らしたジェンドゥルは私を要求してきました」
色々と不釣り合いな点はそういう事か、被害を出さないように脅されながらも抵抗はしていた…胆力のある人だ。
「ダンダリンどのを要求したのも…」
「私を殺して操るためでしょうね、奴ほどのネクロマンサーなら人一人くらないなら完璧に生きているように見せれるでしょう」
なんとも…恐ろしい話だ、ダンダリンさんを殺し操り商会を手中に収める為か。
「たかだかペンダント程度とお思いでしょう…」
「いえ、大切に想う物は人それぞれです。ダンダリンさんにとってそれほどの物…」
「うむ!わしらはダンダリンどのの想いを取り返しに行くのじゃ、人も物も想いがあると変えが効かんからのう!」
「ありがとう…!」
座ったまま頭を下げて感謝をするダンダリンさん、ギルドへあれほどの高価な品を預けさらに協力まで…奪還に本気なのがわかる。
「それじゃ…今回の本当の依頼はジェンドゥルの捕獲でよいかの?」
「はい、そうなります。この様な騙す形で申し訳ありません」
「大丈夫ですよ、俺たちも遺跡へ用事があるので危ない奴がいる情報があるだけでも助かります。」
「そうなんですか?」
「うむ、わしらの世界のとある漂流物を探しておるんじゃよ!」
「なるほど…」
ダンダリンさんは右手を顎に置いて考えに耽る、なにか思い当たる節があるのか?
「私の伝手でも声を掛けておきましょう…目当ての物に当たるかはわかりませんが。」
「助かります、ありがとうございます」
唐突な提案だったが助かる、ダンダリンさんは商会のトップだ顔も広いだろう。
「ではわしらはお暇するかのう」
「だな、コーヒーありがとうございました」
「案内は従者任せています。気をつけてお帰りください」
俺たちはソファから立ち上がるとダンダリンさんも立ち上がり最後に握手を交わす。
そうして書斎を出るとクフェアさんがいた。
「では…ヨリツグ様、ヤテンラ様、こちらへ」
特段問題もなく正門まで行き大勢のメイドさんに見送られて馬車に乗りオーザンガールへ。
「じゃあ…ヤマネコ亭に帰るか?」
「その前にドロシーとコイスケにお土産を買って行ってあげようかの」
まだフラウリンでの疲れが残っている事もあり今日はドロシーとコイスケはヤマネコ亭で留守番をしてもらっている。
「だなぁ…街に行くか」
「うむ!」
夜天羅は俺の左腕に抱きつき手は恋人繋ぎをする、そうして街中に向かいデートをする。




