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異世界帰還録  作者: 夜縹 空継
第四章:オーザンガール編
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第二十三録:オーザンガールへ 二節「争い」

──数十分レーヴァテインを飛行させると

少し慣れてきて安定した飛行ができてくる

心に余裕が出てきた、後ろの夜天羅と言葉を交わす

「風が気持ちいいのう〜」

「…だなぁ」

これも…俺のやりたい事の一つに

近いものがある、バイクに夜天羅を乗せてドライブ。

邪気がなくなればやりたい事だった

それが今、似た様な形で叶う…空のドライブ。


「のう、お前様!なんで旅をする選択をしたんじゃ?」

夜天羅と今後の話し合いをした時。

このまま旅をするか、それとも

異界の扉へ休まず最短で目指すかをだ。

俺は旅を続ける選択をした

理由としては変に教会を刺激したくない…

最短で行くとなればゴルドーさんに頼み事をしなければならない。


しかしそれをすれば教会が黙ってないだろう。

ただこれも理由ではあるが表向きだ

夜天羅もそれがわかっていたがその場では聞かなかった

このタイミングで聞いてきたのは俺の考えがまとまったと思ってのこと。



「…確証はないけどいいか?」

「よいのじゃ!」

「あの見つけた鏡と口紅がずっと気になっていてさ

 なぜ来空さんはこの世界に置いたんだろうって」

千里眼を持つご先祖様の来空さん…

そんな未来を見通す彼女が意味もなくそんなことをしない

来空さんの行動は全て望む未来への布石。

「うーん…わからんのう

 来空の奴はようわからんことをするやつじゃった」

「ほんとに勘だしそれこそ直感だけど…まだあるんじゃないか?」


「なるほどのう!集めさせようとしとるのか…のう?」

「多分な、意図して置いたなら

 おかしくないとないと思うんだよな…ただ」

「ヒントがないのう…」

そう、何もない。手掛かりがなければ

次の目的地すら定まらない

だから一先ずは帰る為に前に進む…俺たちはオーザンガールへ向かう。

「まぁ正直、今は前に進むしかないな」

「そうじゃの!楽しみじゃなオーザンガール!」


今向かっている都市、オーザンガール貿易都市

その名の通り交易が盛んで発展した街。

物流の要と言っていい街は人が目まぐるしく動いている。

そこで少し休みついでになにか依頼を受けて次の街に進む。

ここフィリッツランド国で立ち寄る街は

オーザンガールを除けばモースリンガーのみ。

その後は恐らく妖精の国へ向かう。

カルラス帝国は反対方面なので向かうことはない。


それからレーヴァテインを飛行させ続ける

途中で休憩を挟みつつだが馬車で一日掛かる距離を半日で移動した。

オーザンガールは馬車で約8日

今の計算なら半分の4日で街に到着する。

レーヴァテインに感謝しつつ今日はもう夕方だ

夜の間滞在する村の近くにある森へレーヴァテインを着地させた。

[レーヴァテイン、待機モードへ移行]


アナウンスが掛かるとレーヴァテインは

浮上して素早く上空に消えてゆく。

俺と夜天羅はそれを見上げて見送っている。

「…あれどこで待機してんだろうな」

「ドロシー!知ってる!宇宙!宇宙!」

何気ない呟き、それに楽しそうに答えたドロシー

…宇宙?まさか成層圏とかあの辺りに浮かんで待機してるのか…


レーヴァテインを見送り俺たちは村に向かい歩き出す

この森から村までは約1時間ほど。

近くまで行ければいいが村の住人を驚かしてしまう、配慮に欠ける行動だ。

程なくして森を出て野原が続くそこには

人的軽く舗装された道が村まで続いていたがまだ村は見えない。


にゃん♪にゃん♪にゃぁんにゃん!

「〜♫」

コイスケは上機嫌で鳴き声をあげる。

隣で走るドロシーも口笛のような音出しながら手をパタパタとしていた。

俺も夜天羅と談笑しながら歩いていると──


前方から騒がしさを感じる。

ただならない雰囲気を感じて警戒心を高める

慎重に進んでゆく、段々と音が激しさを増す

明らかに戦闘が行われている。

近くの岩陰に隠れながら様子を伺う。

「な、なんだ?魔物同士の戦闘?」

「みたいだのう、見た様子互角じゃな」


四足歩行型の犬に近い魔物と甲虫を思わせる

魔物が道の真ん中で激しい戦闘が行われていた。

…事情はサッパリだ縄張り争い

獲物の取り合い色々とあるだろうが邪魔である。

「…お前様アレ!」

「んん?」

夜天羅が肩を叩き小さく指を差す、それは犬の魔物の方だった。

何かと見てみれば犬の魔物の後ろには小さな魔物の子供がいる。


逡巡する、魔物とは言え自然の営みに手を出していいのか…

それにあの魔物が人を襲わないとは限らない。

しかし…その健気な姿に俺は──気がつけば走り出していた

そして巨大な甲虫の横っ面にドロップキックをお見舞いしていた。

地面を二転三転しながら飛んでいく魔物。


急な襲来に犬型の方は驚いていたが

すぐさま飛び退き子供の前に出て俺を威嚇する。

「ほら、早く行きな」

言葉は通じないが声に出していた。

コイスケに喋りかけている癖だろう

魔物は言葉は通じないが俺の態度を見て

理解したのか子供を口に咥えて走り去る。


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