第四十三録:想いを胸に 三節「イージス・ダンタリン」
こちらは1/2に投稿した分になります、僕のミスで順番が前後していました。申し訳ありません!
無駄のない精錬された完璧な所作で俺と夜天羅を出迎えたのは中年のベテランメイドさん。
「ヨリツグ様、ヤテンラ様、本日はお越しいただきありがとうございます。本日の案内役を務めますクフェアと申します、以後お見知り置きやを。」
大きな屋敷…ここに今回の依頼主であるイージス・ダンタリンがいる。
俺たちはクフェアさんに案内され屋敷の中へ入ると─
「いらっしゃいませ」
「うぉ…」
「おぉ…」
二人して面食らってしまう、中には両サイドにメイドがズラッと10人づつ並んでいた、そのメイドさんたちが誰一人としてズレる事なくお辞儀をして挨拶をされた。
…ここに来るまでもそうだった、事前に連絡をする時指定の時間に馬車が来て送迎。
俺たちは異邦者だから詳しくは知らないが有名な商会らしいイージス・ダンタリンはそのトップだ、そんな組織の一番上がなぜ馬車で荷を?
疑問が浮かんでくる。
「では…ダンダリン様の書斎までご案内させていただきます。」
「よろしくお願いします。」
「頼むのじゃ」
俺たちはクフェアさんの後について行く、静かな廊下を歩く音だけが響く。
「こちらになります」
そう言ってクフェアさんが扉をノックする。
「ダンダリン様、ギルド冒険者のヨリツグ様とヤテンラ様がお見えになられました。」
「入ってくれ」
扉越しに男性の声が聞こえてきた、クフェアさんは返事を受け取ると扉を開いた。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
俺たちは部屋に入室する、クフェアさんにより静かに扉が閉められた。
「よく来てくれたね、君達が依頼を受けてくれた一等級の二人か」
椅子から立ち上がり、俺たちの目の前に来てくれた中堅の男性…清潔感があり仕立ての良いスーツを着ているダンディな人。
「俺は縁継と申します、よろしくお願いします。」
「イージス・ダンタリンだ、よろしく頼む」
俺は自己紹介をして手を差し出す、ダンダリンさんもつかさず俺の手を握り握手を交わす。
「夜天羅じゃ」
同じようにダンダリンさんと握手を交わす夜天羅、全員の自己紹介と挨拶が終わる。
「さ、ソファへどうぞ」
広い書斎に置かれた来客用のテーブルとソファ、俺と夜天羅は腰掛けテーブルを挟んだ反対側にダンダリンさんが座ったすると再びノック音が響く。
「入れ」
「失礼いたします、コーヒーをお持ちいたしました」
扉が開かれクフェアさんではないメイドさんがアンティーク調のおしゃれなキッチンワゴンを押して現れた、一礼して部屋に入りテキパキとした動きで配膳を済ませる。
「では…失礼します。」
再び一礼をして出て行ったメイドさん、書斎の中は淹れたてのコーヒーのいい匂いが充満している。
「まずは…依頼を受けてくれてありがとう」
「いえ、それで早速なんですが…」
「ギルドに伝えていたこの場所ひわたしな家宝がある理由だね?」
「はい、依頼の場所が盗賊団の縄張りならもうすでに奪取されて…その…」
「何処ぞの闇市に売られているのでは?と」
「はい」
「それはこの手紙を見てください」
忌々しげに取り出したのは一枚の便箋、それを俺に手渡された半分に折られた便箋を広げて内容を確認する、そこには短くこう記されていた
"返して欲しくば遺跡に来い"
「こいつらはわたしが誰かわかっている、そしてわたしを人質にさらなる金銭を要求する腹積りだろう」
「回りくどいのう…すでに人質がいるのにのう?」
これは俺も気にはなった夜天羅の言う通り家宝と言う人質がすでにいる。
なのにそれを返す交換条件が移籍に来る事…一体、何を考えているのやら。
「…これでもその人質は効力を発揮しています、この依頼が三等級であげているのはジェンドゥルの指示です、本当は一等級で依頼を出すつもりでした」
「!…ますます意味がわからないですね」
もうすでに脅されていたのか…しかしださっきの人質の件もそうだがわけがわらないな
「…その疑問をお答えするためにやつのジェンドゥルの狙いをお話しましょう」




