第四十一録:確かな兆し 一節「吉報」
城の中に入り会議室に四人で入室、コイスケ、ドロシー、ルシュエーラは城内の別場所で過ごしてもらう。
「では…おっと失礼、少々お待ちを」
マルスさんは彼方ノ鏡を取り出して会話始めるが少し会話を交わすと彼方ノ鏡を机に置いた。
[こちらの声は聞こえていますか?]
「ゴルドーさん?」
[よかった、拡声状態は上手くいってますね]
通話相手はゴルドーさんだった、わざわざスマホで言うスピーカーモードへ。
[まずは…ソレイユどのこの様な形での登場をお許しください、私は近衛騎士団長ゴルドー・アルレッドと申し上げます]
「私はソレイユよ、よろしくお願いするわ」
[それでは…早速ですがその土地についてです]
「国を作るのは難しいと聞いてるわ…でも実際なにがそんなに難しいのかしら?」
[…それはある一国が認可しないからです]
「ズバリ言ってしまえば獣人の国、カルラス帝国さ」
マルスさんがハッキリと言ってしまう、確か…カルラス帝国は獣人至上主義だったか。
[参った事にあの国は私どもの国がこれ以上広がるのを酷く嫌います…だから今回も無理でしょう]
なんとも厄介な国だ…獣人至上主義はよほど根深いのだろう。
なにか…解決する術はないだろうか?
「それなら…保護国にしたらダメかしら?石の中で存続していた…なんてシナリオでね、実際ルシュエーラは生き残りよ」
[………なるほどそれならいけるかもしれませんね、ただ…]
当時の人の生き残りがいる…なら国はまだ死んじゃいない、それに国の権限はソレイユさんだ
実質的に言えばソレイユさんも当時の生き残りだ、その生き残りの国の代表が保護を求めた…
無理やりではあるが筋は通る…しかし重要な問題がある。
「問題は人…だね」
[そう…二人だけの国を他が認めるかが問題です、そこをどう誤魔化すか…]
確かに案としては悪くない。
だが…ゴルドーさんがいう様にたった二人の生き残りの国を国として認めてもらえるからどうかだ、フィリッツランド籍を手放してフラウリン籍にどれだけ人が変わってくれるだろうか?
難しい…あまりにも険しい道のりだ。
「無理やりでもダメかしら?」
[難しいですね…言い訳のしようもありませんから]
バタン!…突如扉が開くとそこにはルシュエーラがいた、後からドロシーとコイスケも続く。
「ねえ〜これ受け取ったよ〜?」
ルシュエーラが一通の封筒をソレイユさんへ差し出した…待て誰からだ?
コイスケがいるんだ危ない奴じゃないのは確かだろう…そんな奴がいたのならとっくに知らせに来ている。
「ルシュエーラ…誰から受け取ったの?」
「ん〜?黒い服着た鬼の女の人〜!ツバキ?って言ってた〜」
「あやつか!」
「おや?知り合いですか?」
「…みたいなものです」
ソレイユさんもあの一件は報告済みで知っているが一二三さんがなぜ?八重ノ島に帰ると言っていた彼女が?いや…それよりも夜天羅の探知を掻い潜ってルシュエーラに手紙を渡したのか!
「いったいなんで手紙なん────」
封筒の背面を見たソレイユさんの言葉が止まる、心底驚いた表情を見せて固まる。
[…何があったのですか?]
「い、いえなんでもないわ大丈夫よ」
そう言いつつも急いで封筒から手紙を取り出して読んでゆく。
「…ふふ、人の件なんとかなるかもしれないわ」
ソレイユさんは嬉しそうにそう断言した、手紙には解決策が記されていたんだろうか?




