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異世界帰還録  作者: 夜縹 空継
第三章:アルカラド編
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第二十二録:問題提起 五節「門出」

──アルカラド馬車駅。

街の駅と言う事もあり広く何台もの馬車が出発を待つ

朝という事もあり人の往来が激しい

俺と夜天羅はウルたちをカルラス行きの高速馬車の乗り場を訪れていた。

「じゃあ、達者でな…またどっかで会おうぜ」

「ハハ!そうだね、また会おう!この二ヶ月弱、楽しい日々を過ごせたよ!」

ウルがこちらへ手を差し出してくる

俺はその手を掴む握手を交わす。

「あぁ、俺もだ」


「わー!ヤテンラ元気でねぇ!!!」

「おお、ブランカありがとうなんじゃ」

ブランカは夜天羅に泣いて

そのぐしゃぐしゃの顔で抱きつき夜天羅も抱き返していた。

「もう…ブランカったら、まぁでも元気でね」

「お二人の旅路の無事を祈りますわ、またお会いしましょう」

「レミリア、ネローズ…本当に世話になったんじゃ

 ありがとうのう、みな達者でな」

「達者!達者で!」

にゃにゃん!

コイスケとドロシーも別れの挨拶ををする


ピーー!!駅の職員による笛が鳴り響く。

搭乗時間最後の合図…いよいよウルたちとのお別れ

ブランカは夜天羅から離れてウルに抱きつき

レミリア、ネローズもウルのそばに控える。

「じゃあ、またな」

「あぁ、またね!」

その短いやり取りを最後にウルたちは馬車に

乗り込んでいくと馬車はすぐに出発してゆく。

馬車はすぐにスピードを出して見えなくなる。


「…いったなぁ」

「じゃのう」

寂しさを見せる夜天羅、俺は静かにその肩を抱く

…これからは俺たちだけの旅になる。

馬車が出た為かあれだけいた人々が

いなくなってゆく、少しがらんとした駅。

晴天の空と明るく照らす太陽…

旅をを始めるにはいい日だ。

少しだけ空を見上げて俺と夜天羅も踵を返して駅を後にする。


──アルカラドが小さくなってゆく。

出会った友人たちを置いて…

心苦しさはあるだが僕たちがいてしまう事で

彼らにも愛おしい恋人たちにも害が及ぶ。

だから離れる選択をした。

彼らとならもっと楽しい旅ができたのに…


「…また、会えるかな」

しょんぼりしているブランカは元気なく呟く

それだけ離れるのが惜しい

彼女の気持ちはよくわかる。しかし僕は確信を持っている

「必ず会えるさ!僕の直感がそう言ってるよ!」

なぜだかわからないでも絶対的な確信がある

また…いつかわからないが彼らと会える日がくると。


「ウルの直感かぁ…」

「貴方の勘は当たり外れが激しいですわ」

「自信がある時ほど怪しいのよね」

…励ますつもりがなぜか批難が飛んできた。

僕の直感はそんな感じなんだろうか?

かなり当たると自負しているのだが…

「ハハハ!手厳しいね!」


「…でも、そうだよね!前向きじゃないと!」

「そうですわ、それが1番ですわよ」

「ま、ヤテンラたちの旅路はわかってるし

 目的果たしたら追いかけるのも面白そうね」

「ハハ!いいねそれ、なら早く真実の鏡を見つけてやろうか!」

目的へのモチベーションが上がる。

彼らを追うのは簡単だ僕たちと一緒で

良くも悪くも目立ってしまう、彼らの旅路は噂を残す…

それは美しい物だろう。


僕の愛おしい恋人たちも元気を取り戻した

ブランカが顕著だったがレミリアとネローズも

表には出さないが寂しさが滲んでいた。

彼女たちにとってヤテンラは初めての友人と言ってもいい。

そして僕もヨリツグとはいい友人だ

背中を預けるなら彼しかいない。


僕は揺れる荷台から晴天の空を見る。

どこまでも青い空、旅を始めるには最高の日だ

心の中で彼らの旅路を祈る。

祈る神は誰だっていい、大切なのは真摯な気持ちだ。


こうして、別れた二組の恋人たちは互いの無事を

祈りながら各々の旅を始めた彼らは青い晴天に祈りを込める。

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