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異世界帰還録  作者: 夜縹 空継
第四章:オーザンガール編
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第四十二録:国家 二節「認可」

「今回の議題は一つにしてシンプルなものだ、フラウリンの復興支援と国家の承認だ」

「!!へぇ…」

驚いた…アレキサンダーは最初からフラウリンを国として認める前提で提案をしてくれている

「……おい待て俺は認めないぞ」

意を唱えるのはカルラス帝国の長だ、建前は敵になるかもしれない国を増やしたくない…本音は獣人以外の国が増えるのが気に入らないのだろう。


「僕は賛成かな」

「私もね」

「………私は…今はどちらとも言えません」

オーレリアとオールヴェレニアは賛同…教会は予想通りの反応かしらね。

歴史を見る限り一千年はリフロディアが主神として…いや一神教になっているあたり神界で何かあったのは明白ね、ただ元神の私にはもう知る由はないのだけど。


「ふん…賛同するのは勝手だが、こんな状態の国は国とは呼べんどこかが統治する必要があるだろう」

「それならフィリッツランドの領内になるが?」

「…いいじゃないか、国の復興なんて無茶より現実的だと思うが?」

「では良いか?私の国にソレイユが属することになっても?」

「…………」

上手いわね…アレキサンダー、発言の真意に気がつき推し黙るカルラス…そう私という国同士の力の均衡を揺るがす存在に。


元神の私がフィリッツランドへの所属となる、それはカルラスにとっての脅威であり面白くないだろう私の知識と力があれば魔法、魔術のレベルは上がっていく事になる。

かと言って国が一つ増えるのも…と葛藤しているのだろう。

「……復興を認めてやる、カルラスの兵をフラウリンへ派遣してやる」


兵の派遣ね…表向きは復興支援でしょうけどその裏は私の魔法の技術やクイーンズガーデンにあやかりたいのでしょうね。

「いや、その心配はいらぬよカルラスよフラウリンにはもう住人がいる。」

「………なに?」

怪訝な顔をして不機嫌そうにアレキサンダーを睨むカルラス…静かに冷たい空気が流れる。


「この報告書ではそんな事一切記されていないが?」

「つい先ほど上がってきた情報だからな、訳は今から話そう…つい先日な八重ノ島からコンタクトがあった」

八重ノ島から?私は何も聞いてはないけど…アイツが動いた?いや…それはできないそんなことができるなら既にすっ飛んできている。

だとすると椿か桔梗のどちらかからの接触かはたまた別の誰かか…。


「あの未認可の小島が?」

「まぁもうすぐ未認可ではなくなるがな」

「…勿体ぶらずに要点を言え」

カルラスは苛立ちを隠しもせずに態度と言葉にも出す、横暴な奴だ。

「八重ノ島の住人全てがフラウリン国籍になっているからな」

「!?」

これにはカルラスも度肝を抜かれたのか驚きの表情を隠せない、かくいう私も驚いている。

あのバカ将軍め…こう言う大事な事は事前に言っておきなさいよね、内心では愚痴をこぼすが口元が緩む。


「そんなバカな話があるか!!捏造に決まってるだろ!?」

ダン!と机を叩き立ち上がり声を荒げるカルラス、怒りを我慢しているのか握った手が震えている。

「否定したい気持ちはわかんでもないが…数日で全員の戸籍を変えるなんて事できないのはよくわかっているだろう?」

「…….ッ!だが理由がわからん!」


「それは私からご説明しましょう」

今まで静観していたが私は声を上げる、全員の視線がこちらへ向けられる。

なぜ…フラウリン国籍になっているのかは予想がつく、なぜならその将軍は───

「八重ノ島の将軍、京極 村正はフラウリン国籍…私の妹であるメデューサの夫よ」

「なんと…」

「へー!!」

「なるほどねぇ」


「いや!おかしいだろ!?なぜ生きている!エルフ並に長命な理由に説明がつかない!!」

カルラスの疑問はもっともだ…私だってあの手紙を受け取った時は遺言かなにかと思った。

「…土着転生はご存知ですか?」

「な、なんだそれは?」

「その土地、島などが意思を持ち生き残るために力を譲渡し最適な形で転生をさせる。」



「…あの島はなんだ」

「あれは恐らくは日本からの転移物ね…だから鬼が生まれやすく鬼族が繁栄した」

昔、村正から雑談混じりに自身の国の童話を聞いたことがある…題名は"ももたろう"あれに登場する鬼ヶ島が実在した様ね。

いきなり転移させられ右も左も分からない孤立無援の状態の中…生き残った鬼と人。

そこに流れ着き何の因果か土着転生を受けて村正は鬼になった。


「つまりですよ?八重ノ島はフラウリン管轄になると?」

「そう言うことです」

「八重ノ島が…30万人、フラウリンへの移住予定者が10万人かぁ…問題ないじゃないですか?」

オールヴェレニアが資料に目を通しながらカルラスへ視線を送った。

「…ッ!?」

カルラスは何かを言いたいが何も言えずに荒々しく席に座る、奴からすれば最悪の二択だ新たな国を認めるかフィリッツランドが強化されるか…カルラスの答えは。


「………フラウリンを国家として承認する」

出した苦渋の決断は国としての独立だ…これで一つの大きな問題は解決した。

「だが!わかっているな?国を建てたからにはアレの対処にも参加してもらうぞ!」

「わかっていますよ…外魔の件はまた後日にでも話し合いましょう」

「ふん!」


「では…本日より国家フラウリンを正式に認可し八重ノ島はフラウリン領とする。」

「ハァイ」

「承知しました」

思わぬ情報が出て少し驚いたものの会議はスムーズに終わりを迎えた。

早く帰って色々と準備をしなければならない。

これから本当に忙しくなる…だけどこの忙しなさを楽しんでいる自分がいる。

…充実した人生とはこういう事なんだろうか?

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