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異世界帰還録  作者: 夜縹 空継
第四章:オーザンガール編
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第三十六録:望郷 四節「謎」

私は誇りを払った日誌のページを開く、つらつらと書かれた綺麗な文字…間違いなくリネットの筆跡だった、私は文章に目を落とし文字を追ってゆく。

──××××年×月××日。

今日は面倒な内政を秘書に丸投げしてやった、書き置きを残して早々に森に逃げ込み新しい魔法を試す。

P.S秘書には敵わない。


××××年×月××日。

メデューサが異邦人と恋仲になったと告げられた、ひっくり返るくらい驚いた。

受肉しているとは言えまさか人と契りを交わすなんて…すぐにステンノの元へ駆け込んだ。

「そんな事もあったわね…」

記憶が鮮やかに思い出される、リネットは

"「私のお姉ちゃんが盗られた!!何処とも知れない奴にィー!!」"

とか言って泣きついてきたっけね、私は事前に相談されていたから知ってはいたけど。


でも…この日以降の事を私は知らない、メデューサが人と恋仲になった事を神界へ報告しなければいけなかった、恋人と離れたくないであろうメデューサの代わりに。

これが間違いだった…いや結果論である事は分かっているし当時の判断は間違いではない。

神からすればたった20年地上から離れただけ…なんのことはない些細な用事を済ませるただそれだけだった、神の視点では。


人からすればそうではない、今なら理解できる20年…子供は大人へ、大人はより成熟した人間へと姿を変える。

当時の私はそんな感覚などありはしなかった、人を子供も大人も老人もみな等しく同じ目線で見ていた、その変化の重要性など知る事をしなかった…。

私は次のページを開く、私の知らないリネットの過去…それを紐解いてゆく。


…私が神界へ帰ってからはなんて事のない日常がほとんどだった、事件があるにはあるが筆跡や文章からリネットの精神に特に変化は見られない、楽しそうに暮らしている様子。

私は椅子に座り腰を据えて読み進めてゆく、その中で驚きの一文が目に入ってくる。

「はぁ!?メデューサ、あの子出産してたの!?」

10年が経った辺りの日にはこう綴られていた。


──ついにメデューサの陣痛が始まった…城お抱えの産婆と別室へ、扉の外でドキドキしながら待機していた。

この時ばかりは秘書は何も言わなかった、数時間はたった頃に扉越しから泣き声が響き渡る。

生まれた、人と神のハーフ子がこの世に生をうける、我が身の様に嬉しい。

「……この時はまだ平和だったのね」

確か…私が神界へ戻った時のリネットは21歳、メデューサの出産で31歳。

死を恐れるにはまだ早い……まさか──


「病に侵されていた?一体誰に…」

病、それは呪いの別名…解けない魔法、治癒魔術や回復魔法では治せない物。

……そうか、リネットは腐っても一国の女王だ呪いを掛けられる理由はそれだけで十分。

私はさらに読み進めてゆく。


××××年×月××日。

────しくじった。

「!!、なにがあったの」

日誌を5年ほど読み進めた先の次のページにはこれだけが記されてあった、それまではメデューサの娘"琉唯"の成長や自身の抱えている悩みなどだった。

ここだ、ここで何かがあった…あってしまった、問題はリネットがこの先のページから何も書いていない事だ。


「恐らくはこの日に何者かが襲撃、呪いを受けてしまった…それも死のタイムリミットがあるタイプの呪い」

ここまでは予測を立てることができる、だがなぜ解呪できないほどの呪いを受けてしまったのか検討がつかない、魔法のスペシャリストであるリネットはもちろん受肉しているとはいえメデューサという神がそばに居てなぜ?

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